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エンディミオン解体新書

はじめに

皆さんこんにちは、ATMです。
2019年10月環境もそろそろ終盤となってきたタイミングですが、ここにきてエンディミオンというデッキは1つの完成点を迎えました。

今回は私がこの半年間調整を続け、1つの完成点に至ったと自負している魔鍾洞採用のエンディミオンについて取り上げていきたいと思います。

今回は先日行われた野々市CSにおいて7-1優勝を飾った自身のリスト、及び、それを元に改良を加えて店舗代表決定戦で使用していた魔鍾洞採用のリストを参考にして大元の構築理論、及び、採用カードの取捨選択方法等を紹介していきます。

そして、最後にそれらの理論を元に1月からの新環境を見据えた参考リストを提示していきたいと思います。

今回の記事は7月終わりに手探りの状態からデッキを触り始め、半年間かけて知識と経験を積み上げてきた理論を余すことなく詰め込んでいます。
その中には公開するだけで、今後間違いなく自分の首を絞めることになるであろう不利益な情報も多く含まれています。

そのため、ボランティアで知識を流布するわけにもいかないので、今回は私初の試みですが後半部分を完全に有料として情報を公開させていただきます。

新環境でも間違いなく注目されるデッキの理論を余すことなく掲載し、エンディミオン初心者でもこの記事を元に理論的なデッキ構築が可能となることを目的に執筆しました。
是非、その内容を確認していただきたいと思っています。

また、このデッキの理論解説を取り扱うにあたって、筆者がエンディミオンを使用した今期のCS成績を記させて頂くと

あつCS 4-1 予選落ち(チーム戦)
裏はっちCS 5-2 ベスト8(個人戦)
足立CS 3-1-1 ベスト8(チーム戦)
野々市CS 7-1 優勝(個人戦)

トータル 19-5-1の勝率76%

このように比較的高めのアベレージを叩き出すことに成功しています。
記事ご購入の際の指標になれば嬉しく思います。

エンディミオンというデッキについて

そもそも、皆さんはエンディミオンというデッキをどのように認識されているのでしょうか?

「高い打点を擁するPデッキらしい」
「なんかわからんけど展開が難しいらしい」
「あまり誘発を入れられないらしい」
「閃刀姫にだけはほぼ勝つらしい」
「正直サイドどころかメインの内容を知らない」

このように「~らしい」という、ふんわりした認識の方が多いのではないでしょうか?
個人的な見解ですがエンディミオンを強デッキ足らしめる要素の1つは相手の理解度の不足です。
逆に理解度さえあれば、マストカウンターの見極めが容易になるため、圧倒的tier1に属するような器のデッキではないと考えています。

つまり、エンディミオンは究極の初見殺しデッキなのです。
とはいえ、練度の高いプレイヤーの的確な妨害がなければ、あるいは、エンディミオン側の適切なプレイや上振れがあれば、あらゆる対面を破壊できるポテンシャルがあるのもまた事実。

この記事を最後までお読みいただければ、これまでのふんわりとした状況を脱却し、エンディミオンの使い手、狩り手双方の面として充実したプレイを行うための情報を得ることができることは間違いないでしょう。

エンディミオンというデッキの特徴と構築指針

エンディミオンがPテーマであるのは皆さんもご存じの通りですが、その他Pテーマを主体とするデッキと比較しても、Pデッキとしての性質を非常に強く持つ1山1つの完全一体型のコンボデッキと言えるでしょう。

実際に他のPデッキと比較した時に

・メインから誘発を殆ど採用できない(環境、好みによる)。
・少ない枚数からの初動を持たない。

といったような現存する環境デッキとしてマイナス面の特徴を持ちます。
特にメインデッキに誘発を採用しないという構築指針はその他多くのデッキと比較してもあまり類を見ない指針です。

近代遊戯王において、一般的には3枚の増殖するG、及び2枚の灰流うららをアーキタイプを問わず採用することが構築のスタートとなっていることも鑑みれば、ある種異常であるとも言えるでしょう。

では、この誘発を不採用とするハンデを背負うことでエンディミオンデッキは何を獲得しているのか?

それはこのデッキの強みである「デッキ全体でぶつかっていく一貫した試合運び」です。
Pデッキはその性質からPカード、及び関連カードで固めることで事故率が減り、最大出力が上がる傾向にありますが、その傾向をより強く押し出しているのです。

そのため、後手になったとしても、手札の全てが攻撃用の札であるため、相手の全力展開に真っ向勝負を挑み、撃ち破るだけのポテンシャルを持ち合わせています。

また、手札誘発がないことは後手の弱さに繋がるようにも思えますが、

・誘発の影響を強く受けない罠ビ系統のデッキに対して無用な事故要素を抱えることなくゲームを行える。
・先後を問わず安定したパフォーマンスを見込める。

といったメリットにもなり得るため、一概にデメリットであるとは言えないでしょう。
もちろん、最大展開を行われてしまえば明確に不利がつく相手も存在しますし、誘発なしの構築指針ではそういった憂き目を見ることもあります。

しかし、大抵の場合,逆にエンディミオン側が先手を取って展開を行えばその優位性は逆転します。
つまり、ミラーを含めた展開系デッキとの勝率は先手有利であるものの、トータルで見れば五分以上に収束するため、あまり気負う必要はありません。

展開系デッキ以外には概ね勝ち越せるため、展開系ミラーが少ない環境ならばトータルの勝率は次第に勝ち越しに収束していきます。
5‐0の予選抜けを狙うのは厳しいですが、4‐1は安定するといったイメージのデッキです。

悪い言い方をすれば直球勝負しかできないパワー押し単細胞ですが、相手の全力を受け止めながら実力で押し返す横綱相撲デッキとも言えます。
ものはいいようですね。
このように極限まで手持ちの無駄牌をなくしそれらを余すことなく使い切り、全力で展開、突破を狙っていくのがエンディミオンの構築指針です。

エンディミオンの先攻展開

使用者によって意見が分かれる部分になりそうですが、私はエレクトラム+キングジャッカル×2の盤面が成立することを最低限の先攻展開成立の目安としており、これを基本的な展開に据えています。

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これはマスターケルベロス、サーヴァントからキングジャッカルの1枚目を用意し、それらでエレクトラムを作って送り込むカードで2妨害目を用意する形で成立します。
そのため、2体目のキングジャッカルを別の妨害要素にすることも可能です。

これはあくまで基本的で最低限の展開であり、エレクトラムや各種ドローソース、その他諸々の要素によって展開力が加算された分だけ分岐していきます。

理論上は対戦相手に応じて様々な要素を追加し盤面を構築することができます。
画像は一例ですが、デッキが回りきればギミックの押し合いで負けることはまずありません。

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1つ目の例ですと、アストラムでサイド後の苦手なパンクラを牽制しつつも十分なだけの妨害を用意できています。

2枚目の画像は、ハンドで浮いてしまっている魔法都市を創聖の効果でカウンターして、コストにした研究所を貼り直してガルーダを構えるという芸当が可能です。オシャレですね。
ただオシャレなだけでなく、その後に魔法族の里を置くことで結界波といった苦手なサイドカードも弾くことができ実用性にも優れている盤面です。

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サンプルリスト

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こちらは前期の終盤に野々市CSで優勝を飾ったリストです。
サイドも含めて増殖するGを不採用とし、6枚目からでも機能する完全後手カードを優先してサイドに採用した構築です。
また、サイドにはかの悪名高き魔鍾洞も搭載されており、当時としてはかなり画期的なプランを複数搭載した構築であったと言えるでしょう(自画自賛)。

魔鍾洞関連のお話がお好きな方は私がnoteに初投稿した記事を見ていただければまた違った味わいがあるかもしれません。

このリストは基盤が非常に強く、この構築を元にメインデッキにクロノグラフマジシャン、及び魔鍾洞を採用して、ノーテスをリストラ、サイドに至っては方針に大胆に変更を加えたものを店舗予選に持ち込んでいました。
以降はこの店舗予選で採用していたリストを元に解説を行っていきます。

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デッキを構成する4つの要素

エンディミオンデッキは4つの要素から成り立っています。
まずはそこを紐解いていくことがデッキをより深く理解する面において重要です。

①エンディミオンギミック

デッキ名にもなっているストラク出身のPテーマです。
魔力カウンターというニッチなギミックを取り扱っているためか、わりと適当にデザインしたんじゃないかと思われるようなパワーカードもちらほら。
エンディミオンギミックを如何に強く回し、通していくのかがこのデッキが真価を発揮するために不可欠な要素です。

該当するのは創聖、エンプレス、サーヴァント、マギステル、魔力統轄、魔法都市です。

②魔導獣ギミック
エンディミオンを柔のギミックとするなら、魔導獣は剛のギミックです。

エンディミオンは展開力や小技に優れる反面、創聖以外は打点が低く、モンスター効果に至っては干渉手段を持ち合わせていません。
それらの弱点を同じくPテーマである魔導獣ギミックを取り込むことで補い、デッキとしてのパワーを強化しています。

後手捲りにおいて、特に重要になるギミックであり、魔導獣ギミックを上手く使うことが後手の勝率を引き上げます。
マスターケルベロス、キングジャッカル、ジャッカル、ガルーダに加えて、魔導研究所も実質ギミックに含まれます。

③魔力カウンター増加ギミック
エンディミオンは魔法カードを使うことで貯まる魔力カウンターを使用して展開、妨害を行うデッキです。
Pテーマであれば魔法を連打するという条件を満たすのは一見簡単なことのように思えますが、実は事はそう単純ではありません。

というのも、Pカードを使う=スケールを塞ぐ行為となり、盤面に置けるPカードの枚数には限度がある以上はPカードのみで魔力カウンターを貯めようとするといずれは頭打ちになってしまうからです。

そのため、デッキを円滑に回すためにはPテーマ以外で魔力カウンターを貯めるための要素が必要となるのです。
魔力カウンター増加ギミックを選ぶ際は

・如何にアド損なく魔力カウンターを増やすことができるか
・如何に場面を選ばず発動することができるか

この2点を最重要視して選びます。

強欲で貪欲な壺、成金ゴブリン、チキンレースといったドローソースは魔力カウンターを貯めつつハンドを減らさないので効率良くデッキを回すことが可能になります。

中でも、テラフォーミング、盆回しといった発動に成功すればサーチ先と合わせて1枚で2回分のカウントを取れる2カウントカードはデッキの安定性、爆発力に貢献するため積極的に採用します。

強欲で貪欲な壺、成金ゴブリン、盆回しギミックに加えて魔力統轄、魔導研究所も魔法カードであるためこの枠にも属しています。

このように魔法カードであるというだけでこのデッキでは追加のバリューを持ちます。
これは閃刀姫と似ているところですね。

④展開補助ギミック
最後は展開自体を強化、補助するギミックです。
ここに属するカードはデッキに存在していなくても展開自体を行うことは可能なカードです。
しかし、これらの札を採用することで純粋なギミックだけでは手の届かない要素を補うことが可能になります

特にアストログラフマジシャンはエレクトラムによるタッチを前提として運用するものの、展開に絡めば爆発的な展開力とリソース獲得能力を持ち、展開の最大値を底上げします。

このようにアストロやクロノ、ノーテスといったPカードは構築内に1枚置いておくことでエレクトラムを経由してプランを広げるシルバーバレットとしての運用が可能です。
また、本筋に絡むわけではないことから強欲で貪欲な壺で除外されてしまっても痛くないことが多いのはよいことです。

しかし、これらのカードは純粋に展開をサポートするカードではないため、素引きして浮いてしまうと事故を生む要因にもなります。

特にこれらの要素が固まるとそもそも動き出せないといったことにもなりかねないので④に属する枠は極力絞って事故の少ない構築を行うことが重要だと考えます。
メインデッキに手札誘発を採用しないのも同様の理由です。

今回紹介している構築ではアストロ、クロノ、墓穴の指名者がこの枠に該当します。

ここまで、採用カードを役割別に分解して解説してきましたが、ここからは更に踏み込んで各カードの細かい使い方を補足していきます。

エンディミオンの採用カード解説

・創聖魔導王エンディミオン

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モンスター効果、スケール効果共に一級品であり、文句なしのデッキのエースカードです。
エンディミオンモンスターの中で唯一、1ターン中の特殊召喚回数の制限がついていません。

魔法、罠カードの「効果の発動」を無効にすることができるという非常に高性能な妨害性能を持ち、一度自身にカウンターが乗ってしまえば凄まじい固さを誇ります。

モンスター効果以上に強烈なのはスケール効果であり、スケール効果が通ればゲームを取ることができるデッキ内指折りのパワームーブです。

狙えるなら積極的に狙っていくべきですが、あまりに見え見えすぎると逆に1妨害で勝ち筋を失ってしまう恐れもあるため、相手の妨害を踏み切って通すことができるのかは吟味し、創聖の効果に拘らないゲームメイクを心がけましょう。

スケール効果は自分フィールドのカードも破壊できるため、処理し損ねたチキンレースやオッドアイズアブソリュートドラゴンを破壊して展開を強化することも可能です。

闇属性であるため、超融合に吸われる可能性があるので、展開に余裕があると判断できたなら他の闇属性モンスターをリンク素材などに巻き込んでケアすることも視野に入ります。

・エンプレス・オブ・エンディミオン

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メインギミックで用意できるバウンス効果は貴重であり、その除去性能は対サンダードラゴンで強く真価を発揮します。
サンダードラゴン対面が想定される環境なら3枚目を採用する方が良いでしょう。

2ターン目以降はマギステルのスケール効果などを絡めて展開前の露払いを行うことも可能です。
先攻展開では盆回しで送り付けた里を回収するムーブが強力です。

同名カードの特殊召喚は1ターンに1度ですが、複数体を同時にP召喚することは可能であり、その際にバウンス効果を重複して発動することも可能です。

バウンス効果は対象に取ったカードの片側が処理時に存在しなくなっていてもそのまま解決されるため、複数体をP召喚した場合は1枚のカードをコストに2バウンスを行うことが可能です。

スケール効果は特殊召喚の範囲がP召喚と被っているため、下級2種ほど積極的に運用はしませんが、うららが当たらない展開なので、スケールをロックされることなく安全にプラン通りにカードをボードに送り出しスケールを空けられるという性質は非常に重要です。

この要領でキングジャッカルをP召喚を経由せず先にボードに送り出すことで、うららをケアしながら後続のサーヴァントを通していくなど、条件さえ整えば先攻展開時にもいぶし銀の活躍を見せます。

・サーヴァント・オブ・エンディミオン

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デッキ内で最強の展開カードです。スケール効果で幅広いリクルートを行うことができ、スケール効果が成立することで好きな妨害要素を1つ選んで展開しながらエレクトラムへ繋ぐことが可能です。

創聖と同様、スケール効果が強力な反面、そこにオールインした展開は攻め手が分かりやすくなり危険であるため、スケール効果は無理のない範囲で運用していきましょう。

先手は妨害要員の供給が主な役目ですが、後手の際はマスターケルベロスなどの突破要員をリクルートすることも選択肢に入れておきましょう。
エレクトラムと並んでデッキの柔軟な攻め手を作り出すカードです。

モンスターゾーンの効果はほぼオマケですが、手札で浮いてしまった強欲で貪欲な壺などを魔力カウンターに変換したりすることができるのは覚えておくと良いでしょう。

反面、スケールに戻る効果はリソース確保の面で意識しておくことは非常に重要です。
Gストップに強くなれる要因の1つでもあります。

・マギステル・オブ・エンディミオン

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相手ターンにデッキから追加の妨害要素を呼び出すことができます。相手ターンに追加の展開が行えるというのは先起きした妨害では足りない要素を補えるということであり、相手のデッキタイプや残りのカードに合わせて後出しじゃんけんを行えます。

特に、エクストラデッキを多用するデッキに対しては、エクストラデッキからの大振りな展開要素をエンプレスで着地狩りすることで効率よくテンポスウィングを起こすことができます

このムーブが意識されているかどうかで勝率に影響が出ると思えるほど、露骨にエンプレス直撃ルートに突っこんでくるので影のイージーウィン製造機です。

ギミック内で後出しじゃんけんが可能な妨害要素は他にはマスカレーナ、セレーネが存在しますが、それらよりも比較的扱いやすい上にリクルート先は抜群に広いので、完成した先攻展開に添えるだけで見た目よりも展開の強度がグッと増します。

効果が強力な反面、リクルート先の消費分も含めて魔力カウンターの消費は荒いため、狙って設置するのかは吟味し、ボードに残さず素材に使ってしまうこともしばしばあります。

モンスター効果、スケール効果ともに攻撃に向いた性能であり、攻め手を厚くしてくれる重要な存在です。
また、デッキ内の貴重な上スケール要員でもあります。

・魔導獣マスターケルベロス

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1枚で場面毎に必要な魔導獣をサーチして展開を補助します。
ボードに出た際は基本的に魔力カウンターを効率よく溜められるタンクとして運用します。

特に後手捲りにおいてはキングジャッカルサーチから送り出し除去を行ったり、魔法カードを3回発動することで創聖のスケール効果発動に必要なだけの魔力カウンターを溜めることができるので、少ない消費で強力な攻め筋作ることができます。

上記の展開を通していくのが分かりやすい後手の勝ち方です。

・魔導獣キングジャッカル

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このデッキのメイン妨害役です。
盤面に維持することでマスターケルべロス同様に魔力カウンターのタンクとしても運用できます。

スケール効果でマスターケルベロス以外のカードを展開できることは覚えておきましょう。
特にジャッカルは特殊召喚するパターンが存在します。

・魔導獣ジャッカル

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魔導研究所とセットで採用されるカードです。
レベル1であるという点が非常に重要であり、研究所から軽いコストで引っ張り展開の強化から、リソースの確保と小回りが効くようになります。

基本的に研究所とセットの運用なので、研究所を減らす場合は合わせて減らします。
増殖するGを重く踏む上振れ狙いのカードにも見えますが、むしろ、Gを安く踏めて展開の最大値に寄与する重要な役割も持っています。

・魔導獣ガルーダ

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先攻展開では手札に持っておける妨害として、後手ではサイクロンとしての運用が可能です。
デッキ内に1枚存在することで攻め手が厚くなるカードです。

・アストログラフ・マジシャン、クロノグラフ・マジシャン

基本的にはエレクトラムからのタッチを前提として運用する展開補強要員です。
大筋の展開には絡まないため、都合のいいタイミングでのみ引きたいカードです。

では、その都合のいいタイミングとはいつなのかと言うと、サイド後の幽鬼うさぎ、タイフーンに耐性をつけたい場合が1点。
もう1点は対オルフェでマスカレーナ展開を成立させられた後の捲りの場面です。

メインギミックでは突破が困難なマスカレーナ展開ですが、何かしらのモンスターを通常召喚して、バトルフェイズに移行、戦闘を行い墓地のトロイメアでパンプされたマスカレーナに返り討ちにされることをトリガーに各グラフマジシャンを手札から展開し、追撃して突破することが可能となります

野々市CSでは採用していなかったクロノグラフですが、12月時点ではエンディミオンへのマークが激しくなると予想されたこと店舗予選の環境で最大母数となることが予測されたオルフェゴールを最大限意識する必要があったことなどを加味して、追加で採用しました。

・魔力統轄

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エンディミオンカードをサーチしつつ、魔力カウンターを追加で貯められるカードです。
2カウントカードですが、魔力カウンターを1度に乗せる点が他の2カウントカードとの違いです。

2枚目以降の発動で乗せられる追加の魔力カウンターは複数のカードに割り振ることができることは地味に重要です。

・成金ゴブリン

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デッキの中で最も強いカードの1枚です。
デッキ内で同じくらい強いカードは強欲で貪欲な壺、魔力統括、テラフォーミング、盆回しくらいのものでしょう(結構あるな…)
しかし、その中でも一際扱いやすいという特徴を持ちます。

チキンレースと違って後腐れなく、条件を選ばず1ドローできるため、展開のどのタイミングでも強く使うことができます。

ドローしたカードは殆どがドローソース又はペンデュラムカードであるため、ドロー先と合わせて疑似的に1枚で2カウントを取れるカードとも言えます。
その特性からデッキの瞬間火力の向上への貢献度が非常に高く、エンディミオンが高速環境で一線級であり続けられる影の立役者です。

あまりにも強いためET,EDを見越した際も枚数を減らすことは基本的にありません
2回程度の発動でも、デッキが回りきってしまえば余裕でお釣りがくるほどの大ダメージを叩き出せるため、回復によるマイナス要素をデッキが回りきるというプラスの要素が上回るからです。

唯一枚数を減らすことを考えるのは閃刀姫対面のET、EDを想定する場合です。
これは、成金の回復がライフ差での逃げ切りという勝ち筋を与えてしまうため、そこを削って負け筋を消しておきたいという理由の他に、そもそも、閃刀姫相手の対面では成金が減った程度では到底覆らないような極端な相性差が存在するからです。

そのため、一周回って一切削らないことまで視野に入ります。
その時の残り時間、相手のサイドカードなど、様々な要因と照らし合わせて枚数を調整しましょう。

・強欲で貪欲な壺

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扱うことに関するデメリットは殆どありません。
ペンデュラムテーマはハンドの数が攻め手の厚さに直結するため、手札が増えるという事実だけで相当に強力であり、魔法カードの連打で展開を行うエンディミオンは手札増量の恩恵を十分に受けられます。

ゴードンの飛びをチェックする際の指標は以下の3点です。

① デッキから完全になくなってしまったカードはないか
(特にアストロ、ジャッカル、ガルーダ)
② キングジャッカル、創聖が何枚残っているか
③ 盆回し、テラフォーミングを発動できるか

基本的にはこの3点のみを確認するだけで事足りるため、これらの内イレギュラーが発生した要素だけを記憶しておけば展開に支障がでることがありません。

・テラフォーミング

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2カウントカードです。
成金ゴブリンと同じく発動条件がないため、展開の補強に使いやすく、魔法カードのサーチであるため、任意のタイミングで分けてカウントを取れることが最大の長所です。

展開成功後は里をサーチして盤面を固めたり、キングジャッカルに魔力カウンターを補充したりする他に、展開系相手にはキーカードである魔鍾洞をかさ増しする役目もあります。
制限カードとして文句のないパワーと言えるでしょう。

・盆回し

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こちらもテラフォーミングと同じで、フィールド魔法にアクセスする2カウントカードです。
テラフォーミングとの違いは相手に送り付けを行うことと、対象のカードがフィールドに直接セットされることです。

送り付け効果は先攻時はエンプレスで里、その他の回収が効き、後手からはシャンバラやバベルといった厄介なフィールド魔法を剥がしながら攻め手を用意することができます。

また、無限泡影、タイフーンといった妨害にも強くなり、文句なしのパワーがありますが、盆回し自体の性能こそ高いものの相方に強力なフィールド魔法を複数必要とするという点は構築時点の明確なデメリットとなり得ます。

そのため、盆回しが強いから採用する!という思考停止な採用ではなく、その周りのカードまで含めて本当に必要なのかは吟味するべき枠です。
ここからは各フィールド魔法の採用理由に移っていきます。

・魔法都市エンディミオン

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メインギミックの補強に最も貢献するフィールド魔法です。
Pゾーンとモンスターゾーン以外に魔力カウンターを貯められる性質上、各種展開を阻害せず非常に安定した貯金箱として機能します。

後手の際はこのカードが代替効果を使わずにフィールドに残っているだけで、妨害を踏み切った後にエンディミオンカード1枚から捲りを狙えます。
そのため、展開の中で除去されないようにさりげなく設置して維持しましょう。

また、忘れがちですがフィールドの魔力カウンターを移動させる効果も持っているのでカウンター面のリソース管理先として非常に優秀です。

構築内に1枚は必須です。

・チキンレース

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成金ゴブリンと似て、カウントを進めながらドローができるカードです。
効果自体は強いのですが、盤面に残ってしまった際は相手も利用可能なデメリットがあり、使用にはリスクが伴います。

そのため、採用するためにはドローは強い以外の明確な採用理由が必要となります。
今回の構築では前述の通り対サンダードラゴンを意識しての最大枚数採用となっています。

使用後はその他のフィールド魔法で上書きすることが理想ですが、ハンドや展開次第では盤面に残ってしまう可能性もあります。
展開後に盤面に残ってしまった場合ですが、創聖のスケール効果やエレクトラム、スターヴの効果で割ってしまうことを目指します。
どうしても剥がせない時は割り切ることもあります。

カウントを進めたいだけならば、貼ってそのまま自壊させることもできるので、後手から仕掛けてライフを削りに行く際は意識しておくとよいでしょう。

サンダードラゴンを意識しないなら盆回しも含めて削る選択肢あり。

・魔法族の里

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盆回しギミックの一角であり、唯一のセットアッパー。

キングジャッカル+里といった並びはシンプルながら強烈な押し付けゲーを発生させます。
メイン戦よりもサイド後に精神操作、冥王結界破、ライトニングストーム、超融合といった各種サイドカードを弾くことに重きが置かれているカードです。

相手を縛る力は相当強いものの、里を強く使うためには自分もある程度強めの展開を行えなければならないという縛りが発生し、一度里が残ったまま捲りを許してしまえば以後、満足に展開が行えず敗着する可能性も多分に含んでいます。

個人的には全く持って積極的に採用したくはない枠ですが、盆回しを採用する必要性、及びサイド後の展開強度を担保してくれる点から、採用せざるを得ない枠だと認識しています。

・魔鍾洞

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今回の構築のキーカードです。
主にギミックのみでは後手からの捲りが困難なオルフェゴールのマスカレーナ展開と、未界域やドラゴンリンクのハンデス展開に耐性をつける目的で採用しました。

それらのデッキはモンスター効果を主軸に戦術を組み立てており、メインデッキの段階ではハーピィの羽根箒といった対策カードが少数しか採用されておらず、人によっては0枚であることも珍しくないことから、一度成立させてしまえば圧倒的な不利マッチを一転完全有利マッチに変えられる文字通りの切り札です。

野々市CSでは里と入れ替えるためにサイドに採用していたカードでしたが、

エンディミオンというデッキの性質上、サイド後にツインツイスターといったスケール除去用のカードが投入されるのは目に見えており、サイドよりもメイン戦の方が効果的に機能すると考えたこと
店舗予選は数回の出場のうち、どこかで上振れを掴んで権利を獲得できれば問題ないと考えていたこと

これらの理由からメイン戦の先手時に素引きすることのリスクを許容しメインデッキに昇格させました。
制限カードではあるものの、テラフォーミング、盆回しと直接アクセスできるカードの存在から、実質3枚採用になっており、十分にプランとして運用することが可能です。

また、メインギミックと親和性があり広い範囲を対策できるため、苦手な展開系デッキに過剰なサイド枠を割かなくてよいという構築面のメリットもあります。

細かい運用方法は後ほど専用の立ち回りの項目を設けてありますのでそちらを参照してください。

盆回しギミックの採用経緯

そもそもの盆回し採用構築の開発経緯には、2019年10月1日環境の頭のサンダードラゴン大増殖期に、ギミックのパワーを損なわずサンダードラゴンとの相性を改善したいという要望があったことに起因します。

チキンと盆回しを除けば、デッキ内で超雷にかからない魔法カードは成金、研究所、ゴードンのみと数が少なく、それらだけでデッキを回していくのは現実的ではなかったため、デッキのパワーを保ったままカウントを取れるカードとしてチキンレースが最大枚数採用されました。

そして、それによってそれまでは採用にリスクのあった盆回しのリスクが緩和され、採用されるに至ったというわけです。

魔法族の里に関しては、完全にその後のおまけですね。
盆回しを扱うにあたって1枠をテックカードで埋める際に一番マシなカードを選んでいる、という認識です。
環境終盤は操作、ライスト、結界破を弾けてメインから採用できる枠として再評価された里ですが、環境中盤までは里である利点もあまり感じられず、ネクロバレーと差し替えていた時期もありました。

これらの理論を独自で考え運用していたのはピー次郎さんを始めとした関西のエンディミオン使いでした。
その構築は、母数が少ないながらにまとまった数の人数をはっちグランドのDay2に送り込み、エンディミオンというデッキが広く認識されるきっかけとなりました。
以降、その構築が1つのテンプレ構築として普及していくこととなります。

・魔導研究所

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スケール、フィールド魔法ゾーンを塞がず、またドロールにかからず魔法カウントを稼ぎ、カードをサーチできるカードです。
魔導獣シリーズとの組み合わせによるブン回しにのみ寄与する上振れ嗜好なカードと捉えられがちですがそうでもありません。

特にメインギミックでありながら、サイド後のドロールや全体除去への耐性をつけることができるのは評価点であり、魔法罠ゾーンにカウンターをため込むことができるので結界波などを貫通してガルーダを構えることもできます。

展開の起点に使わない場合も最終盤面にガルーダを添える役割を担うのでメタが激しくなると思われる今後は重要なカードになるでしょう。

ツインツイスターなどに弱いという弱点はありますが、それらが先手から採用されるサイド後は減らすことで問題を解決できます。

魔鍾洞を採用するならば、モンスターゾーンを使わずにカウントを稼げるということだけで重要な要素になるため、構築から外す選択肢はありません。

・墓穴の指名者(メイン2、サイド1)

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メインギミックで根本的な対策が難しい灰流うらら、増殖するGといったカードの他に、サイド後に増えてくる幽鬼うさぎ、ドロール&ロックバードなどのメタカードを1枚で弾くことができます。

環境的に墓地利用デッキが増えていたこともあり、先手で浮いてしまってもギリギリ質のいい妨害にカウント可能なことから採用しています。

しかし、後手では腐り札になりがちなことや、無駄な素引きはデッキの展開力を落とすことに繋がると考えていること、本格的な仕事はサイドカードを弾くことにあると考えていたことから、メインは2枚の採用に抑え、メインの魔鍾洞との先攻時の入れ換え用に3枚目をサイドに採用することでバランスを整えました

メインに3枚取ることも十分に可能な枠であり、他デッキから意識されるあろう来期はメイン3の予定です。

サイドデッキの構築理論

エンディミオンはハンドの有効牌をフル活用してぶつかっていく立ち回りが強みです。
その強みはサイド後だろうと変わることはなく、むしろ、サイドカードを追加する分その特性は強化されます。

バリュー勝負を好むデッキであるため、中途半端にバリューの低いカードを投入することはハンドの点数を下げ負け筋を生むため、採用カードは慎重に吟味する必要があります。

そのため、メンコカードを少数精鋭で採用し、それら1枚でゲームを破壊した後に残り5枚のハンドで制圧、ワンショットを目指す方針がスマートであると考えています。

メンコカード

引き込み叩きつけるだけで駆け引きなく機能するパワーカードのこと。
電光雪花、ハーピィの羽根箒、冥王結界波、システムダウン、レッドリブートといった対話を拒否するカードが該当する。

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今回の構築では転生、及びオルフェゴール、罠ビに勝つことを目的として構築しており、逆にミラーマッチとサンダードラゴン、未界域との対面は専用メタを完全に切り捨てています。参考画像2回目

コズミックサイクロンに関してはこの中でほぼ唯一のバリューの低いカードであり積極的に採用している枠ではありません。
中途半端に枠が空いてしまったので対罠ビの魔封じ対策を強化する目的で採用しましたが、ミラーを意識していたのならタイフーンになっていた枠です。

その他不採用カードとその理由

・増殖するG

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現代遊戯王において最も意識されている最強のバリューカードです。
その知名度からマークも激しく、流行の展開デッキは増殖するGに耐性をつけるためにうらら、墓穴、抹殺といったメタカードを大量に採用しています。

そのため、増殖するGを後手から通すのは確率的に現実的なプランではありません。
特に本来エンディミオン相手には機能しないはずの墓穴、抹殺といったカードに明確な役割を与えてしまう上に1ハンデスされてしまうと捲りが絶望的になってしまうのはいただけません。

その一方で、増殖するGを不採用にした場合に何が起こるのかというと、今度は逆に相手側に本来不要なはずの墓穴、抹殺を採用したままサイド後に臨まなければならないというジレンマが発生します。

また、相手が実際にそれらのカードを引き込んだ場合、セルフハンデスでマイナス1枚の相手に対して、後手からプラス1分のハンドアドバンテージを得ている有利な状態で試合を進めることができます

そして、その状態の相手に墓穴や抹殺では対応できないサイドカードを叩きつければ容易にゲームを決定付けることができます。

このように展開が成立したとしても、それをその他のサイドカードで捲れるならば、増殖するGが必ずしも必須なサイドカードである必要はありませんね。

これらの理由から、増殖するGを廃し、その枠により効果的なサイドカードを採用することでプラン勝ちを狙うことができました。

実際にこのプランを打ち出し持ち込んだ11月末の野々市CSでは、このプランが見事にはまり、7-1優勝を飾ることができました。

ところが、そこから1ヶ月が経とうとしている現在ではこのプランも認知され始めており、プラン自体の奇襲性は薄れており、今後は増殖するGを無視した全力展開の憂き目を見ることも増えてくるでしょう。

しかしながら、増殖するGを不採用としたプランが認知され始めたこのタイミングで増殖するGをサイドに改めて採用すれば、サイド後にメタカードを外した状態の相手を入れ食いすることが可能となると思われます

このように「増殖するGを使うかどうかの選択権」は常にエンディミオン側が持ち合わせているため、今後は環境や主流な情報を整理して、増殖するGを採用するべきかどうかを自ら選択していく力が必要となるでしょう。

・マジシャンズソウルズ、EM天空の魔術師

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不採用推奨です。
これらは完成した盤面をより強化するカードです。

それぞれ、Pモンスター、魔法使いと最低限エレクトラムやセレーネへの橋渡し役はあるもの、実態は1枚では何もできず、残り4枚のハンドで展開を行わなければならないカードです

つまり、残り4枚のハンドが強いから結果的に最終盤面が強くなってるだけのカードであり、5枚目にそれら以外のギミックを回すためのカードを入れた方が安定感が増すと考えています

更に、ソウルズに関しては、エンディミオンの利点である墓地利用を行わないというメリットを完全に捨ててしまいます。

後手から仕掛けるにしても、相手が腐らせている墓穴を踏むのは意味がないですし、前述の通り、残りのハンドで展開が成立して、更にはセレーネまで通ってしまうような状況は、それが天空、ソウルズでなくても十分に勝てます。

オーバーキルを作り出し、無意味に敗因を生むカードになるので絶対に採用してはいけないと考えています。

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しかしながら天空の魔術師に関してはデュエリストアドベントやEMペンデュラムマジシャンといったギミック一式としてまとめて採用するならば採用の可能性もあると考えていますが、単体運用は前述の通り推奨できません。

これらに限らずギミックから独立した展開強化要素を採用しようと考えるならば、それら1枚でゲームに勝てるのかまでを吟味して採用するべきです。

回ってしまえばメインギミックの動きだけであらゆる対面に勝てるという事実を念頭に置き、下振れた際にその要素がどう働くのかを意識するのが採択のコツです。

・ケンドウ魂 KAI‐DEN

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中立枠です。
スケールとしての運用が基本であり、足りない上スケールを補うことが可能です。

ケンドウを採用することで生まれるメリットはマスターケルベロスをペンデュラム召喚できるようになることと、スケールながら1枚で2カウントを稼げるカードであり、効率良く魔力カウンターを補充する役割を持つことでしょう。

サンダードラゴン対面では強く働くため、それらの役割と足りないスケールを強化したいと考えるなら採用も考えられる枠です。

・魔導獣バジリスク
マスターケルベロスと合わせて専用項目を設けます。
現状自分は必要だと考えていません。

・簡易融合

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非推奨
エクストラ枠を食い、増殖するGが直撃してしまうカードです。
サンダードラゴンや転生相手の後手では1枚で妨害を踏めるのは強力ですが、同じ運用をするならより強力な後手用のサイドカードを採用した方がより強くなるでしょう。

後手で特定の対面でのみ強いカードに枠を割くほど余裕のあるデッキではありません。
先手時のセレーネによる融合体釣り直しも勿論魅力的ですが、このカードでないと作れない勝ちなのかを見極めるべきです。

エクストラに余裕がある環境でなら、サイド後の後手ギミックとして有用でしょう。

・十二獣ギミック

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中立枠です。
ヴァイパー+ドランシア+会局の出張パッケージとしての運用が基本であり明確な仮想敵はサンダードラゴンと魔封じの芳香、ドラグーンでしょう。

外部ギミックの中では一際高い汎用性を誇るため、喜んで採用できそうなカードですが、増殖するGを重く踏む点、本筋には全く絡まないカードである点を鑑みるとメイン採用は推奨できません。

少ない枠で苦手要素の多くに役割を持てる点や増殖するGを無視する観点から、サイド後の後手ギミックとしての採用が最もスマートかと考えます。

しかしながら、そんな枠があるのかという問題と、環境が煮詰まれば魔封じの採用枚数は減少していくと考えていることから、同じくらい環境が煮詰まれば採用意義が薄まるギミックであると考えています

環境次第ですが、存在自体に意味があります。

エクストラデッキ構築理論

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エンディミオンのエクストラデッキで主に活躍するのは展開に必須なエレクトラムと、展開力と誘発受けを強化するセレーネ、少ないリンク数からキルを目指せるヴァレルソードドラゴン、苦手な相手を効率よく触れるグラヴィティコントローラー、展開の最終着地点となるアポロウーサアストラムです。
これらのカードさえ揃っていれば後は何でもいいと言えるほどに自由枠が多いです。

ギミック内に十分な数の高い打点や除去を擁しているので、エクストラデッキのカード採択メインデッキのカードでは補えない要素を補充するためのワンポイント起用専用カードが大半を占めることとなります。

環境によって必要な要素を柔軟に取り込むことができますが、自由枠が多いからと言って何でもかんでも採用していいわけではありません。
本当に必要な枠なのかは吟味しましょう。
逆に明確な採用理由があればテンプレから外れることを恐れる必要はありません。
以下、簡潔に残りの採用カードの選定理由を記します。

・サクリファイス・アニマ
対転生で安く妨害を踏むため。

・IPマスカレーナ
余った展開要素を別の妨害に変換するため。
サイド後はライストをケアするために予めアポロウーサやアストラムに混ぜ込んで展開することも。

・トロイメア・フェニックス、トロイメア・ユニコーン
汎用除去枠。
特にフェニックス不採用の場合、バック踏みに難が出る。

・混沌の戦士カオス・ソルジャー
対転生とミラーの創聖の処理を目的としての採用。
転生での使い方は立ち回りに掲載。

・ヴァレルロード・ドラゴン
超雷やドラグーンといったシステムモンスターをコントロール奪取する目的での採用。
基本的にそれらの相手に通ることはまずなく、使うタイミングは殆ど訪れないが、構築内に存在すると択が増える。
詰めの場面でも雑に便利。

・オッドアイズセット
先手で役割のないエンプレスや使い終わったアストロを妨害に変換するため。
後手ではボルテックスのバウンスも攻撃に換算して詰めに行ける。
ボルテックスは風属性なので一般的な超融合に吸われにくくケアとしても有用。

・覇王眷竜スターヴヴェノム
エレクトラムの効果をコピーしなければ展開が弱いパターンが存在するため。
複数枚採用することでタイタニックギャラクシーも採用候補になる。


サイドチェンジの指標

エンディミオンはコンボデッキであるため、過剰な入れ替えはデッキパワーを損なうことに繋がります。
そのため、P以外の要素を優先的に削っていき、どこまでメインギミックを残せるのか、残す必要があるのかを吟味していきます。
基本的には先手では入れ替えがほぼ発生しないものとし、後手の際のサイドアウトの指標のみを置いておきます。

その指針を元に自身で入れ替えを行うことで、後々にも流用可能な力を養う方が長期的には皆さんの得になると考えているからです。

サイド後の初手で目指す先は1枚のメンコカードと5枚の展開札です。
以下、指標

・盆回しギミック一式
優先度大
里+盆回し>チキン3枚目>チキン2枚目>=テラフォ>その他、の順番で削っていきます。
テラフォ+魔法都市+チキン1~2が残ることが多いですが、枠を捻出するためには最悪の場合は魔法都市まで含めて全て削る択あり。

・魔導研究所+ジャッカル、ガルーダ
研究所3枚目>研究2枚目&ジャッカル、ガルーダ>研究所3枚目の順番で削ります。

研究所を2枚抜くならサーチ先のジャッカルもセットで抜きます
後手はジャッカルよりも召喚権を割きたいサイドカードが多く、研究所からサーチできないジャッカルはバリューが低くなるからです。

研究所はオルフェのトゥリスバエナや転生のレイジを重く踏むのでそういった対面では優先的に減らすべきでしょう。
ガルーダは触りたい仮想敵がない対面なら抜いていいでしょう。

・墓穴の指名者
サンダードラゴン対面では雷神の効果が重いため、それを妨害する目的で残し、オルフェ相手も墓地メタとして運用できるため残すことはありますが、基本的には最優先で減らすべき枠です。

これらの要素を重ね合わせて、対戦相手の採択カードや自身のサイドプランに合わせて不要な要素を順番に削ぎ落していくのが良いでしょう。
迷った際はギミックに絡むカードを残した方が最大出力は出ます。

候補のカードを全て抜けば10枠を超える枠を確保できるため、枠の捻出自体には苦労しないはずですが、サイドチェンジ後にデッキがバランスを保っていられるのかは実戦を重ねてチェックするしかありません。

展開の際に意識するべきこと

エンディミオンは質の高い妨害を多く持ち、ギミックが回りきればそれらをP召喚で1度に吐き出すことが可能です。
そのため、ハンドによっては増殖するGを撃たれても突っ張って複数妨害を狙うことが視野に入ります。

特に転生、オルフェといった1ターンの行動回数に限度があるデッキには複数枚ドローさせてでも必要な妨害数を用意することで実質詰みの状況を作ることが可能です。

画像は実際の店舗予選の後手でGつっぱをして5ドローさせるも、2ウーサ+キングジャッカル+マギステルで返し勝利した場面です。
(ジャッカルと置き間違えていますが、サーヴァントのカウンターは1つが正しい)
このように、Gつっぱを可能とするための判断基準も養っていく必要があります。

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また、ランダムドローの内容の見積もり方ですが、デッキ内の半分はPカード、もう半分はドローソースであり、Pカードの上下のスケールの比率は下スケールの方が上スケールの2倍以上の枚数となっています。

そのため、トップデッキするカードは基本的に下スケール、もしくはそれに変換可能なカードと仮定して展開を進める方が無難です。

以上のことから、エレクトラムのドローも込みでスケールを揃えなければならない際は、エレクトラムで上スケールを手札に加え、ドローで下スケールを引くことを狙った方がよいことが多くなるでしょう。

各デッキ相性

先攻を取ることができれば、2妨害程度なら安定して用意できるので基本的には全対面有利です。
攻め手が多いデッキはエンディミオンに対して後手から仕掛けることもできますが、それをギミック内で現実的に行えるデッキはサンダードラゴン、未界域などと多くはありません。

・対転生
5.5対4.5で微有利です。

転生側は先手でレイジを絶対に構えなければゲームにならないのに対し、こちらは攻めに際して求められるハードルが低いため、後手からの仕掛けに優位性があります。
ロアーは安く踏めるので、レイジの直撃を避けることを意識して立ち回りましょう。

転生の攻め手はガゼル、ミラージュスタリオ、意志などと数が少ない上に1ターンに使える数に限りがあるため、必要数の妨害を用意できると判断できるなら積極的なGつっぱが視野に入ります。

多少ドローをさせても2妨害+打点軍団といった形でも動きを止めることは十分に可能です。
また、エンプレスやガルーダといったバウンス要員にも非常に弱いので、可能ならそれらを構えることを目指します。

バグースカ+レイジで動きが封じられ、スケール除去連打によるじり貧が負け筋になるため、返しのターンに盤面のリソースをカオスソルジャーに変換することでそれらの負け筋を潰すことができます

転生の妨害は転生リンクを要求する上に、破壊を介するため、魔力カウンターを貯めたマスターケルベロスをタンクとして運用し、ウルフを除外する動きを見せることでロアー、レイジを手軽に踏むことが可能です。

マスターケルベロスを設置するのもそう難しいことではなく、マスターケルベロスのスケール効果を妨害された時点で、それらを踏むことに成功しています。
泡影、炎陣でマスターケルベロス起点の仕掛けは通らなくなるのは注意点。

サイド後は神シリーズの採用がないため、電光雪花が刺さります。

注意点として後手の時にリブートを採用すると、仕留めきらなかった際にレイジ、ロアーを揃えさせてしまい、捲りが困難になります。
他の罠ビのように最大枚数投入することは自ら負け筋を作ることに繋がると考え、雪花を優先的に投入し、リブートは補助的な1、2枚程度の投入にしていました。

ファンタズメイはサイドカードを集め、噛み合いを良くするためのマリガン要員として用います。

キーカード
電光雪花、マスターケルベロス、ファンタズメイ、カオスソルジャー、エンプレス、ガルーダ

・対オルフェゴール
トータルは4対6で不利です。
先攻を取られると2対8で不利であり、逆に先手を取ればGつっぱが非常に有効な相手となるため7対3で有利となります。
しかし、相手はギミックが少し回るだけで勝てるため、勝ちへのハードルが相当低く、エンディミオン側に求められるものの方が常に多いです。

オルフェゴールの初動はディヴィル、トロイメアを起点とした展開なので、そこを止めることでギミックを抑え込むことができます。
そのため、先攻ではキングジャッカルを複数体並べることを意識して展開を行います。

ディヴィル、トロイメア用の2妨害+1バウンス程度が用意できれば叢雲などが絡んでも突破されることはありません。

展開要素がモンスター効果に寄っており、プライムを止めることにもあまり意味はないのでメイン戦では創聖をボルテックスに変換してしまうのが有効です。
サイド後は精神操作が重いので創聖をボードに残すことを心がけましょう。

後手はマスカレーナ展開が成立した時点で敗色濃厚です。
こちらはメインギミックではバベル+トゥリスバエナを捲ることが非常に困難となるからです。

こちら側の動きはスケールを介すため、相手はマストカウンターに合わせてトゥリスを起動するだけでこちらの行動を妨害できます。

ここを突破するには通常召喚できるモンスター+アストロ、クロノの組み合わせでバトルフェイズ中にマスカレーナを処理することくらいしか現実的な手段がありません。

つまり、マスカレーナ展開が成立した時点で正攻法ではほぼ突破できません。
ここで重要になるのが魔鍾洞と盆回しです。

オルフェゴールは妨害の全てをモンスター効果に依存しているため、魔鍾洞に対する耐性がありません。

また、トポロジック系列の起動には
①起動役の特殊召喚
②効果の誘発
といった形に2アクションが必須となるため、魔鍾洞の手貼りにはどう足掻いても対策できません。

こちらは魔鍾洞、テラフォーミング、盆回しと3枚のカードがキラーカードとなるため、存在を認識されていなければ、それらを引くだけで不利マッチを一転して確殺できます。

注意点として盆回しに関しては1度セットを介す都合上、トゥリスバエナに発動機会を与えてしまいます。

墓地に叢雲が控えているならば、予めスケール両貼りでトゥリスを釣りだしておくか、敢えて囮に使って相手の伏せを全部飛ばさせるかなどをハンドと相談して決めます。

また、盆回しの発動自体が妨害されなかった場合は、相手のバベルを剥がすことができるので、トポロジック系列の起動役が叢雲だけになり、ハンド次第では魔鍾洞ではなく、普通に攻め込む択も生まれます。

魔鍾洞のロックが成立したとしても、ボードのモンスターをオルフェゴールリンクモンスター1体にまとめた上でプライムのコストで墓地に送ってロックを解除するという抜け道があるため、あまり悠長に試合を進めるのもリスクが伴うことには注意。

メインギミックの押し合いで不利なのにサイド後にツインツイスターまで置かれると基本的にはゲームにならないので、こちらも知性を捨ててシステムダウンのような0か100かのカードで雑な解決を図ります。

結界波も有効なメタではありますが、バベルと墓地リソースが残ってしまうため、ハンドによっては墓地のスケル→ディンギルスの妨害が重くなるパターンがあるため、そこを考慮しなくていいシステムダウンを推奨します。

キーカード
キングジャッカル、魔鍾洞、盆回し、アストログラフ、クロノグラフ、システムダウン

・対サンダードラゴン
メイン3.5対6.5、サイド後は4対6、サンドラの事故率、先後の運まで込みでトータルの相性は4対6で不利です。
サイド後に先攻を渡されることもあるので過剰な後手サイチェンが行いにくいことも苦手マッチである要因です。

試合を通して基本的には先行ゲーですが、エンディミオン側の妨害が2妨害程度であれば雷龍融合やアナコンダなどから雷神が成立して捲られてしまいます。
そのため、半端なGつっぱが許されないことを意識して展開します。

先手はキングジャッカル、アポロウーサで「効果の発動」を止め手数を削り、超雷の成立を妨害し、それらをすり抜けてきた融合体はマギステルやセレーネ経由のエンプレスやガルーダでバウンスすることを意識します。

先後問わず、能動的に融合体を処理するためのアプローチはエンプレスとマスターケルベロスによる破壊以外の除去に限られるので、捲りの際はそこを通すことを目標に動きます。

魔鍾洞も捲りに数えることが可能ですがディノミスクスやツインツイスターのメイン採用も考えられるため、オルフェゴール対面ほどの過信は禁物です。

雷神、ツインツイスター、ディノミスクスと破壊を伴うか、対象を取る除去が多いため、後手捲りの際はペンデュラムモラトラアムが光ります。

基本的にはギミックが回りきってしまった側が片方のリソースを奪い去り勝利します。
サンダードラゴンはその他の展開デッキと比較すると増殖するGの通りがよいので、相性を改善したいならサイドデッキに採用するのがよいでしょう。

キーカード
エンプレス、マギステル、マスターケルベロス、ガルーダ、キングジャッカル、アポロウーサ、セレーネ、ペンデュラムモラトリアム

・エンディミオンミラー
当たり前ですが五分です。

キーカードは全編通して創聖です。
攻める際は創聖のスケール効果を通すことを意識し、守る際はそれを許さないように立ち回ります。

先手が作った盤面に対して後手が攻めていき、バトルを介して盤面処理を行った後のメイン2に創聖を通していく、といった立ち回りが多くなるでしょう。

この対戦においては創聖、ボルテックス、マスカレーナユニコーンといったスケール妨害要員とP召喚による大量展開に歯止めをかけるガルーダ以外は基本的に置物になり、創聖のスケール効果が成立すれば全て吹き飛ばされてしまいます。

そのため、キングジャッカルは妨害として不要ではないですが、その他の対面ほどの強みはないため、優先して展開する必要はありません。

魔力カウンタータンクとしての役割がスケールや研究所などで十分に賄えているならば、遠慮なく他の妨害用リンクモンスターに変換してしまってもかまいません。

誘発を引かれない限りは基本的に最大展開が成立するため、凄まじく不毛な先攻ゲーです。
展開する側に理解度があれば、メインギミックのみで捲るのは非常に困難であり、サイド後は知性を捨てたメンコカードによる対応を図るのが良いでしょう。

創聖のスケール効果に耐性をつけるには魔法都市や研究所にカウンターを溜め込んで返しのリソースを確保しながら展開を行うことが理想です。

また、里+バウンスを用意することで魔法カードの発動を封じてイージーウィンを狙うことも可能です。

更に、ガルーダを構えておくことでペンデュラム召喚による大量展開を全て叩き返すことができるため、積極的に狙っていきます。

これらはエンディミオンミラーに限らず、あらゆるペンデュラムミラーで通用する構え方なので覚えておくと良いでしょう。

キーカード
創聖魔導王、ガルーダ、里(+バウンス)、冥王結界波、ラー玉、超融合

・閃刀姫
9対1で超有利です。

閃刀姫側はメインギミックでスケールを触ることができないため、スケールを介した仕掛けが全て通ります。
また、メインウェポンの内シャークキャノンはこちらがエクストラのモンスターを使用しない限り腐り続けます。

更には高い打点の横並べにも弱く、極めつけは創聖魔導の上にカウンターが乗ってしまえばまともにどけることもできません。

前述の通り、スケール効果は全て通るので創聖にカウンターを乗せること自体は用意であるにも関わらず、カウンター乗せ創聖の成立がゲームセットの条件です。

この対面は3エンゲージを3回打たれようが、ボードのカウンター乗せ創聖が退かない限りは基本的にゲームに負けることはないので、無効にするカードも慎重に選んでいきます。

サイド後は雪花、羽根箒といったイージーウィン製造カードが加わり更に楽になります。
サイクロン系統のカードを複数枚引かれ、なおかつ相手がブン回らない限りはゲームを取りこぼすことはないでしょう。

この対面に関してだけはサイド後含めて後手を取ることを推奨します。

1本目にもたついて勝利するも2、3本目を事故やET、EDで落とすことが最もつまらない負け筋なので1本目を速やかに介錯した後、残りをまともにゲームさせることを意識します。
間違っても時間稼ぎに付き合ってはいけません。

キーカード
創聖、サーヴァント、里、電光雪花

・オルターガイスト
五分です。

ギミックの押し合いに関してだけならエンディミオンの方がスピードも物量も勝っていますが、外部要素の神シリーズや魔封じが重く、1度動きが止まってしまい、オルター側のギミックが回ってしまえば返すことは困難になります。

基本的には短期決戦に持ち込み、相手の動きを封殺することを意識します。

ペンデュラムモラトリアムは砂塵の大嵐やツイツイだけでなく、シルキタスも弾けるので投入していくのがよいでしょう。

キーカード
創聖、電光雪花、レッドリブート、ペンデュラムモラトラアム

ドラグーン系統
データが少なく確約はできませんが、五分から微有利です。

相手の攻め手は線が細いため、先手ではキングジャッカル+創聖の構えでアナコンダとデッキ融合を封じてしまえば捲られることはほぼありません。

後手はドラグーンよりもバックが重くなるためサイド後はバック対策を優先したいところですがドラグーンが邪魔なのでバランスよく入れた方が無難でしょう。

ドラグーン自体はグラヴィティコントローラーの他に、ヴァイパー入りの十二獣でも綺麗に処理することができます。

キーカード
グラヴィティコントローラー、レッドリブート、十二獣

エンディミオン展開コンボ集

① 魔法都市エンディミオン+魔力統轄
最も基本的なコンボです。統括でサーチしてきたカードをスケールに発動することで魔法都市のカウンターが3つになり、代替効果でスケール効果を起動できます。

② 魔導獣マスターケルベロス+魔導研究所
このデッキの最も分かりやすいブン回りムーブの1つです。
マスターケルベロスからキングジャッカルを経由して展開を行えば、ボードに魔力カウンターのタンクを供給しつつ、研究所自身にも多くのカウンターを乗せることができます。

ここでGチェックを済ませられるので、ここからはラボ、ジャッカル、エレクトラムその他のカードをフルに使って展開の強化に移行できます。
次に妨害をもらうタイミングはエレクトラムなので、そこでP召喚が行えなくならないように研究所のサーチ先を選びます。

③マスターケルベロス+アストログラフマジシャン
研究所パターンと似ていますがGに弱くなる代わりに最強のブン回りを見せます。

基本的にはキングジャッカルの特殊召喚効果でGを確認してから展開に移行します。
この時点でキングジャッカルが2枚揃っていて、尚且つエレクトラムにもそのまま移行できます。

マスターケルベロスと増殖するGの付き合い方‐バジリスク不採用の理由

マスターケルベロスからキングジャッカルをサーチしての展開は一見すれば増殖するGを重く踏む上振れ狙いの展開ですが、考え方次第ではそこでGを確認することができると言い換えることも可能です。

仮にGがあってもリソース面に損失はなく、盤面の強度は最低限満たしており、そこから突っ張るor止まるの選択権はエンディミオン側がキープしたままです。
突っ張る場合はエレクトラムを経由したP召喚による3ドローで2妨害+1ドロー+αが基本になるでしょう。(基本展開を行った場合)

ハンドにガルーダやマギステルが揃っているならばキングジャッカルがGを踏んだとしても、ケルベロスをタンクにして妨害を用意しながらターンを返す選択肢を取ることが可能ですし、そもそもケルベロスストップを嫌うようなハンドならキングジャッカルでなくジャッカルをサーチすれば、そのモンスター効果で1ドロー目を踏むことができます

このようにGのケアを考えたとしても、マスターケルベロスからのサーチ先はキングジャッカル、ジャッカル、ガルーダのいずれかをハンド毎に適切に選択することで十分に事足りるため、バジリスクをサーチ先に選ぶタイミングは訪れないと考えています。
また、どうしようもない時は割り切って飛び込むことも重要です。

バジリスクの話が出たため、ここについて掘り下げておきましょう。
巷では採用するかどうかが議論されがちなカードですが,私はバジリスクをエンディミオンに必要な要素であるとは考えていません。
以下、その理由を詳しく解説していきます。

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バジリスクは画像の通り、スケール効果でドロー、モンスター効果でリソース回収を行えるカードです。
P召喚前にキングジャッカルでGを踏むことを嫌う際にエクストラのマスターケルベロスをドローに変換しつつ、代わりにレベル4を送り込む目的で採用されることが多いようです。

しかし、私はこの使い方に非常に懐疑的です。
そもそも、現状のバジリスクは魔法使い族のPモンスターであること以外は展開に一切寄与しないため、ボードに出す旨みがその他の採用カード達と比べて殆ど存在しません。
その上、ケルベロスからバジリスクをサーチしてしまうと本来触れるはずの妨害要員がなくなり機会損失が発生する上に、バジリスクの効果を起動してしまうとマスターケルベロスまでがエクストラから消え、次に選択できる攻め手が更に少なくなります。

それらのデメリットを背負って手に入れられるのは不確定な1ドローとエクストラのほぼ無意味なレベル4のPモンスター1枚です。
ここで増殖するGを重く受けなかったからといって後の展開が強く続くのかは甚だ疑問です。

また、エクストラのバジリスクを運用するということは2&8という質の高いスケールが揃っていて、尚且つ1度のP召喚で妨害、または強い展開の準備が整っているという前提がなければ、わざわざバジリスクを経由する意味がありません。

つまり、バジリスクを用いた後に強い展開が成立する=バジリスクではなく、その他のカードが強いから結果的に展開が強く成立しているだけのカードだと考えます。

つまり、天空の魔術師、マジシャンズソウルなどと同じ分類のカードということですね。
それらより多少マシなのは自身が魔導獣であるため、研究所に追加でカウンターを乗せられることと、ドロー効果で単体では弱いはずの自身をデッキの有効牌と入れ替えることができるくらいでしょう。

しかし、それらのメリットも前者は研究所が展開に絡んでいるが故の「研究所自身の」強さ後者はデッキに弱いカードを入れなければそもそもドローに変える必要性がないと考えることが可能です。

エンディミオンにおいてはドローソースは手札を減らさず魔力カウンターを貯め続けることができる重要な要素ですが、魔導獣シリーズはスケール効果の発動に片側のスケールが空いていることを要求するため、エンディミオンカードに魔力カウンターを供給する仕事を果たすことができず、せっかくのドローという性質すら絶妙にギミックと噛み合いません

つまり、堅実な展開をサポートするために採用されているはずなのに、その運用は上振れ前提というチグハグな状態になっているのです。

こうなると、敢えてマスターケルベロスからサーチするほどでもないカードという位置付けになってしまいますが、そうなると素引き前提の都合よく引ければ強く、不要な時はデッキに眠っていてほしいカードとなり優先したい類似条件のカードは他に幾らでも存在します。

これらのことから、エンディミオンのデッキ内にはバジリスクを強く使うための要素やギミックは確かに存在すると考えますが、だからといってバジリスクが特別強いカードであることを意味しないと考えています。

そのため、個人的にはバジリスクをGケア、及びスケール効果を目的として採用するのはあまり推奨しません

ただ、ランク4を積極的に使いたい環境でそれらを目指す場合や、モンスター効果によるリソース回収を重視するのならば、能動的に展開しやすいバジリスクが今後採用候補に挙がる可能性もあると考えます。


魔鍾洞成立後の立ち回り

エンディミオンは魔鍾洞によるロックを成立させた後、自発的に魔鍾洞を解除して攻め込むことができるデッキです。

その解除方法は以下の通り、
①フィールド魔法の上書きで解除する
②創聖のスケール効果の破壊に巻き込む

これらが基本的な選択肢となります。

①の選択肢は手っ取り早いものの、魔鍾洞が解除されることでそれまで封じ込めていた妨害を受ける可能性がありますので、状況を選びます。

そのため、②の創聖のスケール効果で巻き込む、もしくはその派生で創聖で露払いを行った後に上書きでの解除を目指してコントロールを継続します。

この時重要なのは、モンスターゾーンを経由せずに魔力カウンターを貯めて創聖の起動を狙うことです。
モンスターゾーンにタンク役を置いて創聖のカウンターを貯めるプランを選択すると、相手が無限泡影を採用していた際に1枚でスケールまで封印されてしまいプランが破綻して捲られる原因になるからです。

モンスターゾーンを絡めた仕掛けを狙って失敗した場合は自爆特攻などで魔鍾洞の維持に戻る必要性がありますが、この際に魔力カウンターを貯めるためのカードを複数使用しているため、手札を蓄え直す必要性に迫られる可能性があり、そもそも、相手が自爆特攻を許さない盤面作りをしてくる可能性もあります。

相手に時間を与えると解答を引くチャンスを与えることになるため、基本的には1度の仕掛けで解除して、そのまま速やかにゲームを決めることを目標とします。

モンスターゾーンを使わないカウンターの貯め方で重要になるのが「研究所+ジャッカルによる無限ループ」です。
研究所でサーチしたジャッカルで研究所にカウンターを乗せ、回収を繰り返すことで毎ターン効率よくカウンターを増やすことができます。

このループは研究所+キングジャッカル以外の魔導獣モンスターを揃えることで突入することができるため、無理なく狙うことができ、研究所を複数枚揃えられればそこから直接創聖魔導にアクセスすることも容易です。

研究所ループを狙うためにも魔鍾洞発動時には両スケールを塞がないことがよいことが多いでしょう。
ただ、サーヴァント、エンプレス、マギステルといったエンディミオン要素のスケールにカウンターを6つ貯めて創聖のスケール効果起動に漕ぎ着けるパターンも存在するのでケースバイケースです。

ただ、モンスターゾーンを使わずに正攻法で魔力カウンター6つ分を貯めるのは至難の技であり、魔鍾洞を維持する都合上、チキンレースも使用できません。
展開過程にどうせ研究所の設置を必要とするならば、焦ってスケールを貼らなくてもよいと考えます。

また、対オルフェゴール戦においては

③予めボードに残っているトゥリスバエナのマーカー先への特殊召喚を含むペンデュラム召喚を行う

という第三の選択肢も発生します。

トゥリスバエナ先への特殊召喚は攻め込むにあたって邪魔になる魔鍾洞をトゥリスバエナ自身の効果で除去できるだけでなく、相手のバベルや伏せている罠カードなどもまとめて除去することができるので非常にスマートに攻撃体勢に移行できます。

ボードに残ってしまったトゥリスバエナに関しては、トゥリスバエナの処理後にマスターケルベロス→キングジャッカルのリレーで送り出したマスターケルベロスで除外するなり、そのままボードの打点で殴り抜くなどの方法で無理なく突破できるでしょう。

このような試合運びで、一度魔鍾洞を解除したからにはそのターンでゲームセットに持ち込む、または詰みの状況を作れる状態を狙って仕掛けます。

相手も魔鍾洞適用中はハンドを蓄えているため、それらを使わせないに越したことはありません。

各種ゲームプラン

対ビートダウンデッキ

デッキによってはカウンターが乗っている創聖を退かすことが非常に困難なデッキが存在しており、それらのデッキと対戦する場合はカウンターを乗せた創聖を展開の終着点の1つに据えることも視野に入ります。

閃刀姫を初めとしたビートダウン系のデッキとの対戦ではその傾向が顕著であり、その手のデッキは往々にしてエクストラリソースを吐き出した大振りな展開を返すことを目的としたサイドカードを用意してくるものの、シンプルな対象耐性&破壊耐性付きの28打点が重いことは意外と多いです。

また、カウンター乗せ創聖は精神操作、パンクラ、ライトニングストームといった汎用的な後手サイドカードへの耐性も高く、仮に突破されても相手のリソースを多く吸うことに成功します。

この際、戦闘破壊されていれば統轄、ゴードン、羽根箒といった返しの攻め手を確保することができ、生き残れば引き続き脅威となるため、非常にコスパ良く相手に選択を迫れます。

このように地味な盤面に対して攻めあぐねた相手を先手で温存したリソースで仕留めるというゲーム展開がビートダウン系統において有用。
2ターン目以降なら増殖するGのつっぱも容易です。

先攻時は増殖するGを重く踏まないことを意識したいことからも、創聖で止まれる立ち回りを目指したいです。

対展開系

採用できる誘発の枚数が少ないことから相手の展開を事前に止めるのではなく、完全に展開されたものをサイドカードを交えて突破していく方針を主体としたほうが安定した勝率が出せるでしょう。

先攻時は下手に日和った展開をすると捲られてしまうため、ある程度増殖するGを割り切って強気に展開していくことも重要です。

後手はサイドカードか魔鍾洞待ちになることが多いですがそれは諦めましょう。

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