実録Balatro攻略史 ボス分析編

このBalatroというゲームには23+5個のボス戦が存在し、各々が独自の個性と共にこちらの戦略を精力的に破壊していく。
しかしてそれがどう働き、そして何に対してのカウンターなのか?となると意外と直接的な理解は難しい。なので書く。

デバフ系

一種類のスートにデバフ(The Goad・The Head・The Club・The Window)

それぞれが4つあるスートにデバフを掛ける。フラッシュ毎回撃てれば勝てると踏んだプレイヤーを盛大にスッ転ばせるボス。アンティ1から出現。

主な対策としては「染めるなら最序盤で見たボスに対応したスートにする」のが基本。一度倒したボスは他の全種類が出現するまで再出現しないので、染めたいなら一旦序盤で見たボスのスートを目指し染めていくのがよい。

その一方でなんとなくガラス/スチールにしたスートがピンポイントで塞がれてヤベェ!という事態も起こりうる。ワイルドカードは当然すべてのボスに引っかかるのでエディションやシール持ちを強化してるといざという時使えない、というパターンもある。この辺はもうリスク分散、しよう!

このゲームにおいてスートの強弱は基本存在せず、スートを参照するジョーカーもコモンの倍率+3組とアンコモンのデッキに特定スートを30枚入れると解禁される連中ぐらいしかいない。故にこれらのボスも対応スート違いのコンパチ…と思いきやThe Clubが強く影響をもたらすジョーカーとしてSeeing Double(クラブと他のスートが得点すると×2倍)がある。解禁条件が面倒なわりにワンペア・ツーペアなどでもお手軽に2倍が得られるジョーカーだが、これらは得点として計上されないと倍率を得られない。一応似たようなFlower Pot(4つのスート全てを役に組み込むと×3倍)はデバフ状態には影響されない。

染めないフラッシュ御用達のAncient Joker(指定スート得点時に×1.5倍)もうっかりボスと指定スートが被ると簡単に詰む。このジョーカーは同じスートが連続して出ないという仕様のためビッグブラインド挑戦時にボスのスートなら安心して突入していいが、そうでないなら万全を期すためにスキップするとよい。

絵札にデバフ(The Plant)

BaronやTribouletで全てを破壊しているプレイヤーを盛大に張っ倒すボス。アンティ4から出現。

実際問題として明確にこのボスがカウンターする「役」自体はほとんど存在しない。カウンターするのはもっぱらジョーカーたちである。
上のような完全にメタられて無事共和化するケースはともかく、お手軽に役の基本倍率を8倍にする写真+チャドコンボ・メインは張れずとも安定した出力を誇るScary/Smiley Face・どうせ使うならと絵札に使っていたタロットたちなどが潰されて痛い目を見るケースは多い。

対策としては…どうすればいいんでしょうか?とりあえず考慮すべき点として中盤以降でカードの数値から得られるチップなどを気にしている時点で決して優勢ではない、という意識を持つこと。
ブラックステーク以降ではPareidoliaがエターナルだと完全に詰む。がそもそも高ステークではそんなもんに金使ってる暇ないので誤差だよ誤差
Baron・Shoot the Moon・Hit the Roadのような特定の絵札を主軸に据えた戦法やPareidolia+Midas Mask+Vanpireのコンボなんかはもうリスクとして受け入れるしかない。つーか後者はアンコモン3枚コンボとかまともに成立するわけねーんだから目指すな!個々のパーツとしても役立たねぇじゃねえかお前単体でしっかり働く写真チャドを見習えテメー

スモール&ビッグブラインドでプレイしたカードにデバフ(The Pillar)

Walkie Talkieやフィボナッチなど特定のランクに注力してきた・特定のスート特化だが肝心のデッキ染めをせずにフラッシュでやってきた・アンティ更新時にボスを確認しない初心者をなぎ倒すボス。割とエグい割に(だからこそ?)アンティ1から出現。

対策は見よう!!ラン情報!!できるものなら野球中継みたいに次のボスやタグを表示するmodとか作りたいくらいである。
育成可能なジョーカーを持っているときに手加減するのは基本テクだが、そういったジョーカー買いたてでこいつが来た場合は早々に抜ける・ビッグブラインドではスモールブラインドで使ったカードを覚えておくなどしたい。
アンティ1で開幕のスモールブラインドをスキップした場合、うっかりスコア上昇に寄与する何かを買えないとビッグブラインドの突破のために消費されたカードを軒並みデバフされてかなり厳しくなる。
上記の他に単純な火力不足で5枚役を連発してなおギリギリクリアの状態でも明確に引導を渡しに来る。こちらの場合はそもそもそんな状況の時点でどうせ次のアンティで死ぬので潔く2回スキップで突っ込むべし。

他のスート系ボスと違い、このデバフ状態はカードの強化などを与えると解除される。特定の何かに特化したデッキなら解除ついでに強化して再登板させたい。

ジョーカーを1枚売るまで全カードにデバフ(Verdant Leaf)

貧弱なジョーカーとカード強化で騙し騙しやってきたプレイヤーにとどめを刺すボス。8の倍数のアンティに出現。

まず考えるべきはジョーカーを売るか否かである。アンティ8までやってきた…というか直前のビッグブラインドを倒した時点で火力が足りなくて敗れるというケースは多くない。そもそも火力がこの段階でギリギリとか言い出したらViolet Vesselが来てたら間違いなく負ける。
この判断に求められるのは自分の現在の戦法がどの部分に依存しているか?と言える。
売らなくて済むのは
・乗算倍率などの強いジョーカーが主力
・育成系ジョーカーが十分育っている
・役レベルが高い
など。役さえできていれば後は普通のカードでも問題ない構成と言える。
逆に売るべきは
・主にカードが得点時に発動するジョーカーが主力
・グラスやスチールなどカード強化に頼っている
など。役を構成した上でさらに特定のカードが来ることを祈らないといけない構成は大抵これに該当する。
乱暴に言えば前者は強い・後者は弱い構築と言える。役の成立ですら決して安定するわけではないのにカードまでこだわっている余裕は大抵ない。ただし、これらの構築の出力が弱いとも限らない。コモン2枚で簡単に役の基礎倍率を8倍にするHanging Chad+Photographがいい例である。強いからみんなも使おう!写真チャド最強!!写真チャド最強!!!
ジョーカーを売る場合、単純にブラインド開始時に効果を発揮して以降何もしないタイプはあっさり売れる。Burglar・Cartomancer・Certification・Marble Jokerなど。特にBurglarはMerry AndyやTroubadorと違い開幕で増やして以降何もしないという独特な設計になっている。売却によって提出数が0以下になった結果即ゲームオーバーという状況を防ぐための措置か。
Juggler・Turtle Beanなど、手札の上限を変更するタイプも一度カードが配られてからなら売却してもその分の手札が失われることはない。

各提出ごとにランダムで1枚のジョーカーにデバフ(Crimson Heart

最善の状況でなおワンパンを狙えない構築・ジョーカー同士の相互作用を活かされてなお火力が足りない構築・最終提出特化構築を葬り去るボス。8の倍数のアンティに出現。

Verdant Leafと違い、このデバフは避けられない。他のボスたちがほぼカードの出力を制限してきたのに対し、これは唯一聖域たるジョーカーを対象に無力化してくる。損害を受けない構築はほとんど存在しないのではないか。故にこの時点での対策と言える対策をするのは難しい。アンティ8まで来る時点で戦法は決まっているものであり、そのアーキタイプを選ぶか否かの時点でこのボスへの耐性は決まる。
影響が比較的薄い構築は役が強く、Hologramなどの雑にアホみたいな乗算倍率を出す「ただ強」ジョーカーがフィニッシャーを務める構築である。そいつがデバフされていないときに全力パンチをぶち込めばよいからだ。
逆にRide the BusやGreen Jokerなどを総動員して安定性を高めた低枚数ビルドは火力を5枚のジョーカーで賄っている場合が多く、どれに受けても大ダメージとなりやすい。強化幅が少ないとはいえ役レベル強化を怠ってはいけない理由の一端である。
コイツにさえデバフが来てるなら被害が薄い、という状況を作るためにも提出回数が多くありたいが、その状況が来た段階でベストな役を作るためにもディスカードも欠かせない。Negative持ちなどを積めるなら確率分散に寄与できるだろう。
レアリティの情報までは失われないらしく、アンコモンのジョーカーはBaseball Cardでの1.5倍をそのまま受けられる。
Luchadorを売って無効化する場合、自身がデバフ状態で売っても何も起きないので注意。同様にMr. Bonesがデバフ状態だと25%を超えていてもそのまま負ける。
Pelishableステッカーと違いジョーカーへの一時的なデバフという仕様上やたら特殊な相互作用が多く、例えばDNAは最初の提出をデバフ状態で迎えるとそれが解除されても「最初の」は終わってしまったため実質死んだ状態になる。逆にプレイで減る食品系は消費しない。特に奇妙な例としてCampfireがアンティ終了時リセットされないというパターンもある。おそらくObeliskで最頻役を出してしまってもリセットされないのではないか?

プレイ制限系

5枚のカードでなければ提出を受け付けない(The Psychic)

長時間のプレイで疲れ果てたままツーペア軸でやっているプレイヤーを昏倒させるボス。アンティ1から出現。

対策としては…寝ましょう!!
意外とこれ低枚数役だと引っかからないんですよねあまりにも意識するので

明確に5枚のプレイが障害になる例としてはHalf Jokerがある。低枚数構成のみならず最序盤とかで雑なワンパンをする分には結構便利なのだがこれだけでボスに挑むというのは避けたい。Square Jokerの育成も止まるがまぁどうでもいいだろ

手札に残せるカードが少なくなるためスチールカード頼りの状況でも苦しくなる。手札によっては意図せずして撃ちたい役より強い役が成立してしまい逆に得点効率が悪くなるケースもある。

ごく稀な例として手札の最大値が5以下だと普通に詰む。Ectoplasm連打やStuntmanコピーとかするとなりうるので注意。

さらに稀な例としてエンドレスモードでのBaron+Mimeを殺すパターンもある。どうにもならんわ!Retcon助けて!!

最初に出した役以外出せなくなる(The Mouth)

5枚役をディスカードが切れるまでに構成できなかった運の悪いプレイヤーとBurglarを嬲り殺しにするボス。アンティ2から出現。

低枚数ビルドだと適当にポンポン撃ってりゃ済むが5枚役だとそうもいかない。対策はボスを確認したらフラッシュなら各スートのタロット、なんなら染めたい対象でなくても1つでも見つけたら保持しておく。ツーペア/フルハウスとDeath・ストレートとStrengthでも同じことが言えるが、前者はショップなどボスでなくても積極的に使うのが有効な一方後者はここぞという時まで保持するのが良いという違いがある。ストレートが積極的に使うべきはHanged Manなのだ。フォーカードとかファイブカード?んなこと狙えるランがグダグダ抜かすんじゃねーぞブルジョワがよオォン!?

同じ役を複数回出せない(The Eye)

単発火力の乏しさを回数でカバーしているプレイヤーとCard Sharpを爆散させるボス。アンティ3から出現。

大抵のプレイは特定の役に集中するので猶予がハンド分伸びたノルマ2倍のThe Needleな状況になるケースもしばしばある。火力に不安がある場合はガラスカードやAcrobatのような持てる乗算要素を全部突っ込むべし。

その一方育成系ジョーカーは意識しないうちに十分他の役でも火力に転用できるレベルにまで育っている場合もある。RunnerやらSpare Trouserなどの特定の役系は基本それだけを撃つプレイなので他の役を撃つことになったら意外とやれる、とここで気づくことも多い。

このボスに限らずプレイ制限系は違反すると得点計算などがされずに提出回数だけ減るが、これでもIce CreamやSeltzerなどのカウントは減少する。だが注意すべき点としてLoyalty Cardは表記と実際のカウントが一致しない。間違っているのは表記側であり、発揮されるタイミングで提出が無効化されるとそのボーナスも消費してしまう。逆に4倍化が遠くても無効化されようがカウントは進められる。スキップも駆使してタイミングよくブチ込むべし。

裏向き系

カードが1/7の確率で裏向きで配られる(The Wheel)

ツーペア・フルハウス・ストレートと運ビルドを困らせるボス。アンティ2から出現。

運次第で理論上ノーダメになることもあれば無理ゲー化もしうる独特なボス。対策?日頃の行いをよくしてください。
カード裏向きボスの共通点としてランク/スートのソートで無理やりカードを割り出す・タロットで裏側を見るなどの工夫が可能。ランク順でもスートは左からスペード・ハート・クラブ・ダイヤの順に並ぶ。
この裏向き確率もOops! All 6で2倍になる。体感結構裏にされるので注意。

絵札が裏向きで配られる(The Mark)

Pareidoliaで楽しく遊ぼうとしたプレイヤーに顔面パンチを食らわすボス。アンティ2から出現。

裏向き系の中では素直な部類。特に絵札のみという点が難易度を下げており、複数枚の同一カードがなければソート切り替えで簡単に特定できる。ストレート狙いの時はちょっと厄介くらい。
なおPareidoliaなどの影響下にない場合、裏向き5枚を出せばツーペアかスリーカードが確定するというのは覚えておきたい。

最初の手札は裏向きで配られる(The House)

Burnt JokerとTrading Cardとブルーステーク以降を止めさせるボス。アンティ2から出現。

大抵は2回かけて初期手札を全部捨て実質The Waterみたいなプレイになる。The MarkとThe Plantみたいな関係である。判別できずに捨てるとはいえ捨てた分のカードの差があるのでその後の展開はこっちの方がちょっと楽。
配られるカードの絶対数が少ないため、強引に最初の手札を全部捨てずに消費すると表が何かわからずに使われたカードが存在しなくなるのでデッキ内確認の不確定要素もなくなる。
SigilやOuijaを開幕で使うと全部のカードが表向きになり、その後一瞬で特定のスーツ/ランクに変わる。必見。

各提出後カードが裏向きで配られる(The Fish)

大型役なのに火力が足りない構築とブルーステーク以降とBurglarをしょっ引くボス。アンティ2から出現。

裏向きボスって書くことねえな?って思ってたんですがこいつは書くことがある。対処法としてはソートで特定のために使う表向きカードを極力残すこと。なんとなく捨てて手札を整え5枚役でワンパンだろとか思ってるとちょっと火力が足りなかった時に手探りで役を成立しなければならなくなる。
ペア系…実質スリーカード系は理論上これの対策としてハートとクラブを増やす動機がある。スペードとダイヤの同ランクに挟まれていれば確実にそのランクと言えるからだ。逆にフラッシュではスペードとダイヤを増やすと両端の5枚を選ぶことで成立させうる。フォーカード?ワンパンしろ!
ストレートの場合は一番苦しい。表を見るためのタロットを確保し挑むべきだがそもそもストレートもワンパンしろや!ワンショットワンキルがストレートの本懐やぞ!!!

ジョーカーが裏向きになりシャッフルされる(Amber Acorn)

こいつが困る構築ってある?8の倍数のアンティに出現。

前提としてジョーカーがシャッフルされるデメリットは何か?という点から始める。提出したカード・手札・ジョーカーは全てそれらの効果が左から右に発揮され、それ故に加算倍率ジョーカーは左に・乗算倍率ジョーカーは右に置くのが基本である。掛けてから足すより足してから掛ける方が強い。
が、このボスの重大な欠陥としてブラインド開始時にジョーカーを掴んでおくとシャッフルに巻き込まれない。ウ…ウソやろ こんなことが こ…こんなことが許されていいのか
そもそもそんな技がなくても根本的にこいつは弱い。一回提出すればエフェクトで何がどこにあるかはわかるのだ。その一回すら惜しいような構築は大抵ビッグブラインドも突破できていない。
BlueprintやBrainstormのようなコピー系ジョーカーはちょっと問題になる…がそいつらがいるなら大抵勝てる。勝て!
Ceremonial Daggerは開始してシャッフルする前に何を斬るか決まるので安心。その一方でThe IdolやAncient Jokerなどその説明文で特定の何かを指定するカードは開始前に読んでおかないと後からは確認できない。
独特な仕様としてコピーで生まれたジョーカーは裏側がRed Deckのものになる。また開始以降に生成されたジョーカーは表向きのまま。

数値変化系

手札枚数-1(The Manacle)

低枚数以外の役やスチール・青シールなどの妨害に余念がないボス。アンティ1から出現。

5枚役が成立しづらいのももちろんだが、意外とツーペアとかそのレベルでも作りづらい。例によってボス前ショップなどでDeathとか確保で対処を。
手札が少ないことで制御しやすくなるRaised FistやBlackboardなどは追い風になる。一方単純に選択肢が減るのでRide the BusやObeliskが切れやすくなるケースも十分にありうる。

手札の上限が1枚の状態で突入するとカードが配られず即死する。バカか?

ノルマスコアは半分だが提出できるのは1回のみ(The Needle)

低枚数ビルドとCard Sharpを悶絶させるボス。アンティ2から出現。

普通各ブラインドのノルマはスモールブラインドが基礎値と同じ1倍・ビッグブラインドが基礎値の1.5倍・ボスが2倍だが、こいつは1倍のままになる。しかして大問題としてそれをワンパンしなくてはならない。

このボスに限らず現在の自分の構築が出せる最高火力はどれくらいか?の把握はかなり重要になってくる。スモールブラインドをワンパンできたならそれを繰り返せばいいが、足りなければJusticeなどを何が何でも確保し火力増強に努めねばならない。ジャグルタグのようなカードの検索やスチールカードの搭載に寄与する要素も総動員して臨みたい。
Burglarはボスが提出回数を減らした後に追加される。セコくない?またTroubadourのように回数を減らす効果との併用で0になってしまうことはなく、恩恵だけを得られる。 
撃破には関係ないが、Burglarなしだと当然提出数が残ることもないので収入もちょっと減る。

ディスカード0で開始(The Water)

ハイカード以外の役とMerry Andyを限界に追い込むボス。アンティ2から出現。

純粋に見ることのできるカードが15~10枚減る。さらにディスカード増加系の効果は全て常時発動(ショップなどで該当効果を入手した時点でディスカードの数値が変化する)のでこれも全て消える。
基本的な対策はNeedleのそれと近い。減らす箇所は真逆だが強い役を用意するための準備段階が短くなるという点が共通しているからだ。というより火力を出したいときに簡単に出せると強い!というのがあまりにも不変の真理すぎるという方が正しい。
そんなこんなでやっぱりBurglarが強い。こいつ相性悪い奴にはとことん悪いとはいえ強い奴に対して強すぎんか?

提出した役のレベルが下がる(The Arm)

やめるめう!大事に上げてきた役レベルなんだめう!アンティ2から出現。

多くの場合スコアを明確に担う役レベルを採点前・さらに恒久的に下げる。特に明確なチップ担当ジョーカーの入手率が低くそれらを惑星カードで補う低枚数ビルドは被害が大きい。火力が危うい場合は提出するごとに明らかに火力が減っていくのが実感できてしまう。ストレートなども同様に役レベルに強く依存するが、こちらはある程度上がっていればワンパンするのが前提なのでそこまで問題にはならない。まともに構築できずにレベル3とかでズルズルやってきているなら死ぬしかありません
タロットなどを併用して強引にフラッシュハウスとかを構築して抜けるのも選択肢としては有効。天体パックを買ったが目ぼしい惑星がなかった場合も雑に選ばずこういうところでの活用を狙いたい。

加点開始前のチップと倍率の数値が半分になる(The Flint)

表記がなんだかよくわかってない初心者とストレートを仕留めるボス。アンティ2から出現。

ざっくり言うなら役レベルが半減する。ジョーカーに対するCrimson Heartのように、このボスだけが唯一惑星カードに対するカウンターを行うという構図になっている。そのため構築具合によっては実質The Wallと戦っている状態に近い。影響を受けないジョーカーとカードでチップと倍率をしっかり構成できているかが試されるため、早々に乗算倍率だけ揃えて楽勝としゃれこんでいる場合もガッツリ火力が減る。
The Armと同様火力を役レベルで賄うストレートはかなり甚大な被害が出る。Runnerなど外付けの出力強化手段ををしっかり確保しておきたい。
Photograph+Hanging Chadも影響されやすいが、こちらはそもそもの火力がおかしい上にEmpressとかJusticeで簡単にカバーできる。写真チャド最強!!
ちなみにこの半減化はMatadorの効果を誘発させる。活用できるならかなりハイペースの金策になるであろう。

普通のボスブラインドの図形はフェニキア文字から来ているが、このFlintだけは作者の自作。唯一トポロジー的に2つの分かたれたパーツとして分類できるのもこの図形である。

ギミックなし・ノルマスコア2倍(The Wall)

大抵のデッキを粉砕するボス。アンティ2から出現。

このゲームにおいて究極的に要求されるのは火力である。そしてノルマの上昇速度に追い付かなくなるまでにより多くのショップでジョーカーを検索し、しかるべきコンボや単体で強いジョーカーを探し当てることで火力は出される。
その足切りラインがいち早く来るのがこのボスなんだからひたすらにキツい。裏向き同様数値変化系は結局「安定性か出力が絞られた状況で火力をなんとかひねり出せ、できなさそうならタロットで現地調達しろ」以外に書くことがないのだが、これはその最終出力の有無を問うのでできるか否かがよりはっきりと出る。
傾向としてアンティ4~5に出るとより負担が大きい。このエリアだけノルマスコアの上昇具合が前のアンティの3倍近くあり積極的に足切りにかかるエリアだからだ。それ以前は単純にジョーカーの頭数でどうにかなり、それ以降はそもそも乗算倍率をいくつか拾えていないと道中を突破できない。
なおこのノルマ増加も内部的にはギミックの一環であり、Luchadorによって無効化される。

使った枚数に関係なく3枚だけカードが補充される(The Serpent)

諸々の問題により何の妨害にもならないボス。アンティ5から出現。

1枚だけ捨てても3枚引く。なので大抵先に1枚ずつ捨てきれば大量の手札から自然と目当てのカードが見つかる。
ボスの意図するところとしては初期手札以外に見られるカードが提出回数-1+ディスカード回数×3枚しかない、という仕様になる。なのでAncient Jokerのような特定のカード群を引けなければ終わるジョーカーに対するカウンターと思われるが、もっぱらWaterかNeedleの方がきつい。5枚役を作っても3枚しか来ないので連発してなお火力が足りない場合も終わるが、そもそもアンティ5以降まで来れている時点でその線も薄い。そんなこんなで今日もどこかでBaron+Mimeのおもちゃにされるのであった。

ギミックなし・ノルマスコア3倍(Violet Vessel)

真っ当に生きてきた大抵のデッキを完全終了させるボス。8の倍数のアンティに出現。

ノルマは素の段階で30万・グリーン以降で60万・パープル以降で120万。普通にやっているといずれも大分厳しいスコアになる。
その一方で、そもそもアンティ8まで来た時点では真っ当なデッキではないことがほとんどである。ホワイトステークならいざ知らず、高難易度になってくるとここまでをギリギリの戦いで破綻することなく乗り切ってきたがこのボスが来てついに死ぬ…という状況自体が稀なのだ。大抵どこかでつまづくか、逆にしかるべきジョーカーを発見してその構造から抜け出している。
最善の手を出してなお限界を迎えやすいのは低枚数ビルドである。線形な成長と安定性に依存しているため、いざという時に瞬発的な火力を出すのは苦手な面がある。BlackBoardやCard Sharpなど相性のいい乗算倍率も多いが、それらを複数搭載したりGrabberなどの提出増加も確保しないと厳しい。
プラズマデッキにおいてはこの上昇量がさらに2倍になるため、他のデッキ以上に極端な構成が要求される。ホワイトですら他のデッキのパープル相当の火力を出さなければならないため、普通のチップ特化では足りなくなりやすい。しかし逆にノルマを実質的に減少させるLuchadorやMr.Bonesの恩恵は極めて大きい。

経済系

提出したカード1枚ごとに-1$(The Tooth)

構築が未完成なデッキに傷を負わせるボス。アンティ3から出現。

役として得点されたものだけでなく、出したカードの分だけ減らされる。倒しきれる段階で無駄に出してうっかり持っていかれたりしないように。
こいつの立ち位置としてはボスとしてよりもその後の展開を妨害するThe Armに近いが、資金には下限がないので被害を受けずに突破する方法は存在しない。しかし同時に役レベル以上に融通・保持が効くリソースでもあるため、単純に出費を抑えるのが対策になる。出力を阻害しないようなボス相手に長期戦になり出費が予想される状況は途中のショップで金を使わなくてはいけない状況でもあるのだが…

プレイ回数が最も多い役を出すと資金が0になる(The Ox)

Bull・Bootstrapsとゴールドステッカー未獲得のジョーカー漁り中のプレイヤーと実際にボスと対面するまで相手がなんだか気づかない初心者を憤死させるボス。アンティ6から出現。

資金はリソースだが、同時に使われていく存在でもある。そしてショップの過剰なリロールなど価値が見合わないものはあれど、完全に無駄に消えていく使い道というのもそれほど存在しない。
故にアンティ6以降で唐突に資金を0にされて困るという状況はかなり珍しい。この時点で未だ良い構築ができていないというのは考えづらく、そしてそのような状態で仮に資金を持ったままこのボスを突破できても以降の限られたショップで改善するための何かが見つかるというケースも考えづらい。
明確に障害となるのはCampfireやCelemonial Daggerなど、継続的な出費が必要となるもの。Campfireを中盤から使ってるような狂人に書くことはあんまないが…
0にされると割り切って金を積極的に使う場合、アルカナパックはリロールでタロットを探したあとに購入すれば1回のショップで大量のタロットを適用できる。
この効果の対象となる役はアンティ突入時に決まる。なので後から最頻役が入れ替わってもそのままになる。2種類の役を同頻度で使うのはSpare Trouserのツーペアとフルハウスぐらいしかないが。
よくある小ネタとして資金がマイナスでも0に戻される。Credit Cardで能動的に狙わないと資金運用としては下策なのでわざわざ狙うほどのコンボでもない。
この効果にMatadorは反応し、結果資金は8$になる。闘牛士の面目躍如。

その他系

提出後ランダムで2枚のカードが捨てられる(The Hook)

スチール・ゴールドカードやワンパンできない大型役を窮地に追い込むボス。アンティ1から出現。

提出よりディスカードの信頼性が高くなる、という点でThe Fishに近いボス。一旦ディスカードが切れると確実性を保ったまま手札を補給するのは非常に困難になる。
この2枚はカードを自分で捨てた扱いになり、Green JokerやRamenなどの数値は減る。逆にMail-in RebateやらCastleやら紫シールなども発動する。
手札がすべて不要牌の場合、適当に5枚出してディスカードを維持したまま一気に交換するのもよい。
手札にあるカードを参照するジョーカーはそれぞれ有利不利が激しく変化する。Raised Fistは手札に存在する最小値を参照するのでもし手札が完全になくなった場合なんの倍率も与えない。一方BlackBoardは一旦3倍を与え、その後スペードでもクラブでもないカードが存在したらそれを取り消すという処理のため減れば減るほど有利になる。
DNAは捨てた後に増やす。青シールやスチールを増やすと運ゲーをかいくぐって恩恵を得られる。

提出/ディスカード後にランダムで1枚のカードが選択され続ける(Celurean Bell)

ストレートと改造が乏しいデッキを締め上げるボス。8の倍数のアンティに出現。

選択されたカードは引っ込めることができなくなる。故にそのカードは提出するかディスカードするかのいずれかになる。またタロットの適用対象としても確実にその1枚が選ばれるため、ここぞという時の一手に全力バフをかける手法はおのずと制限される。
必然的に5枚役と4枚以下の役で成立率には大きな差が出る。さらに5枚役をタロットで書き換えて成立させるのも難しくなるため、事前のショップから入念に仕込んでおきたい。
手札枚数が多すぎる場合、提出するカードの選択肢の多さとランダムで選ばれるカードが出したいカードではない可能性が表裏一体となる。
この強制は強制選択の対象にされたカードが左・されていないカードが右の状況でDeathを使った場合、右のカードは通常通り選択を解除可能なまま左のカードが変化する。逆にされていないカードが左・されたカードが右の状態で使うと両方のカードが選択解除不可能になる。
後者はペア系列やフラッシュなどを強引にその場で出すのにしか使えないが、前者が活きる状況として指定されたカード以外の5枚で役が成立した場合、そのカードが5枚のいずれかに成り代わることで役として提出できる。
またこの強制は各提出/ディスカードの後に一回だけかかる。Hanged Manで選ばれたカードを破壊した場合、その間だけ自由に選択と非選択の切り替えが可能。特にJusticeなど1枚にしか使えないタイプを狙って使うのには有用。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?