第18回小学館ライトノベル大賞授賞式の話

ねこもんじ(猫文字隼人)と申します。

今回小学館ライトノベル大賞、通称ガガガ大賞を受賞させていただき、授賞式に参加させていただいて来たので記憶がまだ残っているうちに次の受賞者の方達の参考になるようなことでも書こうかと思います。

服装
自由です、と言われます。
が、まあ自分たちの授賞式なのでスーツかなと思います。
ただそんなにめちゃくちゃかしこまった感じというわけでもありませんのでインフォーマルで十分。
要はタキシードとかそこまでは必要ないかなと思います。

今回私は(ネクタイ長すぎなの誤魔化すために)3ピースのスーツを着て行きましたがお勧め出来ないなーと思いました。
というのも3ピースはベストのボタンだけとめてジャケットのボタンはとめないのが正解なのですが調べてみるとかしこまった場所では何前あけてんだこの野郎!と思われることもあるらしいのです。

①セオリー通りあける:何あけてんだこのやろう!
②ボタンとめる:3ピーススーツ着たことないのかな?

め、めんどくさい……。
勿論めんどくさいことにはならなかったですが、会場が思ったより立派だったのもあり「だ、大丈夫か!?」とだいぶ混乱して不安を覚え、スマホでどうだったか再確認したかったけどあの会場でスマホ出して検索する根性は私には無かった。
というわけで余計な混乱を生じない為にも普通のスーツが無難かなと。
まあユニクロとかのスーツで十分かと思います。

持ち物
事前に直近の受賞者さんの作品名やお名前のメモなどを準備していましたがこれは授賞式のしおりにも記載があるのでいらないかも。
色々貴重なお話も多いのですがお酒が入ると案外後から思い出せなかったりしますのでメモは持っていくことをお勧めします。後からメモ見返して金言ちらほら。やったね。

名刺
必要です。自分はお代わり含めて30枚くらい持って行きましたがギリギリでした。
私は数とか以前に間違えて没データを印刷したことに帰ってから気づいた。メールアドレス入ってない!
内容はペンネーム連絡先受賞作品名くらいがあればあとは自由かなと思います。
で、授賞式専用名刺なのであれば当日初対面の人がほとんどですから住所とか趣味とかあったほうが話しかけやすいかもしれない。
実際住所のことで話しかけてくださった先輩方や編集さんが複数名おられましたし。天使。
ただめっちゃ偉い人と交換する事もあるのでやっぱいらん事せず普通のが良いかもしれん。
どっちだよ。余計混乱するわ。

来賓
同期受賞者と会社のえらい人、そしてゲスト審査員の方(来られることもあればそうでないこともあるようです)、そして歴代受賞者の方が一部来られる、みたいな感じで認識していました。
大体直近3回分の受賞者の先輩が来るとかそういう感じかな?と。

甘い。

レジェンド級の作家さんがいっぱいきます。いっぱいいっぱい来ます。
質と物量で殴られます。注意。
正直何十人もおられるので相貌失認気味の自分はかなり焦りました。
名前入りのリボンをみなさんつけておられるので大分助かりましたが。
ただもし可能ならば先輩作家さんの自己紹介コーナー(コーナーて)があればより有難かった……!いまだにあの日どれだけの先輩さん達がいたのか解っていない。緊張して半分地蔵になっていたので。

で、お楽しみの二次会。
興味のある作家さん、話してみたい作家さんがいる場合はここがチャンス。
自分はガンガン行くには心臓パワーが足りませんでした。

ただ運は良かったので偶然ではあるもののお話ししたいなと思っていた作家さん複数名と話せたり、逆にお話ししたことでお相手の作家さんに興味が出たりも。
来年、参加することになったら新人さんには優しくしよう……!

サイン
そういうのお願い出来る空気だったのかは正直微妙です……!
とはいえ私は偶然個別にお話しするチャンスとかお帰りになられるタイミングでお願いしてしまいました。皆さん快くサインしてくださいましたけど申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちでハーフアンドハーフ。大事にしよ……!

ミーハー気分でサインとかお願い出来るのは初回だけかもしれないので本当にサインして欲しい人がいるなら根性なり運を引き寄せるなりして頑張ってください。
というのも授賞式が終わったら大体の人は次の機会までに本が出ます。
そうなれば同じ作家、プロですからね。なかなか難しいかもしれません。

あとサインは作っておいたほうが良い、ある日突然書いてと言われたりしますよ、とも教えていただきました。

同期作家
先輩作家のみなさんが口を揃えて言っていたのが同期作家との繋がりは大事だぞ、という話。
年齢やら立場やらみんなバラバラなので話しかけて良いのかな?とか悩んだりすることもあると思いますがちゃんと弁えていれば大丈夫、なはず。
私は作家志望時代は仲間を作るという事にあまり良いイメージを持っていなかったのです。こう、ポイント工作とか話を聞いたりしていたし同じに思われたらやだな、みたいな。でもそういう意味じゃなくて未知の世界で自分が前進するために良いことも悪いことも共有して頑張り合える仲間(いざ書き出すと小っ恥ずかしいが)というのは成程良いものだなと感じています。

担当編集さん
新人賞を受賞するということは、言ってしまえば「この原稿を本にしたいな」と編集さんが選んでくれたということ。
よく作家と編集のトラブル話は聞きますが、その編集さんがいなければ自分は作家業界につま先すら入れなかった訳でめちゃくちゃありがたい存在。

め組の大吾という漫画(消防士漫画、傑作)で、レスキュー部隊に入った主人公が先輩にどぎつい扱いを受けて憤るシーンがあります。ですが、それは命懸けの現場で相手も自分も死なせない為に一切の妥協なく鍛え上げる必要があるからだと後からわかります(確かね)
似てると思うんですよね。確かに厳しい物言いなどもあるかもしれないけど、最終的にそれが作家としての血肉になると思う。
今度アニメ化する作家さんが「困った時、矢面に立って自分を助けてくれたのは編集さんだった」とおっしゃっていました。安易にキレたり噛みつくのはなんか違うんじゃないかな〜?と思う。


受賞作
最後に私の受賞作について。
いや内容とかじゃ無くてね。
今回、書きたかったオチをいかに受賞サイズに落とし込むかということに苦心して書いたのですが評価としてはオチが分かりづらい、逆にコメディ部分は悪くない、というものだったようです。意外と長年書いてて受かりづらいなって人で私みたいに逆のところの作りこみに力入れすぎている人もいるのかなと思いました。
白目剥いて設定や展開練り込んで独りよがりになってもなかなか楽しんでもらうのは難しい。上手くいかないよーって人は肩の力を抜いて楽しんで書くというのもやってみると良いのかもしれません。
ちなみに私は受賞まで10年弱かかったクチなので、巷にある2年で受賞できなければ……みたいな話なんかは無視しちゃいましょう。自分がそうだから遅咲き作家志望者を応援したい気持ちもあるので。いやまあ若い方が有利なのは確かなんだけどさ(身も蓋もない)

他にも世間で言われている話との相違点なんかもあるんですが書いて良いのかわからんので今回はパス。いらんこと書いてるかもしれないですがこれにておしまい。

主にガガガ大賞の19回以降の受賞者向けになりますが何らかの参考になれば!

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