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デザイナーに聞く、ブリッジリングができるまで①

このnoteでは名古屋・東京を拠点に活動しているATingの魅力を皆様にご紹介しています。

今回ご紹介するのは、ATingの顔とも言える“ブリッジリング”。
ブランドコンセプトである”石が喜んで深呼吸しているような、デザイン”を体現したリングです。

この記事は2回にわたりお送りします。

ブリッジリングとは


クッションカットのブルーサファイアを留めたブリッジリング(お客様からのオーダー)

エメラルドカットやバケットカットの石を横向きに配し、両脇から2点で留められている、珍しいデザインのリングです。
2020年ごろから作り始め、現在も進化を続けているATingの代表作。

横から眺めてみると、まるで橋のような形をしていることが名前の由来です。

「私がこの仕事を始められたのは
人と人とのご縁があったからだと
今でも強く思っています

そんな私が思う橋は人と人を繋げる橋
このブリッジリングをきっかけに
私のデザイナー人生も変わりました」

第100号ブリッジリングお披露目時
インスタグラム(@ating0505)の投稿より

ブリッジリング誕生ものがたり

ブリッジリングは2016年ごろに誕生しました。
デザインを考え始めたのはまだ会社員時代のころ。
ブランドを立ち上げるとは夢にも思っていませんでした。

初めて作ったブリッジリングは12mmのピンクサファイア。

ブリッジリング初号・幻のピンクサファイア


なぜその石を選んだのかはわかりませんが、その石に強く魅せられて手に取りました。

「ジュエリーを勉強したなら」と知り合いの方に連れて行ってもらったミネラルショーで魅力的な石と出会いました。
原石を購入して店主がカットしているお店に並んでいたピンクサファイア、結構値段もしたのだけれど、当時の私にはその貴重さに気づきませんでした。

大きめの石が好きで購入してしまいましたが、当初はこのほっそりとしたピンクサファイアにいいデザインが思いつかず、コレクションの一部になっていました。

この石の魅力を活かしたい!と意気込んでいろいろ作ってみました。
しかし、どれもしっくりこず。
このピンクサファイアにぴったりの新鮮味があるデザインを創造することができなかったのです。

友人にリングの制作を頼まれたタキガミは所持している石を彼女に見せます。
当時は所有の石も少なく10個くらい。
その中から彼女が選んだ石はミネラルショーで購入したあのピンクサファイアでした。

正直なところ、自分が持つ友人のイメージには合わない色でした。
だからこそ、彼女に似合うリングに仕立てることこそ製作を任された自分のセンスが問われます。

可愛らしい印象の石をスタイリッシュなリングにするにはどうしたらいいだろう。
半年くらい考えても全く思いつかなかったのに、ある日突然思いついたのです。
それもお風呂に入っているときに。
やっと捕まえたデザインを手放したくないという思いでそのまま髪も洗わずお風呂から出ました。

そこから形になるのに、障害となるものは何もありませんでした。

そのリングは無事友人の元に届いたの?とのこちらの問いかけに、
「実は、その子のところには行かなかったの」
とタキガミは答えます。

もう、そのリングが彼女の元に行くには遅いと思ったのです。
私にとってジュエリーとの出会いはかけがえのないもののひとつです。
彼女と初めてのブリッジリングの出会いの時期はもうすぎてしまていると感じました。

自分のものにしようと思い、大事に保管していた初代ブリッジリングですが、今はもうタキガミの元にありません。
欲しいと言ってくれた知り合いの元に旅立ちます。

思い入れのある作品でしたから、せめて写真だけでも、とあらかじめ撮っていた写真をインスタにアップしました。
その投稿を見てくださった人からオーダーの希望が。

当時は一度作っただけだったのでデザインも覚えておらず、再度つくろうとすると思いの外大変な思いをしました。
その後、ブリッジリングをすこしずつつくり始めました。

デザイナー・タキガミアヤネの言葉

次回はブリッジリングの成長とこれからについてご紹介いたします。


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