刀剣博物館展覧会に行ってきた
展覧会の紹介
日本刀 記録の系譜 ―記録の歴史と記録されたモノたち―
明日までの展示物があるとのことなので急遽行ってきました。
前期:~7月2日
後期:~7月30日
※この他にも6月25日までの展示物があったようですが省略します。
!注意!
これは刀剣鑑賞に関してドの付く素人が「あ~~~よかったな~~~」と言いながら備忘録として書いてます。個人の好みがもりもりです。掲載内容は展示の一部です。ぜひ自分の目で確認をお願いします。
また、館内はご厚意により一部を除き撮影可でした。
撮影可能かつ刀剣博物館所蔵のものの写真を一部掲載しています。
古備前がすごいって話
国縄、友成、正恒(通期)が展示されていました。
国縄は初めましてでしたが、すごかった。とても。撮影不可です。ご都合のつく方はぜひその目でご覧になってください。
精緻な地鉄もさることながら、「捉えどころのない複雑な刃紋」?がとても印象的です。例に漏れず、古備前らしい優美な姿をしています。
友成と正恒は『古備前鍛冶の双璧をなす』刀工として知られていますが、それぞれ一振り展示されていました。友成は大きく伸びる腰反りと小さな切先にみられる優美な太刀姿で、正恒はもう少し直線的な太刀。いずれも地鉄が美しい。ちなみにこの展覧会は『記録』がメインテーマなので、清音様の写本が本題なんですけど(後述)。
粟田口6兄弟の一人、国安(前期)
藤三郎っていうんですってね?初めて知りました。
私は吉光の短刀ばかりを見ているので、『大きめの地肌』を見るのは初めてだったかもしれない。こちらもとても美しかったです。銘が独特。
長光(前期)
全くノーマークでしたが、長光がいました!!!
華やかな丁子に直ぐ映りが生える『柔らかみのある焼き刃で味わい深い作品』。先日拝見した熱田神宮の長光はやや荒だった地肌に乱れ映りが目立ち、丁子というよりはやや大人しい具の目が主だったように感じたので、作によっても大分性格が違うように見えます。しかしながらいずれも先細りの優美で美しい姿をしています。「非常に安定してたくさんの名作を造った」と聞きますが、本当にそうなんだなあとしみじみ感じているところ。
三つ葉葵の並ぶ豪勢な拵え付。さもありなん、といったところか。
押形
恐らく本展覧会のメイン、押形についての史料がたくさんありました。
直接押形(墨を直接刀に塗りたくる)と間接押形(版画摺るみたいなやつ)との比較とか、写真導入しましたよ、とか。今は写真が主流ですけど、これまでの記録があっての今なんだぞ、という強い気持ちを感じた。消失刀の押形が残ってて貴重な資料になってます、とか。そういう話。
いました!!『光徳刀絵図』(通期)!!!
吉光の御太刀、と……國光……でしょうか……??
(該当の短刀をご存知の方いたら教えてください)
そして『寒山押形』(通期)です。
佐藤貫一、号は寒山(wiki調べ)とのことですが、これがあの、有名な佐藤寒山先生の押形ということでよろしいのでしょうか。
種々の正宗の押形の箇所が展示されています。
『窪田清音筆写本』(通期)
清音先生の!????直筆?!!!
え、複製とか書いてない、ですもんね……そっかあ……こちらも完全にノーマークだったので非常に動揺しました。字が美しい。國永、久国、吉光、国光、国行……etc. ずらっと有名どころの銘のスケッチ?とそれに関する説明が書いてあります。『愛嬌すら感じられる』って書いてあって思わずにっこりしてしまった。これを書けるだけの御刀の知識と素養、そして恐らくそれだけ御刀を見られるだけの立場にあったんだろうなということが伺われます。そりゃ旗本で兵学師範で講武所頭取なんだって知識では知ってはいましたけど。現物の威力というものがありまして。
まあ、つまり。清麿はそれを選り取り見取り手に取って学ぶ機会を与えられただろうことも想像に難くなく。と、ここまで考えて非常にふわふわした心持ちになりました。この清音先生が見出したんだぞ、と。
断面から見る刀
これは個人的に面白いな、と思った研究の展示です(通期)。
日本刀の断面を顕微鏡観察したスケッチ、なんだとか。マルテンサイトだとかフェライトとかバーライトとか。どっかで聞いたことのあるような無いような物質?名がずらり。これは折ってみた、ってことなんですかね?
何はともあれ、非常に興味深い図でした。
大変よかったので、行ける人は是非一度行ってみてください!
おまけ:様子のおかしい南北朝ヤンキーソード
恒例のアレ。もう何も言うまい。
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