オムライス、その味の向こう側(未達)【おじさんたちの交換日記10日目】

おばんでした.料理日記をありがとう.今日はクドイくらいに味の向こう側について書きたいと思います.2000文字を超える大作日記になるでしょう.さて,2020年以来でしょうか?我々は味の向こう側について,もう一度語り合う時を迎えましたね.我々の考える味の向こう側について,再定義しておきましょう.

”味の向こう側に行く”というのは大好きな味を見つけるということですよね.美味しいと感じることは,いろんなところで見つけられますが大好きな味を見つけるのは難しいから,僕らは自分の大好きなフレーバーを味の向こう側と呼んでいます.

別の言い方をすると,味の向こう側とは自分の中にある料理の概念が再定義されることでしょう.僕らの大好きなラーメンで考えてみましょう.ラーメンは美味しい食べ物です.ありがたいことに,世の中に数多の美味しいラーメンがあります.基本となるフレーバーは塩・醤油・味噌の3種類.出汁は,鳥・豚・牛・魚介・野菜などから,火加減,時間,圧力といった多様なパラメータの調整を経て取ることで実に様々な我々を魅了するスープを提供していただいております.

それでもなお,記憶に留めて何度でも味わいたいと思えるほど好きになれるラーメンはそうないはずです.もし,自分の中にあるラーメンの定義を超えて,好きになれる,推しになる,そんなラーメンを見つけられたなら,それは”味の向こう側を見つけた”と言って良いのではないでしょうか.

さて,前置きが長くなりましたが,オムライスの向こう側は非常に興味深いテーマですね.こふんくんが作っているオムライスと同じ,チキンライスとオムレツの組み合わせで考えてみます.

まず,チキンライスが難しい.多くは鳥の胸肉またはもも肉と,ケチャップを使ってしっとりと仕上げると思います.野菜は,甘みを添加する玉ねぎ,香り高く旨みの強いブラウンマッシュルームを加えたレシピが多いですかね.これはむしろ,リッチなチキンライスですかね.

まず曲者なのが,鳥の胸肉・もも肉問題です.しっとりしたチキンライスの中にどういった食感と旨みをお肉で加えるのか.旨みの強いもも肉にするか,さっぱりとした胸肉を使うのか.もっとあっさりさせたければ,胸肉の中でもササミを使う方法もありますよね.最近は,ケチャップとキノコで旨みが十分に取れると思っていて胸肉を使うことが多いです.胸肉は焼きすぎると水分が出てしまうのでさっと炒めて避けておくかレンジで火を通したりする様にしています.

そして,チキンライスのケチャップです.市販のケチャップで,手に入りやすいものでは,チキンライスを作るときはカゴメのケチャップではなくハインツのケチャップの方が好みです.もし,見つけられればテーブルランドのおいしいトマトケチャップがオススメです.

でも,もっと良くしたくて自分で作流こともあります.とても簡単に作れますので,もしケチャップ作ったことなければ一度やってみてください.レシピは僕の大好きなこちらの本をご覧ください.仲直りのオムライスです.僕の場合は少し酸味を強めに作っておいて,その分チキンライスは塩気を抑えています.酸味と塩気を両方強くするとイマイチ調和しなくなる様に感じるからです.

そして,キノコと玉ねぎです.そもそも野菜はいるのかという問題があります.ですが,人に振る舞うようなリッチなオムライスを作るときは入れたほうが美味しくなると思っています.その理由は甘みと旨みが増えると思っているからです.まず玉ねぎですが,少し入れることでチキンライスに甘みと食感が加えられると考えています.マッシュルームを採用する理由は,旨みです.旨みには相乗効果があるらしいです.鳥の旨みに加えて,トマトとキノコの旨味を加えることを意図しています.イノシン酸・グルタミン酸万歳!野菜のサイズ感は悩みどころです.切り方も含めて今も悩んでいます.何か良い案があれば教えてください.

オムレツについては,こふんくんが語ってくれたので僕は少しだけ別の視点を加えさせていただきたいと思います.僕はケチャップライスの時には,卵液に砂糖を少し加えています.甘い卵焼きがありますが,あそこまで甘くはしません.ほんのり甘みを感じる程度です.理屈はよく分かりませんが,人間は甘みを最初に感じるらしく,卵をほんの少しだけ甘くしておくことでトッピングのケチャップと卵とチキンライスの調和が取れて,より旨みや酸味の輪郭が立って全体的にメリハリのある味になる様に感じています.卵に砂糖を入れない場合,卵だけ甘みが少ないので卵だけが全体の中で少し浮き上がった状態になってオムライスとしてのまとまりが悪くなるような印象があります.ただ,比べればわかる程度のほんの少しの差だと思うので,人に振る舞う時だけやる工夫です.

オムライスの話をするだけで,紙面の限界が来てしまいました.料理研究活動は,また次回以降にご期待ください.徒然なるままに書き殴ってしまいました,ごめんなさい.もうしばらく料理談義しましょうか.何か良い発見があったらぜひ日記に書いて教えてください.オムライスの研究成果についてぜひ!

P.S 

最近,残業で遅くなり,お店が空いていなかったので松屋という多国籍料理屋で豚丼というご飯をいただきました.お味噌汁がパワーアップして,以前と比較して驚くほどおいしくなっていました.豚丼はそのままでも美味しかったのですが,机に置いてあった七味唐辛子が豚丼によく合いました.柑橘系の香りが強く,辛味が控えめなので陳皮が多いのかもしれません.これに加えて,フレンチドレッシングを少々豚丼にかけるとまた一段と美味しくなりました.驚きの連続です.味の向こう側に行きかけました.そこで最後の一押しを狙い,これまた机の上に置いてあったバーベキューソースというのをかけました.味の向こう側は,はるか遠くの彼方見えない位置まで後退してしまいました.七味とフレンチドレッシングの組み合わせはオススメです.結局2500文字弱になりました.重ね重ねごめんよ.

前方後モンティー

■執筆の様子はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?