見出し画像

〈ARK CEO/Cathie × 雇用統計 21年12月4日〉

こんにちは。ARK trade information (Twitter:@ActiveArk)です。


本日は12月4日に収録された、ARK CEO / cathie のマーケット説明をご紹介いたします。下記の動画(40分程度)を端的にまとめております。


本レポートは無料でお楽しみ頂けますが、記事を今後作成継続するか考えております。是非価値を感じて頂いた方はサポートお願いいたします☺

…………

■冒頭

最近の市場はかなり荒れています。「夜眠れないのではないか」という質問を頂きますが、私たちの戦略が不釣り合いに罰せられ、一部の人々が日々口座を見てパニックになることを知っているからです。私たちは何度も言っていますが、投資の時間軸は5年としています。

現時点では、ポートフォリオへの期待値という点では、過去最高に近いものになっています。当社のポートフォリオは年複利で42%の収益を上げると考えています。

繰り返しになりますが、イノベーション・プラットフォームに関連して、目を見張るような成長率があります。DNAシーケンシング、ロボット工学、エネルギー貯蔵、人工知能、ブロックチェーン技術などです。私たちは株価がそれらを評価し、市場がそれに応じて報いることを想定しています。

本日はまず”恐怖・不確実性・疑念”についてお話をさせてください。パウエル議長が「インフレは一過性のもの」から「おそらく一過性のものではない」と考えを変えたことが、市場を不安にさせたと思います。私たちが所有する銘柄も多く売られましたが、私たちはいつも相場と逆の動きをとります。私たちは最も確信のある銘柄にポートフォリオを集中させ、市場で不当に罰せられていると思われる銘柄を選んでいます。

私たちの戦略は、コロナ危機時の「ホームワーク」銘柄に関連しています。これらの銘柄は「ホームワーク」というだけではなく、つながりを保ち、グローバルな競争力を維持する銘柄であり、それを見つけることが私たちの仕事です。私たちは世界がどのように動いていくのか、そして本当に変革的な成長に焦点を当てています。

■金融政策

M2の成長率は13%であり、21年6月以降、同じ成長率で推移しています。これは2月の27%から低下しており、M2率の成長率低下と共に市場では多くの混乱が生じました。そしてこの7~8ヶ月間、バリュエーションの高い銘柄は深刻な調整が行われています。

サプライチェーンの問題を解決しなければなりませんが、CPIは最大2%付近に落ち着くでしょう。現状CPIは4-5%程度ですが、パウエル議長は来年中にCPIが2%以下に向かって減速し始めるという考えに、少し抵抗を感じているようです。実際にパウエル議長が「インフレ率が一過性のものであるとは確信していない」とコメントした途端に、債券市場は上昇しました。つまり、金利が下がったのです。これは非常に不思議なことです。

パウエル議長はインフレがより問題になるかもしれないと言ったのに対し、債券市場は反対の動きを見せました。非常に興味深く、債券市場が正しかった別の時期を思い起こさせます。このタイミングでは、イールドカーブがフラット化し始めました。フラット化し始めたのは、M2の成長率が減速し始めた直後のことで、10年国債と2年国債の利回りの差は1.6%にまで拡大しました。それが今日ではおよそ0.75%まで下がっています。これは何を意味するのでしょうか?

イールドカーブがフラットになるということは、「債券投資家がセッションを恐れている」か、「インフレ率が下がってきたことを喜んでいる」か、あるいはその両方を意味します。私たちは、来年は不況の恐れがあると考えており、それは商品の在庫次第といえます。この点については後ほど詳しく説明します。

■中国

中国では、政府は共同繁栄を目指しています。中国の経済の中心は不動産です。不動産は中国の消費者の貯蓄の75%を占めています。政府が不動産市場でのレバレッジ解消に注力し、共同繁栄にそぐわない多くの大富豪を排除しているため、不動産価格は下がっています。私たちは、中国経済が急速に減速していくのかを少し心配しています。

鉄鉱石のように50%以上も下落した商品価格を見ていると、中国の減速が20年以上も経験したことのない完全な不況になる可能性があることを示唆しています。なぜ多くの人がこのことを話題にしないのか、私たちはそのことに注目しています。債券市場は中国の真の問題を探り出しているのかもしれません。

■財政政策

今最も重要なことは、上院議員の財政政策が成功する確率が高くなっていることです。この法案は負債・インフレ・税金に焦点が当てられており、実際に石油やガス価格について不満を漏らしています。

ですから私たちは、最も負担の大きい税金の増額は、もし法案が日の目を見たとしても、実現しないだろうと楽観的に考えています。これはとても良いことです。

■雇用統計と経済状況

今月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は期待外れで、市場が予想していた伸びの半分程度でした。さて、何が起こっているのでしょうか?信じられないかもしれませんが、労働力人口は減少しています。1,000万人以上の人手不足の仕事があるのに、これは非常に不思議なことです。

何が起こっているのか、私たちは議論をしています。今朝のブレインストーミングでは、Defi・分散型自律組織・NFTの話題が出ました。この運動に参加している人はたくさんいるようです。優秀な大学を卒業した多くの若者が、Google・Facebook・Amazonなどを辞めて、この夢を追いかけています。彼らは試行錯誤しながら、この新しい世界で自分の道を見つけようとしているのです。これはまさに仕事の未来を定義するものであり、今はまだ理解するのが難しいですが、徐々に明らかになっていくと考えています。

私はいつも「開発者の動向を追え」と言っています。開発者達はインターネットに参入したときよりもはるかに早く、この新しい世界に参入しています。まだ初期段階だと思っていますが、開発者を見ているからこそ、何年もかけて理解できないような大きな歪みを引き起こしている可能性があります。

雇用統計は政府が本当に対処できるようになるまで、修正に修正を重ね、10年かかるかもしれません。そのため今後も雇用統計には戸惑うことになるでしょう。興味深いことに今回の報告書では、企業や事業所を対象とした調査である非農業部門雇用者数が減少しているのです。

次に4Qの平均時給を見てみると、予想0.4%に対し、0.26%の上昇にとどまりました。前年同期比では予想5%以上に対し、4.8%となりました。インフレを恐れている人たちは、70年代に米国経済や世界の多くの地域を苦しめた賃金価格スパイラルを覚えているかもしれませんが、少なくとも今はそのようなことは起きていません。

しかしこれは非常に重要な数字です。前年比で4.8%賃金が上昇していれば、それに応じて生産性も今後数年で2~4%上昇することになります。

次に「実質GDP成長率が7%台という非常に高い成長率だが、債券市場が反応しないのか」という難問についてお話ししたいと思います。なぜインフレに反応しないのか?その理由は将来抱えている膨大な在庫の山を見ているからだと思います。いくつかの企業の事例をあげます。

小売業の場合、NordstromとGAPの両社は21年と20年3Qを比較すると、売上が横ばいor減少したと報告した一方、Nordstromの在庫は13%増加、GAPは3Qの在庫は横ばいでしたが、4Qには7〜8%の在庫増加を見込んでいます。また4Qの売上高には失望していると思います。

それもそのはずで、サイバーサンデーやサイバーマンデー、ブラックフライデーなどのオンライン売上を測定するAdbeの調査によると、オンライン売上は前年同期比でマイナスになっているそうです。オンラインは小売売上の約20%を占めていますが、その売上が減少しています。多くの人が店舗に行かずにオンラインでの買い物の利便性を求めている中では、いい兆候とは言えません。

8月と9月の卸売り在庫は、前月比で1.1%と1.4%増加しました。これは年率換算で15%程度になります。在庫は劇的に増加していると思います。

自動車会社はチップ不足を訴えていた中において、自動車販売台数は年率換算で1,300万台(アメリカ)でした。最近では自動車メーカーがチップ不足は解消されたと言っていますが、先月11月は1,286万台という結果になりした。

これは多くの消費者がパンデミックの間、大量輸送手段を避けるために車を購入したことを意味していると思います。そして次の車を買うのに、電気自動車の価格がさらに下がるまで待つか、実際に車が必要になるまで待っていると言えます。

コロナウイルス時にモノが足りなくなって在庫を作ろうと必死になっていた企業が、今度はかなりの在庫オーバーになるだろうと考えています。実際3Qの売上高は横ばいでしたが、GDPは2%増加しました。そのすべてが在庫だったのです。この在庫の話はあまり語られていないように思います。

現在経済を支えているのはサービスです。ISMや購買担当者指数は過去最高の69を記録しています。そして、それが不況を回避する要因になっていると思います。

コモディティについて、銅価格は高値から13%下落していますが、上昇トレンドは崩しておらず、フラット化しています。木材価格は47%下落しています。最近は持ち直してきましたが、丸太の価格は全く上がっていないと理解しています。原油は85ドルから66ドルになったと思います。DRAMの価格は30%下落しました。これらはすべて5月以降のものです。

またバルチック貨物指数が大幅に下がり、サプライチェーン不足の緩和が確認されました。ドルは今年の1月から8%上昇していますが、これは大したことではありません。

トルコリラは2月から50%下落しています。トルコの貧しい人々は、ドルに対する購買力の50%を失ったことになります。ドルが上昇すると、特に先進国でドル建ての債務を多く抱えている国では、通常このようなことが起こります。

このような現象は今後も増えていくと思いますし、その中には中国の不動産に投資している人もいます。そのため、債務市場ではさらなる混乱が起こると思います。

現在の株式市場はエネルギーが45%、金融サービスと不動産は約30%上昇しています。しかし在庫の積み増しにより、この流れは変わると思います。


ここから先は

20字

¥ 300

当方のNoteは無料で執筆をさせて頂いております。 もし宜しければ執筆継続のためにサポート頂けますと 大変励みになります。