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〈ARK CEO/Cathie × 雇用統計 22年4月1日〉

こんにちは。ARK trade information (Twitter:@ActiveArk)です。

本日は4月1日に収録された、ARK CEO / cathie のマーケット説明をご紹介いたします。下記の動画(40分程度)を端的にまとめております。

本レポートは無料でお楽しみ頂けますが、記事を今後作成継続するか考えております。是非価値を感じて頂いた方はサポートお願いいたします☺

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■冒頭

破壊的イノベーションは賛否両論あり、かなりボラティリティの高い戦略になる傾向があります。しかし長期的な投資視野を持てば、物事はうまくいく傾向にあります。私たちの戦略の5年間の実績を見れば、昨年の大きな変動も含めて、他のどのアクティブ運用にも負けない数字が見えてくるはずです。

S&P、MSCI World、NASDAQなど、幅広いベンチマークをアウトパフォームしており、ほとんどのアクティブ・マネジャーが我々よりもアウトパフォームしていません。ですから私たちも言っているように、学習曲線、コストカーブの低下、需要の価格弾力性を理解した上で、世界の仕組みを変えるような画期的な技術に投資する事は報われることが多いのです。

そして私たちの研究に対する確信は、この2年間増すばかりです。2年前の予想では、破壊的イノベーションに関連する時価総額は75兆ドルでしたが、当社の調査では210兆ドルにまで拡大しました。勢いは十分あります。

私は、ARKが金融サービス業界における破壊的イノベーションの源泉になったと信じています。私たちはインデックスにとらわれません。ポートフォリオの参考となるのは、私たちのリサーチです。私たちは研究を公開し、共有します。私たちは資産運用の世界で最初のシェアリングエコノミー企業です。

私たちは、最も破壊的なイノベーションを持つ銘柄をポートフォリオに集中させました。そのためいくつかのポートフォリオでは、50%から後半35%まで下げています。殆どの投資家はリスクオフの時期に行うのは、分散してベンチマークに近づけようとします。彼らはARKが保有しているような株を売りますが、私たちは彼らがそうするのを待っているのです。

■金融政策

債券市場の解釈では、FRBの金利政策は0.5%上げなければならないことがわかりました。現在、金利のレンジは0.25%から0.5%ですが、多くの人が1%まで上がると考えています。私たちは債券市場がFRBに警告のサインを出していると思います。

特に今日は、債券市場がこれまでよりも強いシグナルを送りました。イールドカーブは反転し、10年債の利回りは2年債の利回りを下回りました。これはFRBにとって、今後数ヶ月から1年の間に、成長率が期待外れか、インフレ率が予想よりも大きいか、あるいはその両方が起こるというサインなのです。

これは70年代の再現になるのではないかという大きな恐怖です。債券市場はシグナルを発しており、それはわが国の債券市場だけでなく、世界中の債券市場がシグナルを送っていると考えています。今回のFRBメンバーの多くは、再びインフレを放置してしまうことを非常に恐れています。債券市場は、彼らが火遊びをしていることに更に厳しい警告を発すると思います。

債券市場についてもう一つ興味深いのは、2年債の利回りを見ると、FRBがあと3~5回利上げする予想がすでに織り込まれていることです。もし債券市場がFRBの考えを変えることに成功したら、非常に強気な環境を手に入れることができます。そして、私はそれが起こると信じています。

■財政政策

富裕層への課税案について、今年このような議論が取り上げられるとは思っていませんでした。今年は中間選挙の年です。中間選挙のために仕組まれたもので、金持ちと貧乏人を戦わせるために利用したものだと思いますし、富裕税が通るとは思えません。

また非常に興味深いのは、政権が警戒心をもって、エネルギー価格がいかに低中所得者の購買力を圧迫しているかを観察しています。そして今後6ヶ月間、戦略石油備蓄から日量100万バレルを放出することを発表しました。国家安全保障の目的で、自国のエネルギー生産をピーク時以上に増加させ、エネルギー需要の点で他国から独立し、他地域の同盟国やパートナー、特にヨーロッパがロシアへの依存を克服するのを助けるべきであるという考えに、政権が歩み寄っている兆候も見られています。

政権がこの方向にもっと積極的に動くかどうか、見守りたいと思います。雇用の創出にもつながるため、理にかなっています。もし経済が減速しているのであれば、政権はより多くの雇用を創出したいと思うでしょう。そうすればエネルギー投資に対して、より友好的な姿勢が見られるようになるはずです。クリーンエネルギーは良いものですが、今はエネルギーの独立性が最も重要です。

■雇用統計

雇用統計は修正値も含めると予想通り43万1000人ということで、少し物足りない結果でした。
雇用統計は遅行指標であり、在庫でも同じことが起こっている可能性があります。

現在、サプライチェーンの問題で大量の在庫が積み上がっていると考えています。おそらく購買担当者が、過剰な注文をした結果でしょう。現在購買担当は望んでいたものを手に入れましたが、さらに多くのものを手に入れようとしていると思います。雇用でも、従業員確保の観点で同じ事が起こっています。

雇用統計の中で非常に良いニュースの1つは、プライムエイジの労働参加率が82.5%まで大幅に上昇したことです。COVID前のピークは83%だったと思います。賃金については、前年同月比では0.1%上がっただけなので、大きなキャッチアップはなく、過去3ヶ月を年率換算すると、賃金上昇率は4.5%に鈍化しています。

さて失業率の報告が良かったのなら、なぜ消費はこんなに落ち込んでいるのでしょうか?ミシガン大学の消費者センチメント調査を見ると、消費者センチメント指数のピークは20年の2月の101でした。これが20年4月には72まで下がりました。21年4月には88に戻りましたが、今日59まで下がっています。この指数で過去最低だったのはリーマン時の55だったと思います。人々が大変な苦しみを味わっていたあの時期です。

インフレの影響について、小売売上高に非常に注目しています。多くの小売業者が、売上は期待外れと言い始めています。2月の売上は増加し、指標は0.3%でした。しかし、2月のインフレ率は0.8%でしたから、実質的には消費は0.5%減少したことになります。つまり年率で6%のダウンで、消費に大きな打撃を与えているわけです。そして、10月以降の平均を見ると、かなり横ばいになっています。そのため、在庫が増加していると思われます。エバーコア社の調査でも、小売指数は3月には低下しています。

自動車販売台数は、12月の1,200万台という非常に低い水準から1,500万台へと急拡大しています。しかしサプライチェーンの問題が解決し、自動車販売台数は再び減少し、3月には1,300万台近くまで落ち込む可能性があります。

ブレット・ウィントンのリサーチ・ディレクターが、今年の在庫と通常在庫の動きについて、非常に興味深い分析をしています。通常、在庫のピークは11月で、その後クリスマスや連休で在庫が減少します。19年11月20年2月にかけて、在庫指標が5.3ポイントも引き下がったのです。今年も通常なら下がるところ、上がりました。

Piper Sandler court CornerstoneのNancy Lazarは、実に素晴らしい回帰分析を行っており、これらの購買担当者指数は、今年末までに全世界で確実に50%を下回ることを示唆しています。このことは、製造業の活動が縮小していることを意味しています。

■経済

不況を脱するためには、住宅と設備投資が好調であることが必要です。住宅着工件数は大幅に増加していましたが、ほころびが見え始めています。2 月の件数は 1.9% 減、中古住宅販売件数は 7.2% 減、新築住宅販売件数は前月の 8.4% 減に続き 2%減となりました。住宅販売件数は前月比、前年比ともに減少、住宅ローン申請件数も2ヶ月間減少しています。

一方で、インフレがピークに達したかもしれないという兆候をいくつか目にしています。信じられないことですが、中古車価格と新車価格は、一時期インフレ率の半分近くを占めていました。2月のマンハッタン指数は2.1%下落し、3月は3.8%下落しました。元々65%以上の価格上昇が見られたので、多くの人が中古車市場に売り込むタイミングを見計らっていたのでしょう。価格の下落を目の当たりにしたら、その人たちは車を押し込もうとするはずです。

風力発電価格や原油価格もそうです。ロシアがウクライナに侵攻した後、原油価格は130ドル前後でピークを迎えました。欧州•中国の景気後退等もあり、結局のところ130ドル代がピークだったということになると考えています。

エネルギーや公益事業に投資しなければ、1Qの株式市場からのリターンはマイナスになるはずです。通信サービスやテクノロジー株が大きな影響を受けました。その中でも、MicrosoftやNvidia
Teslaには満足しています。しかしイノベーションの破壊者達も一部で牙城を破壊されつつあります。Tik TokはNetflixやFacebook、その他のソーシャルネットワークからシェアや消費者を奪いつつあります。これは教訓であり、私たちは常に気を引き締めています。

今後について、トラウマになりかけていた資産配分を株式にシフトさせることが重要だと思います。22年1Qは1973年以来最悪の投資リターンを記録しました。金利が長期国債のピーク時の15%から、コロナ影響で0.5%まで下がり、現在は2.3~2.4%となっています。多くの人が40年間の債券強気相場は終わったと考えます。今後は技術革新に関連したデフレの力がかなり強力になると思います。

非常に重要なのは、雇用統計でイールドカーブ(2年債から10 年債)が反転し、10年債が2.35%になったことはFRBへの警告になります。10年債の利率は名目GDPの成長率に連動する傾向があります。現在の債券市場はFRBに「我々は成長率とインフレが予想より低くなると考えている、だから気をつけろ。」と伝えたがっているのです。

私たちがより優先順位を高くしているのは、「傾向」を選択することです。第二次世界大戦後の経験では、イールドカーブが反転するたびに、私たちは不況に陥ってきました。また国債の利回りに対して、企業の利回りが上昇し始めています。これは債券投資家が企業のファンダメンタルズを懸念していることを示す指標でもあります。


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