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〈ARK CEO/Cathie × 雇用統計 21年11月5日〉

こんにちは。ARK trade information (Twitter:@ActiveArk)です。


本日は11月5日に収録された、ARK CEO / cathie のマーケット説明をご紹介いたします。下記の動画(40分程度)を端的にまとめております。

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■財政政策

今週の選挙は、議会への警鐘になったと思います。例えばインフラ法案は、下院が可決した時点で成立しそうです。しかし問題はペロシ議員が、もう一つのインフラ法案にも固執していることです。

法案は通ると思いますが、来年10月の中間選挙までは難しいでしょう。今週の選挙で、政策立案者は論争を避ける必要性が明らかになりました。そしてインフラ法案に対して、スイングステート州の多くの有権者が好まない税制上の提案があります。これらの世論調査をより重視するようになったのです。


民主党は実際にどのくらいの費用がかかるのか、議会予算局への確認を求めていますが、これは数週間後に行われる予定で時間がかかります。つまりインフラ法案の採決も行われないということです。

その上で仮に下院がこの法案を通しても、上院にはジョー・マンチン議員がいます。彼はこの法案にはたとえ金額が縮小されても、賛成するつもりはないと言っているように思えます。彼は過剰な債務やインフレへ懸念を語り続けています。そして最近では、税金の話をしています。

彼はこの法案に含まれる税金があまりにも重すぎると考えています。彼は今法案に抵抗する理由に税金を挙げていおり、法案全体を阻止することができると感じているのではないでしょうか。

私はこの法案は通過しないと思います。もし通過してもかなりスリム化されたものになるでしょう。またその際はキャピタルゲイン税率の引き上げや法人税率の引き上げは行われないと思います。

税金について、最低限の法人税が世界的には15%で合意されています。しかし私たちが予想していた、キャピタルゲイン税・法人税の増税、税率の上昇に比べると これは非常に良いことです。市場が上昇している理由のひとつは、高所得者層を除き、増税の可能性が低くなっているからだと思います。

バイデン大統領は今週ジェローム・パウエルとラエル・ブレイナードをオフィスに招き、ある決断を下そうとしているようです。ジェローム・パウエル氏をFRB議長に留めるか、それともブレイナード氏を指名するか、あるいは他の誰かを指名するか。

今見ているインフレは一過性のものだというパウエルの主張が、議論の一つになっていると思います。そして、彼はその路線を堅持しています。FRB理事会の他のメンバーは、少し心配になってきています。

■インフレ

インフレへの懸念が薄れてきているのではないかと想像していましたが、統計の中には、驚くほど高いものもありました。ではなぜインフレは一過性のものではないのか、その理由についてお話しましょう。

今週ディアの労働者たちが、契約期間中に5%の賃上げ提案を拒否しました。興味深いことに、5%の賃上げは長い間見たことがありません。このように生産性や売上が上がらない限り、賃上げはマージンを圧迫するか、値上げという形で実施されるでしょう。

生産性はこれから爆発的に向上すると考えられています。しかしもしそうならなければ、このような賃金上場は更なるインフレの問題か、企業の利益率低下の問題になるでしょう。ですから、私たちはこの点を非常に注意深く見ています。

■原油

もう一つ私たちを驚かせたのが原油価格です。私はこれまで原油価格が2018年の高値である77ドルを超えたら驚くだろうと言っていました。今日原油価格は81ドルとなっています。そしてそれは供給側の要因とみています。

年金基金の重要指標にESG(環境・社会・ガバナンス)があります。多くの年金基金や寄付財団は石油会社に対して、「化石燃料から再生可能エネルギーへ資本支出をシフトしていないのだから、あなたの株は買わない」と言っています。多くの企業が設備投資を化石燃料から自然エネルギーにシフトしているため、供給量は以前ほど増えていません。

これらの企業はレバレッジが高く、特にコロナ禍においては、資金の貸し手である銀行は採掘企業への融資に非常に消極的でした。

そして供給要因の最たる例としてOPECが挙げられます。今週バイデン大統領がOPECの供給量の増加を要求したことに対して、OPECは「これはあなたの問題だ。我々の問題ではないと」言いました。このコメントは恐らくサウジアラビアから出たものですが、実質的には「失せろ」という意味合いですし、私は驚きました。

いずれにしても、彼らはまだ膨大な埋蔵量を持っているので、需要の破壊を望んでいないことはわかっています。彼らは適度な割合で需要を継続させ、また自然エネルギーへの代替を望んでいないのです。このコメントには驚きましたが、裏では何か他のことが起こっているのかもしれません。私たちにはわかりません。

現在、需要はまだピーク時を下回っています。そして過去のピーク時まで戻るかと言われれば、私は「そうではない」と考えていましたが、需要回復の早さには驚いていますし、原油価格は新聞の見出しを飾ると思います。

今週は小麦が史上最高値を記録し、他の食品価格もサプライチェーンの問題がその理由の一部となっていますが、全ての理由ではありません。生産性が十分に上がらなければ、足元の問題が継続する可能性があります。

石油や小麦、食料やエネルギーなどの必需品が高騰していることも、労働力を確保できない理由になっているかもしれません。そのためインフレには注意が必要です。

しかしインフレがこの水準近くで維持されるとは思えない最大の理由を次にご紹介します。そしてインフレ指標が、信じられないほど低いデフレになる可能性がある理由です。

■日本と中国

1989年に日本が注目されたように、今日私たちは中国に最も注目しています。1989年日本は不動産ブームのピークにありました(東京の皇居は、カリフォルニア州全体の不動産よりも価値があった)。日経平均株価は4万円に達していたか、それに近い状態でした。

しかし30数年たった現在でも、日経はまだ4万円台に戻っていません。翻って中国を見てみると、中国の不動産は経済を前進させるという意味で非常に重要です。推定では中国消費者の貯蓄の75%は不動産にあると言われています。

現在中国は不動産を厳しく取り締まっており、住宅価格は下落しています。中国は持てる者と持たざる者の問題に取り組もうとしているのです。ある人は立派な家を持っているのに、他の人はほとんど買えないのはなぜか。中国の指導者達はこのような状況は受け入れがたいと考えています。

また中国政府は特定の金融機関を調査しているとも言っています。このように経済の活力の源である金融にも、ほころびの兆しが見えてきています。

中国で起こっていることを知るために、よく見ている指標の一つに鉄鉱石の価格があります。鉄鉱石の価格は、5月から6月にかけて50%以上も下落しました。先月上昇する兆しがありましたが、失敗に終わりました。

中国がWTOに加盟して以来過去21年間、中国が風邪をひくと商品価格が悪化しています。足元で下落している商品価格については、その始まりを見ているのかもしれません。

1989年のことを覚えていますが、その時もインフレを心配していました。私はもし日本がこのままの状態を続け、コモディティシステムに税金をかけるようなことがあれば、本当にひどいインフレになるだろうと考えていました。そして私たちはちょっとした破綻を経験しました。同じことが中国で起きても不思議ではありません。

■サプライチェーン

コロナ禍の1年半で、多くの人が大量輸送機関を利用したくなかったので、車などの必要なものをたくさん購入し、家庭には”商品在庫”が積みあがっています。

その一方で、サプライチェーンの問題が予想以上に深刻化しています。これほど長く続くとは予想していませんでしたし、新たな商品の買い占めが発生するとも考えていませんでした。企業は消費者の需要に追いつくために努力を続けなければならないという誤った考えを持っています。

もし家庭内の在庫が積み上がり、重要なホリデーシーズンである11月下旬から12月の最初の3、4週間に消費が落ち込んだとしたらどうでしょう?そうなると、もし企業が奔走しても過剰な在庫を抱えることになります。またこの場合、商品価格にも影響を与えると思います。

このYoutubeでも何度も触れていますが、将来的にデフレに陥ると考えています。デフレに関連する世俗的な力は強力です。人工知能はゲノム革命の一部になるでしょう。またすでに自律走行車に向けて進化しています。このようなイノベーションは全てデフレにつながるのです。


以前にも述べましたが、人工知能のトレーニングコストは年率50~70%で低下しています。そして人工知能はあらゆる分野、あらゆる産業に浸透していくことでしょう。市場はインフレについて語っています。しかし実際には相反するものです。矛盾したメッセージを送っているのです。

■株式市場

株式市場は上昇しています。それ自体は心配していないのですが、パフォーマンスを上げているセクターを見てみると、エネルギーと金融がそれぞれ54%と35%で年間のトップになっています。この2つのセクターは強い経済・長短金利差が関連しています。つまり、インフレと一致しているということです。

他2つのトップパフォーマンスセクターは、不動産と消費財です。この2つは本来インフレ率の低下と金利の低下から利益を得るため、非常に興味深い現象が起きています。つまり株式市場はこのテーマについて混乱しているといえます。

債券市場は明らかに低インフレ・デフレ派です。現時点では1.5ポイントを下回っていると思いますが、インフレを支持して上昇しているわけでは全くありません。

しかし株式市場や債券市場もすべての市場が上昇しています。これはつまり、貨幣の速度が下がっていることを意味しているのかもしれません。

そして最後に、株式市場自体と高いバリュエーションに関して少しだけお話します。

今週の大きなニュースとして、「在宅関連株はもう終わりだ。そのような株はバリュエーションが高く、手を引いたほうがいい」という情報が流れています。例えばpeloton・Zoom・Teladocなどですね。

しかし私は特に最近の市場の動きを見て、在宅関連株が終わったとは思いません。彼らは私たちの仕事や生活、教育、医療などのあり方を変えてきたと思うのです。

■ビットコイン

最後にビットコインについてお話ししますが、非常に興味深いニュースがありました。3人の規制当局が集まって論文を書き、仮想通貨を規制するにはどうしたらよいかを発表しました。市場はこれを非常に好意的に受け止めており、驚きはありませんでした。

今週は非常に良い出来事がいくつかあったと思います。ニューヨーク市長に選出されたばかりのEric Adams氏は、給与をビットコインで受け取ると言い、マイアミ市長は、時期は覚えていませんが、給与よりもはるかに多くの金額をビットコインで受け取ると言いました。

そしてSquareのジャック・ドーシーは、今日の決算説明会で、他の暗号通貨のサポートを検討するかと聞かれ、「いいえ、ビットコインだけです」と答えました。

ビットコインはインターネット上のネイティブな通貨です。これは非常に興味深いことだと思いました。


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