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みんなが連れてきてくれた


悔しさと嬉しさの交じったグシャグシャの感情を持ったのは人生でこの日が初めてだった。




1820


この数字だけを見て走ってきた。そんな2ヶ月。


余談だけど、年末に京セラドームで開催された音楽フェスに行った。

そこであるアーティストが言ってたこと。

こんな世の中で今日このイベントが開催されたのは当たり前じゃない。

みんながイベントを待ち侘び、それを運営者たちが汲み取り、今日この日がある。

まるで思いは襷のようで、まず第1に今日みんなが来てくれたという事実がなければ、イベントは成立しないし、来年もきっと開催はないだろうね。


この時点で1820という数字を追いかけることが決まっていた自分にとって、核心をつかれたような気がした瞬間だった。


過去に携わってきた人。これから携わる人。今年のオフライン開催を心から喜んでくれる人。そして目の前にいるメンバー。

みんなの思いを乗せた1820なんだと。そう思った。


そこからの日々は目まぐるしかった。

数字が全然追いつかなくて、運営が止まってしまった期間があった。

機材などの関係で前数列を空けるため追うべき数字は1735になった。

最初は前向きじゃなかった人たちも少しずつ協力してくれるようになった。


でも、それでも、足りなかった。






結局、本番までおよそ36時間前の2/23 3:00頃。

「満席は諦めて50%を目指します。」

通話を繋げた携帯から苦しそうな代表の声が響いた。

みんなにその旨を伝えてからの動きとか何とか話してたけど、正直1人でぼーっとしてしまって入ってこなかった。

一緒に走ってきたチームの仲間の顔を想像するのは容易かった。

気づいたら頬をつたうものがあって、こんなにも無力さを感じた夜はなかった。




当日は他チームのコンテンツに加わったり、間近で作業している姿を目の当たりにしたりして、今まで外から見ていたみんなの頑張りを肌に感じることができた。


こんなにも多くの人に愛されるイベントを作っている。

学生クオリティなんて言わせないと、プロ意識を持って臨む仲間がいる。


イベントの始まりも終わりも円陣を組み、無条件に胸は熱くなった。


でもそれと同じくらい。いや、それ以上にやっぱり悔しかった。

もっとやれることがあったんじゃないかと。
止まったらダメだと思って走ってきたけど、走ったつもりになってたんじゃないかと。

みんなの本気を見たからこそ余計に、それを「1735」という形で還元したかった。


ごめんね。



でも、おこがましいけど、

最後のみんなの涙と笑顔を見てたら、完璧ではなかったかもしれないけど、これ以上ない最高のイベントだったのだと確信した。

間違ってなかったよ。と、少し肯定されたような気がした。

そしてここが1番綺麗な景色だと気付かせてくれた。


みんなが連れてきてくれた場所。

BackpackFESTA2022 大阪

ありがとう。

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