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悔しさを知る。Good Friday|Week9~10

マラムチェ!(おはよう!)

日曜日の夜にご近所さんのお家でゆっくり過ごし、
家に帰るとそのまま寝てしまい、更新できなかったです。

では、スタート!

4月3日|手探り状態のサッカー大会

今日は、OFYERチームも出場するサッカーの大会を観戦した。
 
8時半頃、試合会場のコートに到着し、出場予定チームの選手と少しだけお話をしていた。
 
9:00から試合が開始される予定であったが、主催者が誰1人として会場に現れない。
試合会場は4カ所あるため、別のコートにいるのかもしれないと考えていた。
ようやく主催者が10:30頃に会場に到着した。
 
「なにかあったの?」と尋ねると
「試合当日になって、使用予定だった会場が使えないと言われた。そこでオフィスで交渉していた」とのこと。
 
その後、各チームのコーチが集まり、ミーティングが始まった。
1時間にわたるミーティングで決まったことは、どこのチームがどのコートで試合を行うかであった。
 
そして、ようやく各チームが決められたコートに移動した。
OFYERは私の所属先の学校のコートが試合会場だった。
 
試合が始まる!と思いきや、そこからまたミーティングが始まった。
各コートに4チームが集まったのだが、どのチームと対戦するかまでは決まっていなかった。
試合が始まったのは12時半頃。
 
主催者側で事前のミーティングを行っていたのか定かではないのだが、
待ちくたびれた選手の様子を見て、今後改善してより良い大会運営を目指していく必要があると感じた。
 
今回のような大会を開催するのは初めてだったようだ。
主催者側もコーチも、選手も手探り状態の中での試合。


- 試合前の写真撮影 -


 
大会を運営した経験が少しばかりあるので、今後協力していく予定である。
 

4月4日|勝ち負けが全てではないけど、やっぱり悔しいよ。

昨日行われていたサッカーの試合は男子チームのみであった。
今日は女子チームの試合が開催された。
男子チームが12チーム出場したのに対し、女子チームは8チームが出場した。
 
昨日の反省を生かし、時間通りに試合開始するのか!と思いきや、
案の定、試合が開始したのは11時半。
(1時間も早まった!)
 
お揃いのユニフォームを着て、エマニュエルさんからの激励があり、
ついにコートへ。
 
相手チームはユニフォームがなく、それぞれのスポーツウェアを着ている。
 
試合前に相手チームのコーチにこう言われた。
「僕たちのチームはお金がないんだ。」と。
 
その時、チームをサポートすることは良いことでもある一方で、
同時に格差を生んでいる可能性があるということ。
活動を行う中で忘れてはいけないと思った。


- 試合前のミーティング -


 
最初にゴールを決めたのはOFYER!
チームの応援に熱が入る。
 
ハーフタイム後に2点決められてしまった。
その後、1点取り返し、同点のままアディショナルタイム。
そこでも勝負が決まらず、PK戦へ!
 
ものすごく熱い戦い!
PK戦が決まった瞬間、ゴールキーパーの選手が体育座りで膝と膝の間で頭を抱えている。
 
大きなプレッシャーだもんね。
プレッシャーを抱えながらも、コート前に立つ姿は非常に堂々としていた。
 
試合の結果は、負け。
 
初めての大会、初めて味わう負け。
本気で打ち込んできたサッカーで感じる悔しいという初めての感情。
 
泣いている選手もいれば、慰めている選手もいる。
試合後、相手チームのコーチが、選手に握手をしにきてくれた。
そんなコーチからの手を払う選手がいた。
コーチは手を掴み、話し合おうとしている。
しかし、その手すらも払い、逃げ出すようにコートを出た。
 
エマニュエルが「彼女はまだ若い。気持ちが整理できず、コントロールできないでいる。」
負けた悔しさをどこに向ければ良いのかわからないのは当然だ。
初めて味わうのだから。
 
コーチができることは、その悔しさを抱える選手に寄り添うこと。
悔しさを向ける先を、選手に応じてデザインすること。


- 試合後のミーティング -


 
勝ち負けが全てではないってわかってはいるけどさ、
やっぱり負けるって悔しい。
 
でも、この感情があるからこそ、人は成長する。
選手にとって、今回の悔しさを悔しさで終わらすのではなく、
次に繋げていけるよう、一緒に練習していく!
 
試合の後は、聖歌隊の練習へ!
帰り道に、同じくアルトのマダムと一緒に家の近くまで帰った。
 
私の慣れないキニアルワンダ語を必死に聞き取って、会話に付き合ってくれた。
 
「歌も語学も一緒。少しずつステップアップしたらいいのよ」
その通り。頑張ろう。。。
 

4月5日|知らないだけ。少し微笑みながら伝えてあげてね。

今日はエマニュエルさんと聖歌隊のリーダーを務めるジャンビエルをご飯に誘った。
いつもお世話になっている2人に、少しでもお返しがしたいと思ったから。
 
ルワンダには、誘った人がご飯代を全て払うという文化がある。
 
初めて出会った人とは仕事が終わった後に「一杯だけ飲んで帰ろう!」と必ず誘うのがエマニュエルさんのポリシー。
任地に到着してから約1ヶ月であるが、私を何度もご飯に誘ってくれた。
当然のように、ご飯代は彼が全て支払う。
 
日本にいる時、おじさん(東京で暮らす私の恋人)とは出会った頃からお互いに半分ずつ払うようにしていた。楽しい時間、美味しいご飯を共有したのだから。
 
日本の文化、個人の価値観もあるが、ここはルワンダ。
ルワンダの文化を尊重して過ごしている。
 
ビールと共に、久しぶりに魚を食べた。
ルワンダでは見たことがないくらいの大きな魚だった。
そして、大きなお皿いっぱいにのせられたポテトフライ。
これがまた美味しい!
 
2人とも本職は学校の先生。
ルワンダの教育事情や日本の先生の労働環境の話で盛り上がった。
楽しい時間を過ごしていた時のこと。
 
アカバリにいた他のテーブルから「ムズングだ!」という声が聞こえた。
 
ムズングとは、白人、外国人を意味する言葉。
様々な捉え方があるが、私は「外の人間」と認識している。
 
街を歩いていると、よく「ムズング」と言われる。
他には「チンチョンファン」「ウムシンワ」など。
 
私たちがルワンダ人とケニア人を見分けられないのと同じで、
彼らも日本人と中国人を見分けられない。
 
「ムズング」という声が聞こえたり、通りすがりに言われると、ほんの少しだけ心が痛む。
ほんの少しだけ。
 
たいていの場合は「違うよ。私は日本人で、リサだよ」と伝える。
ただ、これは割とエネルギーが必要であることを最近になって感じ始めた。
 
活動で悩んでいる時、疲れている時に、この言葉を聞くとスルーしてしまうこともある。
気持ちよく言葉を返せる心の余裕がなくなる。
 
エマニュエルさんとジャンビエルは、優しく微笑みながら私の話を傾聴してくれた。
「彼らは、この言葉で外国人が傷つくことを知らないだけで、悪気もなく使っている場合がほとんど。そう言われた時は、少し微笑みながら、優しく名前を伝えてあげてね」と言われた。
 
何気なく放った一言が、誰かの心をグサリと刺していることはよくある。
だからこそ「相手を知る」「相手の気持ちを想像する」ってとても大切。
 
心に余裕のある時は、やり過ごすのではなく
少しの笑顔と共に自分の名前を伝えてみようと思う。
 

4月6日|断水は続く。


先週、大きなタンクが届いたものの、家の水道とはなぜか繋がっておらず、
シャワーやトイレ、洗濯、食器洗いのため、毎朝外にあるタンクから、
ジェリカンに水を汲む生活をしている。


- 水タンクからジェリカンに水を汲んでいる様子 -


 
ジェリカンとは、お水を汲むために使う20リットルの黄色のプラスチック容器のこと。
街を歩いていると、頭の上にジェリカンを乗せて運ぶ人や、いくつものジェリカンをのせた自転車を見かけることがある。
 
多くの家庭では未だに水道が通っておらず、
ジェリカンを持って、湧き水汲みに行ったり、公共水栓を利用してお水を得ている。
 
私の家はというと、水道が通っているものの、お水が出ない。
しかし、家の中には水瓶があり、タンクもある。
そのため、湧き水や公共水栓を利用することは滅多にない。
(今後はわからないが)
今は、乾季に向けて、雨が降った日には外にバケツを用意して、雨水を溜めている。あとは、水が出るタイミングでペットボトルにいくつも水を溜めてもいる(笑)


- 家にある水瓶 乾季に備え、なるべく使わないようにしている。 -


 
私のご近所さんの中には毎朝1時間以上歩いて湧き水や公共水栓まで行き、20リットルのジェリカンを担いでいる人もいる。
 
統計データを見ると少しずつ世界は良くなってきている。
一方で、水質検査が行われておらず、安全な水ではない可能性もある湧き水を使って生活している人がいることも現実である。
 
データをベースに理解することと同じくらい、こうした現実と向き合い
大きく変えなくても、自分ができることを考えることも大切だ。
 

4月7日|ルワンダにおけるジェノサイドを考える国際デー

毎日早朝から響き渡るセキュリティの美声が聞こえてこない。
子どもたちが外で遊んでいる声が聞こえてこない。
4月7日は、ルワンダにおけるジェノサイドを考える国際デー。
1994年4月7日から約100日間にわたり、ルワンダでは多くの人が殺害された。
 
毎年4月7日はルワンダでは、追悼式典が各セクターで行われる。
私は家でルワンダの歴史を振り返りながら、静かに過ごしていた。
 
テレビやラジオにて、大統領の話が流れるようで、
セキュリティもケータイでラジオの放送を聞いていた。
 
学校や多くの施設の前に「Kwibuka 29」と書かれた垂れ幕が掲げられている。
 
今年の4月7日は、カトリック教にとって重要な日でもあった。
聖金曜日(Good Friday)と呼ばれるイースター(復活祭)前の金曜日だ。
1年間で唯一ミサが行われない日。
 
夕方頃、聖歌隊の一部のメンバーと共に、私が暮らす村から2つ離れた村(私の村から歩いて10分程の場所)で暮らすある家庭に行った。
 
家に着いた瞬間、言葉が出なかった。
土で作られて、今にも崩れ落ちそうなお家。
横5m,縦3m高さ2m程度。
 
中で暮らすのは、目が見えない2人の女性と精神疾患の男性。
ハエが湧いているベッドが2つに、炭と七輪、少量の豆とお米。
 
聖歌隊メンバーが事前に集めた食料や日用品をこの家庭に届けた。
お米や砂糖、牛乳、さつまいも、そしてお金(2000円程度)

最後に、全員が部屋の中に入り、祈りの歌を歌った。
手を合わせ、少し微笑みながら目を瞑り、歌に合わせて体を揺らす女性。

1994年に行われた虐殺から29年。
隣人を殺し合った過去。今もその歴史と共に生きる人々が多くいる。
彼らが隣人に奉仕し、祈りを捧げる姿を見た時の気持ちは言葉で言い表すことができない。 

4月9日|ご近所さんのお家にお邪魔しました。

今日はキリストの復活祭!
Whatappで「ハッピーイースター」という文字が書かれた写真が送られてきてハッピーな気持ちになった。


今日の夜、ご近所さんのお家にご招待していただいた。
 
「舗装されてない道をまっすぐ歩いたら着くと思うので連絡して」と連絡がきた。
・・・ほとんど舗装されていないんだけどなあ。と思いつつ、とりあえず外に出てみた。
すると、近くで働いている女性が「ジャパニーズ」と声をかけてくれた。
そのまま挨拶をして、その流れで「グレースさんのお家って知ってる?」と聞いてみた。
 
すると「ご近所さんよ!連れてってあげる!」とのこと。
なんともありがたい話である。改めて、ルワンダに来てからというもの助けられてばかりだ。
 
無事に到着すると、家の前でグレースさんが待ってくれていた。
3人の子どもたちと風船で遊んだり、キニアルワンダ語を教わっていると、学校の話になった。
 
グレースさんの子どもたちは3歳、5歳、7歳でそれぞれプライベートのナーサリー及びプライマリースクールに通っている。
授業料、給食費、勉強用具費合計で86400RWF(約86400円)
 
日本のプライベートと比較すると安く感じるが、ここルワンダでこの教育費はある程度経済的に豊かでないと支払うことの難しい金額だ。
 
キニアルワンダ語はもちろんだが、3年生まではフランス語を習う。その先は、ナショナルエグザムに向け、公用語である英語での授業に切り替わる。

グレースさんの家庭では、フランス語、キニアルワンダ語、少しの英語をミックスして会話をしている。 
割合的には、フランス語3割、キニアルワンダ語6割、英語1割。

夕食は、トマトベースの魚の煮込みと、お米、ポテト。
あと、ドードーと呼ばれる野菜、食用バナナ、キャッサバなどをミックスして煮込んだ料理。どれも美味しくいただいた!

旦那さんは郡庁で勤務しながら、農家もしている。
(ダブルワークが当たり前なルワンダすごい・・・。)

グレースさん自身も家庭菜園が趣味で、お庭にはオレンジ、バナナ、シトロン、食用バナナ、キャッサバ、アボカドなどを大切に育てている。

多くのルワンダ人は、葉っぱを見るだけで、なんの食物なのかわかってしまう。
私がわかるのは、バナナとコーヒーの木くらい・・・(笑)

日常生活の中で、食べ物は自然の中で育つことを学んでいる。
日本ではスーパーに綺麗な状態で袋詰めされた野菜が綺麗に並んでいる。
東京で暮らしていた頃、土から野菜をとる経験なんてしたことがなかった。

帰りにお土産として、バナナを一房いただいた。
一房にバナナは30個くらいついている(笑)
貴重な栄養源をいただけてありがたい!

ルワンダでは誰かを招待したら、帰りは家まで送るという文化がある。
私の家の周りには電灯がないので、夜になると真っ暗である。
こうして送っていただけることが本当に心強く、ありがたい。

まとめ

なんだかんだ充実した1週間でした。

陸上クラブの生徒たちから電話がかかってきたり、ショートメッセージが届いたことがとても嬉しかったです。
用があるわけではないけど、ただ元気なのかだけ確認する。
そんな気軽なやりとりが楽しいです!

メモリアルウィークは13日まで続きます。
学校の休みは続き、時間に余裕があります。

エマニュエルさんのNPOのお手伝いをしたり、PCM研修で学んだフレームワークをもとに、関係者分析を進めていこうと思います。

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