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2024リセット旅行④ 火の行〜修二会の禊

水の行からの、火の行。

東大寺・二月堂の年中行事「修二会」。
通称「お水取り」というのだろうか?
友人からのメールには「お水取り」と書かれてたのだけど、
添えられてた写真は花火みたいなのだった。
とりあえず色々調べてみると「修二会」自体は1ヶ月くらい続く修行らしい。
で、その中の1週間ほど「お松明」が毎夜繰り広げられ、
「お水取り」というのはさらにその中の1日、
まさに私が行くことになっていた日の夜更けに行われるそう。
「お水取り」自体を見れる訳ではなくてちょっと残念…
でもそしたら夜中の1時まで待たねばならない。それは無理だな。

ともかく「お水取り」のための道を照らすため、というので行われるのが「お松明」であり、それを見るまでもなかなか大変。

友人の先輩が関係者ということで、特別なリボンを頂いて特別観覧席に入ることができたんだけど、始まる2時間前の夕方から場所取り。
本当はもう1時間前に開場だったんだけど、寒いし待ってるのが辛いし、後ろの方でもよいのです私…根性ない。

やっと暗くなってきたし、そろそろ始まるだろうと思ったらもう30分くらい待った。
でも修行だからね、何かが整わなければ始まらないんだろう。

やっと、始まった!4~5メートルはある竹の先に直径1メートル近くありそうな火の玉…これを一人で担いで階段を登って、欄干のところで空にかざす。

空にぐぐっと突き上げたり、ぐるぐる回して火の粉を撒き散らしたり…
どういう意味が込められているんだろうか。

激しめに回しております。

落ちてきた燃え滓を拾うといいことがあるのだとか?
前の方にいる人たちはしっかりビニール袋を持ってきてる。

いつもより多めに回しております。軽くしてるのかな笑。

いったん引いて、担ぎ直して、向こう側へ向かって走る!

火を吹く龍が飛んでいるみたいで幻想的。

炎の中に、顔が写ったみたい!
「イフリート」は異国の魔物だけどそんな感じ。

こちらも何かの生き物みたい。

炎そのものが生きてるみたいだ。

見上げてる首がつらい…十本くらいのお松明を見送る。

祭りの後…振り返ってみたら下のお堂にすでに次の松明が用意されていた。

空に何か映ってるよ笑

元々の知識教養がないため、修二会について調べても理解し難い部分も多々あったのだけど「懺悔」という言葉に反応。

「懺悔文」

我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう)
私が今までにおかしてきた数々のあやまちは
皆由無始貪瞋癡(かいゆうむしとんじんち)
すべて限りない過去からの、貪(むさぼり)、瞋(いかり)、癡(無知)により
従身語意之所生(じゅうしんごいししょしょう)
私の体や言葉や思いを通して犯したものです
一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)
私は今、これらのあやまちを、全て残らず告白し許しを請います

https://www.todaiji.or.jp/annual/event/shunie/glossary2/

代わって懺悔をしてくださるなんて究極の利他だよ、なんとありがたい。
そう思いつつも、見学してるのはただの野次馬のような気がしなくもない…
いやいや、人混みは苦手なのになぜか行きたいと思った場所にいれることに感謝しよう。

夜の東大寺南大門。約30年前に修学旅行で来て以来…
いや、大仏様を見た覚えはあるけど、門は通ったんだっけか?
翌日は歩き疲れて結局明るい時には見れなかった。

こちらは平城京にある、朱雀門じゃないほう。
またいつか行きたいなぁ奈良。

そして帰ってきてからも禊は続く。
ちょっとずつつながってく。
まだまだ終わってない。


よくよく考えてみれば中途半端な心持ちで参加してた「お水取り」…
だから禊がなければならない懺悔のような気持ちが残ってるのだ。
ちゃんと禊げてないよーと言わんばかり、サインがやってくる。

帰りの新幹線の「トランヴェール」に「若狭湾」の文字、
そういえば二月堂のお水取りの井戸は「若狭井」って名前だったよね、
そりゃそうで、若狭湾から「お水送り」された水を汲むのが「お水取り」。
うわぁ、つながっている。

修二会について東大寺のホームページを調べているときに気になったのが「青衣の女人」という言葉。青は水の色。
直後に出かけたカフェでお店の人が真っ青な服を着ていて、
あーこれはもう行くこと決定、と、バスと宿泊先の予約をしてた。
室生寺の占い師さんも真っ青な服着てた。
帰ってきてから読んだ小説にも「青衣」という言葉が出てきた。
その言葉、そんなに使わないよね…?
ちなみに朝井まかて『白光』に出てきた「青衣」は聖母マリアの服の色。

『白光』にも懺悔というか、告解のようなシーンがあって、
私もようやく少しずつ禊がれてきているような。
今日やっと、少し抜けた気がしているけど、
それは旅の振り返りがやっと少しずつ進んでいるということもあるのかもしれない。


続く。

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