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幸せだよ~愛犬あんこの物語

先日、愛犬が病気になって、目もほとんど見えなくなってしまって、不憫で仕方ないと嘆いている知人と会いました。
私も犬や猫と一緒に暮らしていたので、その気持ちは痛いほどよくわかります。
が同時に、その状態ではその人も愛犬も辛くなっちゃうな、、、とも感じました。

動物も人間と同じように感情があるけれど、人間と同じ感情を持っているとは限りません。
アニマルコミュニケーションをしているときも、虹の橋の天使のポストカードを描いているときも、しばしば動物たちが教えてくれるのですが、
「今ここ」に生きる動物は、もっとシンプルな世界で生きていて、もっとシンプルに幸せを味わっています。

そのことをその知人にも伝えたのですが、
それから数日たって、以前、地元にお住いの絵本作家さんが主宰された「大人のための手作り絵本講座」に参加して、当時一緒に暮らしていた愛犬のあんこの絵本を作ったことを、ふと思い出しました。

この本は、犬のあんこが教えてくれたシンプルな幸せの形を描いたものです。
もし必要な方がいらしたら届くと良いな、の想いをこめて、載せさせていただきます。

製本をしてからスキャンしたので、水彩による紙のうねりが出てしまったりしているので、読みにくいと思いますが、お読みいただけたら嬉しいです。




この絵本を作ったのは8年前。
その2年後の春、あんこは17歳5か月で虹の橋を渡りました。

実は目が見えなくなった原因はメラノーマ(悪性黒色腫)による炎症でした。
目の表面には症状が出なかったので、手術をするまで腫瘍があることは全く分からなかったんですね。
もしこの時に手術をしていなかったら、おそらく失明から数か月もしないうちに亡くなってしまっていたことでしょう。

腕のいい先生のお陰で、その後は奇跡的に転移や再発することもなく、寿命まで生き、死の前日までお散歩も楽しむことができました。
持てるエネルギーをすべて使い尽くし、きれいに「枯れて」くれました。

こんなに年月が経っているのに、あの頃のことを思い返すと、お医者さんやスタッフさん、車を持っていない私のために送迎を買って出てくれた友人たち、その他たくさんの方々の優しさと力添えに、未だに涙ぐんでしまいます。
そして、あんこが教えてくれた「今ここの幸せ」を大切にして、あんこをかわいそうな子にしないように接することができたあの頃の自分を、ちょっぴり誇りに思います。


動物たちはちょっと体の具合が悪くても、目が見えなくても、飼い主さんと一緒に暮らせていること、それだけで充分幸せなのです。
動物たちが感じているその幸せを、決して差し引かないでほしいなと思います。

飼い主さんが感じている不憫さや不安は、なくそうとしなくて良いんです。
だって、感じてしまうんだもの。
それに、隠そうとしても動物には全部丸見えだから。

ただね、不安は不安として感じても、それをちょっと脇に置いてほしいんです。
そしてそれとは別の角度から、「それでもこの子は幸せなんだな」ということを、ぜひ感じ取ってあげていただきたいんですね。
そうすると、自分の気持ちを分かってもらえたということで、動物は安心して、さらに幸せを感じるようになりますから。


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