5/14「天使が奏でる音楽」リュートとは
おはようございます。アトリエミストラルの櫻井です。
さてこちらのコンサートが近づいてまいりました。
コンサートを企画するにあたり、「リュート」の説明文を永田さんにお願いしたところ、とても素敵な文章を送ってくださいましたので、ここでシェアしたいと思います。
リュートとは
リュートはアラビアのウード(“木”の意味)という楽器を起源としており、それが12世紀ごろにヨーロッパに伝わり、冠詞Lをつけてリュートと呼ばれるようになった。文化的先進国であった東方から伝来した楽器ということで珍重され、天使が奏でる楽器として数多くの絵画に描かれている。
涙の雫型の表面板、丸く膨らんだ胴、後方へ直角に曲がった糸倉に、ウードと共通の特徴が残されている。
12~18世紀の約600年間、ヨーロッパ各国の王侯貴族の宮廷で「楽器の王」として活躍した。医学が未発達だった時代にあって、その甘美な音色と穏やかな響きが憂鬱な心を慰めヒステリーにも効く、などと実用的な効能が記されている。
市民革命後は衰退し姿を消していたが、20世紀初頭に復活した。親密な空間で奏でられる静謐なリュート音楽は、現代社会の人々にとって安らぎに満ちた音楽として新たに認識されつつある。
プログラム
16~18世紀のイギリス、フランス、イタリア、オランダのリュートのための作品から。
・作者不詳 グリーンスリーヴズ
・ロベール・バラール 天使の踊り
村のブランル
・ジョン・ダウランド 涙のパヴァーヌ
ウィロビー卿のご帰還
・ニコラ・ヴァレ 女乞食のファンタジー
村のカリヨン
・ジョヴァンニ・ザンボーニ ソナタ
他
古楽器とアトリエミストラル
アトリエミストラルは元銀行を改装した小規模ホールです。50年以上前の銀行の造りのため、非常に堅牢で、残響が長いのが特徴です。2020年に共鳴板を導入し、より響きの質が向上しました。
古楽器は今まで何度か演奏しておりますが、この共鳴板を使用してのコンサートは初めてです。古楽器はモダン楽器に比べ音量が小さいという特徴がありますが、まさにアトリエミストラルにぴったり。
また演奏者とお客様の距離がとても近く、演奏者の指使い、息遣いも目の前で見ること(聴くこと)ができ、非常に親密感のある空間です。この空間にリュートがどのように響くのか?とても楽しみです。
永田斉子さんのプロフィール
長崎県生まれ、東京都在住。
国際基督教大学、フランス国立ストラスブール音楽院リュート科を演奏家ディプロムを得て卒業。リュートおよび通奏低音の奏法を今村泰典、B.フィーハン、左近径介、音楽学を金澤正剛の各氏に師事。
ルネサンス〜バロック時代のリュート、ギターを時代と様式に応じて使い分けながら、ソリスト、通奏低音奏者として演奏活動を行っている。文学、美術、歴史、天文学など他分野とのコラボレーションも多い。
NHKテレビ番組「迷宮美術館」「ルーブル美術館」NHK-FMに出演。映画「耳をすませば」、「カムイ外伝」に録音で参加。CD「ふらんすの恋歌」「Song Collectors歌の蒐集家たち」「月琴 MOON LUTE〜お龍が奏でた楽器、龍馬が聴いた音楽」などをリリース。
サロンコンサートを企画・運営するルミエールプロジェを主宰し、リュートを中心としたプログラムを親密な空間で聴くというコンセプトで1997年より公演を継続中。演奏される機会の少ない作品に光をあてる地道な活動を行う一方、広くリュートの魅力を発信する活動として朗読音楽会「ロバのおうじ」を連続公演中。朗読+リュートの生演奏+挿絵の投影という独自のスタイルで100回の公演を重ねている。
月琴奏者でもある。
日本リュート協会、フランスリュート協会、NPO法人日本ルネサンス音楽普及協会、各会員。文化庁芸術家派遣事業登録アーティスト。
●公式サイト: https://www.seikonagata.com
●SNS
Twitter: https://twitter.com/seikolute
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YouTube<リュートの庭>: https://www.youtube.com/c/LuteGardenSeikoNagata
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