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いにしえのうた 第3回 ヴィオラ・ダ・ガンバ(7/17)ガンバってどんな楽器?

皆様こんにちは。群馬県高崎市のコンサートサロン「アトリエミストラル」のオーナー櫻井紀子です。
アトリエミストラルでは開館10周年を記念して「いにしえのうた」として全3回シリーズとして公演を行っています。1回目はリュート、2回目はリコーダー、そして7/17に3回目となるヴィオラ・ダ・ガンバのコンサートを開催します。

演奏はヴィオラ・ダ・ガンバの第一人者である「上村かおり」さん。ベルギー在住の上村さんは、夏の間日本でいくつかのコンサートを行いますが、ソロはアトリエミストラルだけだそうです。

ヴィオラ・ダ・ガンバ Musical Humors

昭和レトロなチラシと一部では話題のようですが(笑)狙ったわけではありませんで…そういわれればそうかなぁ。。。

さてヴィオラ・ダ・ガンバとはどういう楽器なのでしょう?このチラシを見た方は、古楽に詳しい人を除いて「チェロに似てるけど…この楽器はなに?」という反応を示されます。

コンサート開催にあたって演奏の上村かおりさんに、簡単に楽器の紹介文をお願いしました。簡潔でわかりやすく、形状・歴史・音色そしてガンバ愛にあふれていて、櫻井、演奏を聴く前から感動してしまいました。

ビオラ・ダ・ガンバとは(上村さんによる楽器説明)

ヴィオラ・ダ・ガンバは、ギターのように指を押さえる場所を記すフレットがあり、和音を指で爪弾く代わりに、弓で弾く楽器です。つまり、和音がポロンと消えていくのではなく、それを長く持続させられる楽器です。元は、中国から始まりシルクロードの国々に残る民族楽器が、スペインでだんだん形を成していった弦楽器です。弓をヴァイオリンやチェロのように上から持つので はなく、下からお箸のように持つというのも、この民族楽器によく見られる奏法です。それが チェーザレ・ボルジアの時代にイタリアに渡り、その後ヨーロッパ全土で愛されるようになりました。
エリザベート1世の時代のイギリスでは、ガンバを演奏することは紳士の嗜みと言われていたほどですし、フランスでは、ルイ14世が食事の時にガンバを所望していたことも知られています。またドイツの教会音楽では欠かせない存在でした。ヴァイオリンがまだ教会では世俗すぎると言われ演奏できなかった時代にも、ガンバは神を讃える楽器として、重要な役割を果たしていました。
ガンバにはソプラノ、アルト、テナー、バス、ヴィオローネといった音域の違う楽器があり、歌のアンサンブルのようにガンバだけでアンサンブルができます。小さいソプラノはヴァイオリンほどの大きさですが、やはり足で挟んで演奏します。それでヴィオラ(弦楽器)・ダ(の)・ガンバ (足)と呼ばれているのです。ヴァイオリンは、ヴィオラ(小さい弦楽器)・ダ(の)・ブラッチョ (腕)と呼ばれていました。今では足で支えるチェロも、元はヴァイオリンの仲間ですので、ガンバとは全然違うファミリーなのです。
19世紀になると、音楽が民衆のものとなり、大きい音の出るチェロが台頭し、サロンや教会で好まれていたガンバは表舞台から遠のいていきます。しかし、その音色はまろやかで優しく、人の声にとても近いと言われています。大きなホールではなく、身近に音楽を楽しみたい人が増えて、ガンバは再び演奏されるようになりました。また、ガンバのアンサンブルのための音楽は、音は簡単でも内容が深い曲が多いので、弾き甲斐があり、アマチュアの愛好家が世界中にいて、近くの誰かの家に集まって美味しいものを食べたり、美味しいワインを飲んだりしながら、アンサンブルを楽しんでいます。聴いても弾いても楽しめる楽器です。

↑ここまで
いかがでしょうか?素敵な文章ですよね。これを読むと、ガンバを弾いて音楽を楽しみたくなります(笑) そしてコロナ禍を経て、ガンバのような「少人数で誰かの家に集まって美味しいものを食べたり…しながら、アンサンブルを楽しむという文化」も、蘇ってくるような気がしています。

プログラムはチラシをご覧ください。大変人気の公演となっておりますので、ご予約はお早目に!

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