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心の葛藤

いきなり病院に運ばれて、何の前触れもなかったのかと言うと、そうではなかった。
運ばれる前日まで、友人と飲みに行き、たくさん食べて、たくさん飲んでいた。飲んだシメに酔っていた勢いで、でっかいおにぎりを2個食べた。痛みに悶えつつ緊急搬送されながら、救急隊員さんに何食べましたか?と聞かれても、食べ過ぎかもしれないデス。という言葉は飲み込んだ。笑
結果、大腸に穴あきまくって大炎症状態だったので、食べ過ぎは関係なかった。
意識戻ってそれを聞いた時、いらんこと言わなくてよかった…と内心ほっとしたのはナイショ。

運ばれたのは、8月25日だったけど、実は、5月25日にも緊急搬送されていた。前触れはちゃんとあった。
仲良い友人と2泊3日で石垣島へ旅行に行き、その旅行中、とにかくよく食べて、よく飲んだ。何だかずっと体調がすぐれなかったが、食あたりか?
さすがに食べすぎたか?ぐらいにしか思っていなかった。

エロモナスという南国の水にいる菌に当たったせいで、腸閉塞。

そう診断された。レントゲン検査と血液検査のみで、CT検査もMRIもなかった。
しきりに、医師へ「背中が痛いんです!」と言っていたが、「様子見ましょう」と鎮痛剤の点滴をされるだけ。
8月に運ばれた病院の医師から、患者が背中の痛みを訴えているのに、CT検査しないで腸閉塞って診断するってありえないです。と言われた。
最近の病院って、患者に触れないし、PC画面ばかり見て人の顔見ない。そんなんだと診察ミスもするよね。

今思えばそれが気づくチャンスだったんだと思う。運ばれた病院が悪かった。
運が悪かったんだろう。

葛藤したのは運についてではない。
今日のテーマ。『何を』葛藤してたのか。そこに戻る。
5月くらいから体調が何だか悪い。貧血でふらふらする。そんな日々が続いてた。

腸閉塞と診断され、1週間入院。退院1週間後に、ずっと好きだった人からデートに誘われた。貧血でふらふらしてたし、まだ、まともな食事もできない状態だったけど、会いたいと言う気持ちが勝った。その後もちょこちょこ会う機会もあった。

会うと元気になった。でもその次の日にはまた、ぐったりしていた。
「病は気から」とはよく言ったもの。

6月29日の深夜にも、5月と全く同じ症状で緊急搬送された。
前回入院した同じ病院に搬送され、運ばれた先で担当医師に一番に言われたこと。
「今度は何食べたの?」と呆れたように言われた一言。
とりあえずまた1週間くらい様子を見ましょうと言われたけれど、積極的に調べてくれない病院にいても時間の無駄だと思い、点滴のおかげで次の日には痛みが引いたので無理やり退院。その後、原因を調べようと、病院を転々とするものの、過敏性腸症候群と新たな病名と薬が増えただけだった。

日に日に体重が減っていく。息切れがする。
それでも、気にしてなかった。なかなか調子悪いのが治らんねぇ。くらいの感覚で、日本人の20%がかかっているという過敏性腸症候群なんだから仕方ないか。そして貧血だから。しっかり休もう。そんな認識だった。

そんな体調悪い私をみて、彼が「夏の間は鹿児島においで」と言ってくれた。
いつから付き合い始めてたのかは定かではないが、7月くらいにふんわりとそんな感じになってた。たぶん。
8月頭に愛犬と共に鹿児島へ移動。(私は福岡在住)

そこから、普通に生活してた。家事をちょこちょこして、疲れたらお昼寝して、近所のスーパーに買い物行って、晩ごはん作ったり、ひたすらのんびり過ごさせてもらった。
なのに、彼の3日間の出張中。出張行くなら友達と飲みに行ってくる!とウキウキと天文館へ出かけ、帰宅後背中に違和感を覚えつつも、気のせい!気のせい!と我慢。
2日目の夜にいよいよ我慢ならなくなって、救急車を呼ぶことも考えたが、家の住所がわからない。朝まで耐えよう。とベッドの上で、ひたすら耐えた。

彼の出張3日目の朝に、「背中痛い」とラインをし電話で話す。すぐ救急車を呼んだ方がいい!と彼の判断で、住所を聞いて救急車を呼ぶ。

救急隊の方が家に来た。「ご主人は?」の質問に「出張中です」と、それだけ何とか答えた結果、それがきっちり伝言ゲームされて、入院した病院では、『内縁の夫』という扱いになってた。

彼が、鹿児島に呼んでくれてなかったら。
運ばれた病院の医師が、5月の福岡の医師みたいに、診断を間違ってたら。

今頃、生きてない。

そう思う。

だからこそ葛藤が湧いた。

付き合って1ヶ月そこそこの彼女が、いきなり緊急搬送されて、人工肛門になって、そして大腸癌ステージ4だと言われたら。

普通、嫌だろ…

私はそう思ってしまった。
どこまで甘えていいんだろう。本当は迷惑してるんじゃないかな。
毎朝、出勤中に電話をくれて、コロナのせいで面会禁止です!と怒られつつも、ほぼ毎日会いに来てくれた。
心の支えだったけれど、それと同時に、忙しい人にここまでさせていいのかとずっと葛藤してた。

病気だから。

その言葉ほど適切な言葉はない。気持ちがネガティブの沼にはまり込むと抜け出せない。いろんなことが怖くなる。
回復してきた今だからこそ、あの頃はなんであんなに悪い方に悪い方にしか考えられなかったんだろう?と思う。気持ちが病んでたんだと思う。

彼には一度、「迷惑かけてごめん」とラインを送ったことがあった。
「アホか!迷惑かけてるって思うといつまで経っても元気にならんぞ!」と。
俺がしっかりサポートする。そこまで言ってくれたのに、ずっと葛藤してた。

今は、「彼の今後の人生に、おそらく私が必要なので生かされたのね」と本気でそう思うくらいに回復できた。本来の性格に戻ってきたぞ。笑

〜東洋医学の神の手との出会いに続く〜