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IMPREZA DREAM(前編)

※画像はトヨタ博物館にて

金沢市の比較的中心部、
犀川大通りを笠舞方面から
片町方面へ向かう途中、
思案橋の交差点を右へ曲がり
交差点の名前を冠するほどの
規模とは思えない橋を渡り
住宅街の立ち並ぶ細い道を
通った先のわたしの母校の高校。



「ゲーセンと、頭文字Dと、わたし」
で前述の通り
紆余曲折があったこともあり、
かつては入学を後悔したことも
あった母校ではあったが、
母校であのクルマに
出会えていなければ
今ほどクルマ好きには
ならなかったと断言出来る。



入学してしばらく経過し
周囲の景色を見渡せる程度に
余裕が出来てきた頃
いつしか門の近くに
止まっているクルマに
目が奪われるようになっていた。



骨太なリアウイングに
ゴールドのホイールの
真っ青なクルマ。
走る為に生まれてきた様な
他を寄せ付けない
圧倒的なオーラを纏った
そのクルマを認識してから
門をくぐる度に、
それを探すようになっていた。



幼い頃にクルマ雑誌や
VHSを見てきたわたしだったが
小学校、中学校と
絵や読書などの趣味に加え
部活にまみれて
すっかりブランクがあいていた為
パッと見ただけでは
車種が判別できず
恐る恐る、クルマのリアに近づいて
車名を見たのを覚えている。



その名は、IMPREZA
-インプレッサ-。



ドドドドドドドド、、、
エンジンがかかると
すぐあのクルマと分かる
独特のサウンド。
青色好きであるが故に
ビジュアルが目を引いたというのは
否めないが
水平対向エンジンが奏でる
重低音にも虜になっていた。



インプレッサと出会ってから
関連雑誌も読み漁った。
現:株式会社SUBARU
旧:富士重工業株式会社の歴史。
航空機・エンジンメーカーの
中島飛行機から始まり、
戦後は軍事産業からの
転換に追われ
会社組織の解体、
六連星のロゴマークは
会社再編で5社がひとつに
なったという意味合いを
持つというエピソードを知った。



祖父が元々航空自衛隊で
働いていた影響もあり、
何度も戦闘機を
見に行っていたにも関わらず、
繋がりを理解していなかった
自分がショックだった。
まさか形を変えて、
自家用車として
身近なところで走っているとは…。



まるで隕石によって絶滅したと
言われていた恐竜が
近年の研究によって
鳥に進化したらしい、という
事実を知った時のような
興奮を覚えた。



いつか絶対に、
インプレッサに乗りたい。
そう心に決めた。



それから時は流れ、2014年。



26歳になったわたしに
そのチャンスが巡ってくることとなった。

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