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【シェフの独り言】在庫の話

一昨年に国民全員に配られたマスク。いろんな経緯はあるのでしょうか
その在庫が大量に倉庫にそのままに。その管理が問題になっているようです

保存すると年間8億
希望者に無償で配ると送料10億
捨てると6000千万


こんな数字がとある記事に出ておりました

結果だけ見ます
廃棄こそが一番リスクが少ないのです

もちろんベストは無駄のない発注と配布でした
ただこの場合足りないとか不良品の交換などのことを考慮すると
多めに作り一旦倉庫にストックは手段としては常套でしょう

自分が企業で料理長だった時
なぜか問題のあるお店ばかりに転勤させられました
(理由は以前書きましたことで)
売上の落ち込んでる店舗。問題のある店舗。お客さまから評判の悪い店舗
ばかり回されておりましたが
今思うと大変勉強になりました
所謂”ダメなお店”
いくつかの共通点の一つが過剰在庫を抱えてるということです
適正な発注ができない。売切れで怒られるのが嫌だから過剰に在庫と過剰な仕込み
結果鮮度の落ちた商品や劣化した商品を提供し満足度が下がり
来客が減る(売上ダウンの利益ダウン)

この時の

決断が大事なのです


どの段階でこの商品の鮮度が
即ち商品価値が落ちるのかを見極めなければいけない
この時に綺麗事ではなく
廃棄の決断をできるかどうかが
料理長の大事な仕事なのです

例えば何かのエラーで
通常の倍の食材が届いてしまった
冷凍できるものか?
仮に冷凍できるものだとしても
その商品はベストの状態で提供できるのか?

一度傷んだ商品を戻すことは絶対に出来ないのです
それを隠すためにコストをかけるのは
自分は賛成できません
手間と時間とお金をかけて
無題にしなかったという実績作りのためだけに行う行為は
実は大きなロス(損益)を出してるということになるのです

捨てるくらいならタダで配ればいいのじゃない?

実はタダで配る方がリスクも経費も大きいのです
一度タダで配ると2度と定価で売ってもおなじ満足度は作れないのです
そして配るにも人件費や経費は同じように
いや時にはそれ以上にかかるものなのです

勿体無いの気持ちはとても大切です
しかしそれが時折刃物になるのです

自分は迷わず廃棄を選択します

そして廃棄したことを大いに反省し
今後無駄を出さないようにするための
努力と工夫をいたします



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