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フリッツ・クライスラーとランドン・ロナルド卿が演奏したメンデルスゾーンのホ短調協奏曲

https://youtu.be/d-4eVyogIms?si=oFtOieHa7nYFKvom
フリッツ・クライスラーとランドン・ロナルド卿
指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏したメンデルスゾーンのホ短調協奏曲をSPレコードで再生した。
クライスラーは、同曲を電気録音黎明期にレオ・ブレッヒ指揮のベルリン国立歌劇場管弦楽団とも録音していた。

1935年に行われたロナルド卿との2度目の同曲録音は、クライスラーの独奏ヴァイオリンがオーケストラの音に溶け込み、決して際立つことはしない。
しかし、クライスラー独奏ヴァイオリンの特に低域音の太く得も言われぬ深遠な響きは、さすが王者の風格であると思う。

全体的に演奏は、この曲の情熱的な悲壮感や厳しさは影を潜め、寂寥感と懐かしさに満ちており、優しく柔らかい謡いまわしとなっている。

管弦楽のそれぞれの楽器が奏でるカラフルな聲と重厚さは、これまでの復刻盤で味わえなかった愉しみをもたらしてくれる。老練なロナルド卿。

SPレコードの録音はやはりSPレコードで聴かなければその素晴らしさは十二分に伝わらないと思う。

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