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【航空管制官】希望の勤務地で働く方法3選
はじめに
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こんにちは。
今回は「希望の勤務地で働く方法」について解説します。
本記事を執筆しようと決めたきっかけは、X(旧Twitter)で以下のツイートに、ある程度反響があったからです。
【希望の勤務地で働く方法】
— 元航空管制官が試験対策講義作ってみた (@atc_x_exam) August 12, 2023
8ヶ月間の長そうで実は短い研修が終了する前に
配属希望調査表なるものが配られます
ここに自分の配属希望地を第3希望まで記入できます
ただ誰もが自分の希望するところにいけるわけではありません
ここで重要になるのが研修中の各科目の順位です… pic.twitter.com/dvnO9pB4mN
おそらく、管制官採用試験を現在進行形で受験されている方の反響が大きいかと推察します。
「採用試験には受かったけど、希望と違う勤務地で働くのは嫌だな、、、」
皆さんのそんな不安を解消するべく本記事の執筆を決めました。
勤務地を吟味することの重要性
本題に入る前に「勤務地を吟味することの重要性」について書いておきます。
これを疎かにすると現場で実際に働きだしてからミスマッチに気付き、後悔することになるからです。
過去の私は
「保安大に入ったは良いけど、勤務地はどこにしよかな?
どこが自分に良いかわからんから、とりまイメージでパパッと決めよ。」
結局こんな感じであまり深く考えずに初任地を決めました。
私は初任地に福岡の官署を選びましたが、当時の判断材料としては
・家賃が安い
・ご飯が美味しい
・綺麗な女性が多い
・若者が多く活気がある
・空港が街から近くて便利
・福岡の人はノリが良さそう
こんなアバウトな予測で初任地を決めました。
たまたま上記のアバウトな予測は全て的中し、個人的に福岡が大好きになったので良かったのですが、この予測を間違うとミスマッチを引き起こします。
そもそもこの選び方には致命的な欠点があります。
それは
官署に関係のない「外部環境」だけで決めている
ということです。
福岡は確かに良い街ですが、官署で働いたときに自分が働き方に満足できるか?の判断材料にはなっていません。
判断するときに重要なのはその官署の「内部環境」の方です。
具体的には
・人間関係
・業務内容
・お給料
この3点の内部環境に着目することでミスマッチを極限まで減らせます。
私は特にお給料について調べなかったことを今でも後悔しています。
3点の内部環境について少し深掘りします。
最初の人間関係については結論ガチャです。
モンスターみたいなヤバい人達が跳梁跋扈する官署もあれば、訓練から何から優しく丁寧に指導してくれる神様のような人が多い官署もあります。
官署の人間関係に関しては、過去にその官署に在籍していた保安大の教官方に飲み会等の席で聞いてみると良いです。
次に業務内容に関してですが、これは簡単です。
保安大の研修をこなしていくうちにタワー・ターミナルレーダー・エンルートのうちどれが一番自分に向いているかを判断すれば良いだけです。
タワー・ターミナルレーダーが得意→空港勤務
エンルートが得意→ACC勤務
このような感じで決めればOKです。
最後にお給料に関してです。
航空管制官になるメリットとして、国家公務員としての安定したお給料があります。
なので皆さんが特に興味をもたれる部分かと思いますが、保安大では各官署のお給料について全くと言ってよいほど詳細が開示されません。
そのためお給料面の情報を度外視して、希望勤務地を選ばざるを得ないのが現状です。
このパターンで実際、私は配属後に
「え!?〇〇空港勤務の同期よりこんなに手取り少ないの?」
と給料面でのミスマッチを感じてしまいました。
しかしながら、今は心配ご無用です。
実は官署ごとの給料の計算はある程度できてしまうんです。
問題はそれを知らなかっただけなんです。
この給料の計算方法に関しては、希望官署の提出前に知っておけば良かったと非常に後悔してます。
各官署のお給料がある程度把握できれば、配属後の不満はなくなります。
管制官のお給料の計算方法を簡単に紹介すると
俸給月額 + 各種手当 = お給料
ざっくりこんな感じで計算されます。
この中で特に各種手当の部分は、官署によって相当ばらつきがあるのでここを数字で割り出すことができれば、官署ごとのお給料も見えてきます。
官署によっては貰えるお給料が100万円以上違うこともあるので、ある程度のお給料を望むなら各種手当の項目は要チェックです。
【地域手当のお話💰】
— 元航空管制官が試験対策講義作ってみた (@atc_x_exam) July 1, 2023
結論 : 羽田は給料良い
管制官のお給料の明細には「地域手当」という項目があります
勤務地によって手当の多寡が変わります
羽田の同期は自分より100万ほど多い給料をもらってました(地域手当20%)
管制官として稼ぎたい人は羽田に行きましょう
※羽田は訓練鬼厳しいです
各種手当の説明をすると長くなるので本記事では割愛させていただきますが、この「手当」について興味のある方は下記リンクの記事をどうぞ。
とりあえずお伝えしたかったことは、希望官署を選ぶ時にその官署で貰えるお給料を調べることは重要だということです。
そして希望官署の外部環境だけでなく内部環境(人間関係・業務内容・お給料)についても着目すべき、ということがご理解いただけたかと思います。
希望の勤務地で働く方法3選
勤務地を吟味することの重要性をご理解いただいたところで、本題の「希望の勤務地で働く方法」について紹介します。
大きく分けて以下の3つです。
①保安大で好成績を修める
②ソフトスキルをアピールする
③転勤含みで考える
各々解説していきます。
①保安大で好成績を修める
まずは保安大の研修中に好成績を修めることです。
保安大を卒業する前に「配属希望地の調査票」なるものが配られます。
そこに第三希望まで希望官署を記入することができます。
特定のある官署に希望者が殺到した場合、配属を決定する要因の一つに成績の良し悪しが入ってきます。
例えば、福岡空港を希望する人が4人いて、福岡空港の募集人数が3人だった場合、タワーとターミナルレーダーの成績が良い人から選ばれていくでしょう。
私の保安大の同期も、成績が良かった人はもれなく希望官署に配属決定していきました。
希望官署がバッティングした時に、成績優秀者の方が優先されるということです。
ただ、全ての技能で好成績を残す必要はありません。
例えばタワー官署に行きたい人がエンルートで好成績を残しても少しピンボケ感があります。
タワー官署に行きたいのなら、タワーで好成績を残すように努力しましょう。
②ソフトスキルをアピールする
結論、ソフトスキルをアピールできれば希望官署に通る例があります。
ここでいうソフトスキルとはコミュ力とメンタル力です。
私がこういうのも、ターミナルレーダーの技術は普通クラスなのにもかかわらず初任地に羽田レーダーに赴任できた同期がいたからです。
羽田レーダーに配属されるには前提条件としてターミナルレーダーの成績が優秀でないといけません。
それなのにその同期は明らかにコミュ力とメンタル力だけで赴任が決定してしまいました。
おそらく、羽田の厳しい訓練に耐えられる精神力と現場の訓練監督者と上手いことやってけるコミュ力を買われたのでしょう。
このように成績が優秀でなくとも希望官署に通る道は残されています。
自分が管制の技術に乏しいなと感じるなら、コミュ力&メンタル力枠を狙ってみるのもありです。
③転勤含みで考える
長期的な試みなのですが、初任地は妥協して赴任し、その初任地から本命の官署に転勤するというやり方です。
これは転勤頼みなので、初任地で3~5年ほど我慢しなければなりません。
官署によっては3~5年で済まない場合もあるので、少し博打寄りの戦略です。
ただこれも私の同期の話ですが、
地方官署を3年経験→羽田に転勤
という同期もいたので、短期でフルレーティッドになれる官署を初任地として選び、転勤で希望官署を狙うやり方もなくはないです。
この方法は上記①②が使えない場合に切り札として使うと良いかもしれません。
希望の勤務地で働けないパターン
最後に希望の勤務地で働けないパターンを紹介します。
これは官署からの募集人数が0人の場合です。
例えば仙台空港を希望する人が1人だったとしたら、バッティングすることもないため確実に希望が通るかと思ってしまいがちですが、仙台空港側からの募集人数が0だと残念ながらこの希望は通りません。
保安大を卒業する年によっては、全くタワー官署からの募集が無い時期とかぶってしまい、レーダー官署もしくはACC官署にしか行けない等の制限を受ける場合もあります。
ここも運要素が強いので仕方ないとしか言えないのですが、そういう事情もあってか、第3希望まで選べる仕様になっているのかもしれませんね。
なので希望は第3希望までしっかり吟味して記入することをお勧めします。
(過去の私みたいにならないように)
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