4/27 2020年2月の死亡数を過去3年と比較すると?
大野 智 (Satoshi Ohno)先生から教えて頂いた人口動態統計速報 (4/24公表)。
およそ2ヶ月遅れで出る統計で、その月の出生・死亡・婚姻・離婚数などが都道府県別に分かる。ただし、死因などの細かなデータはない。死因 (例えばウイルス性肺炎・誤嚥性肺炎など)がわかる人口動態統計月報(概数)は、通常5ヶ月遅れなので、2月のデータが出るのは7月となる。現状の最新は昨年11月。
速報値をつかって、2017-2020年の「2月の死亡者数」を比較してみた。もちろん2月のデータなので、Covid-19の影響はそもそも限定的になる。
そのまま全数で比較すると、日本の全人口そのものが徐々に減少しているので、少し問題が生じる。そのため、前年10月の人口で割り算して、人口1,000人あたりの死亡者数 (粗死亡率)を算出した。(人口減の影響はそれほど大きくないので、全数で比較しても大きな差は生じない)
少なくとも2月のデータを見る限りは、総死亡に関して過年度からの増加は見られない。(4年間のデータのうち2020年が最多だったのは、群馬・長崎・沖縄のみ)
本来は人口の減少でなく、高齢化の進行なども考慮する必要がある。ただし、高齢化の影響を入れて計算(年齢調整死亡率)した場合、
・高齢者の割合は、2020>2019>2018>2017
・高齢者のほうが若年者よりも多く死亡する
ことから、年齢調整をかけると2020年の死亡率はさらに小さくなる。
現時点のデータでは、「2020年2月の総死亡数は過年度より増加はしていない」と言えそうである。3月のデータは、5月末に出る予定。
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