第七話 組織の強化と警察との絡み

警察との繋がりが出来た事によって 我々は怖いもの無しになった 新しく入って来たスカウトには 警察にパクられないスカウト会社はうちだけだから安心してガンガンやれよ! そう言ってハッパをかけた 人数が増えるとともに細かいトラブルも増えていった 

中でも多かったのが スカウトバックのごまかしだ 本当は女の子が100万稼いでいたとしても70万の明細を出してきたり 1人分ならまだしま全体的にごまかしている業者もあった  基本スカウトはそういった不正を防ぐ為に紹介した女の子にちょいちょい稼ぎを聞いたりする そこで明細と大きな差があったら 他のスカウトにも紹介した子の稼ぎを聞くようにさせ どのくらい不正しているのかあたりをつける 悪質な業者には問答無用で詰めに行った 女の子の全引き上げか 損害金の支払いを迫る  大抵はごまかしを認めて損害金を払ってくる 女の子を引き上げられたら商売にならないからだ  電話に出ない業者には1日30回でも電話する  1度だけ逆ギレされた事もあった 何度電話しても出ないので 店(そこは店舗ヘルスだった)まで行って 店長に「オーナー電話繋がらないんですけどスカウトバックの方どうなります?」するとだいたいの店長は言ってくる「私も繋がらないんです お金もオーナーから貰わないと払えません」と  そー言われてしまうと権限の薄い店長にあまりキツくあたってもしょうがない とにかくオーナーに連絡するよう釘を刺して帰る   ある日「おーてめー  店まで行ったらしいじゃねーか どーゆーつもりだコラ」オーナーから電話がかかってきた 「何度電話しても出ないし そりゃ心配なって店やってるのか見に行きますよ 普通じゃないですか?」 「なんだと生意気言いやがって さらうぞコノヤロー」 物凄い逆ギレである  「いや そういう事じゃなくて スカウトバックの支払いはどうなりますか?」  「払わねーなんて言ってねーだろ  ちょっと電話出れなかっただけで店まで行きやがってよー」 こんな感じである こんなオーナーのところは遠からず 契約解消になるのがパターンだ  こういった輩も相手にするので 集金役の幹部は知らないうちに目が釣り上がっていく 俺もある日ふと鏡を見たとき こんなにキツイ目してたっけ? と不安になった事もある  後は良くあるトラブルと言えば 若いスカウトが目先の欲に目が眩んで  契約店の女の子を無理に辞めさせ 他の契約店に連れて行ってしまうことだ  絶対やらないようにと言っても 人数が増えると どうしても出てくる  謝罪で済めば良いが 最悪スカウトバックを止められてしまう時もある 10割こちらが悪いので 若いスカウトを相手方の事務所まで連れて行き一緒に謝りながら 若いやつにヤキを入れる  そーすると業者もびっくりして まーまー落ち着きましょうとなる  半分役者なんだが中途半端だと見透かされるので結構本気でヤキをいれる  そうして頭を下げてもキツい業者は 女の子5人無料で紹介する事 など条件を付けてくる  現金を持って来いということはほとんど無い  恐らくそれをしてしまうと我々との関係が終わってしまうと感じたからだろう  ペナルティーは与えても  関係は切りたくないというのが 業者の本音なのだろう  

一番アタマを下げに行ったのはおそらく社長じゃないかな  そんな社長なんだが ある時急にに辞めたいと言ってきた  幹部会での発言だったのだが 皆びっくりしていた  理由を聞くと 少し疲れた ゆっくりしたいという事だった 確かに社長は19からスカウトを初めて 社長として人をまとめ  業者に頭を下げて ヤクザの相手もして すこし疲れたのだろう  しばらく働かなくて良い金も持っていただろうし気持ちは分からなくもなかった  この辺から俺の人生も激動していくのだが     また次回(-.-;)y-

マブイ 😎