香水で森を作りたい
香水が好きだ。
服装でいろいろ取っ替え引っ換え着ていると、あいつ毎日気合入ってるよ〜みたいに、大して近くもない距離感の他人からも叩かれたりするけれど、香水ならあまりバレずにおしゃれができると思う。
毎朝どの匂いにするか選ぶのも自分だけが知っている楽しみのようで、出先でもたまに香るその匂いにうっとりできる。
いつかどこぞで読んだ「パリジェンヌは毎朝必ず香水をふる」というコラムに影響され、最近は夜寝る前にハンカチにふって、翌日着る服と一緒に置いている。
今回は私の大好きなシダーウッド系の匂いの香水を3点紹介したい。
タムダオ(ディプティック)
ウッディ系の香りで最も好きなのがこのタムダオだ。界隈ではおそらくかなり有名な香水だと思う。
インドシナの森、お寺をイメージした香りとのことで、確かにちょっと懐かしいような匂いがする。
サンダルウッドの神聖な匂いと、ムスクのこもった動物的な甘い匂いが馴染んで、神秘的なのにほっとするような、そんな矛盾した不思議なイメージを作り出せる。
基本的にウッディ系は輪郭がきつめな感じがするが、これはあまりドライなきりっとした感じではなく、ミルキーでまろやかなのが特長だ。個人的には、ちょっといい古本みたいな匂いもする気がする。
ユニセックスで使えるので、媚びた感じはない。
しっかり締まりながらも優しい印象を与えられるので、仕事にも使えるし、お休みの日にはこれをふっておしゃれな本屋さんに出かけたりしたい。
ル ロン フォン植物公園(メゾンルイマリー)
植物公園という名前なだけあり、本当にリアルな木や葉、茎の青くさい(褒めてる)匂いがする。
香水メゾンのなかでも、植物学の父と呼ばれたルイ・マリーの子孫が立ち上げたという異色のストーリー性もあり、確かに演出のための香りというよりは本当にリアルな実物を再現したという感じの、シンプルな香水だ。
ニュウマンによく行く私はノーズショップが大好きなのだが、店頭にはこのメゾンルイマリーの香水が多く並んでいる。
パッケージに惹かれていろいろ試していたら、店員さんにおすすめされたのがこの植物公園の香りだった。
コロナ禍で外出できない時も、この新緑のような匂いをかいで、メンタルもよく助けられたものだ。
部屋でふったり、寝香水として使ったりするのもおすすめだ。
ラジオボンベイ(ディー.エスダーガ)
ラジオ菅の銅線の匂い、という全く想像もつかない説明でずっと気になっていたもの。
私の好きな女優 エマ・マッキーが愛用しているとVOGUEのインタビューで話しており、真似したくなった。
ノーズショップで最近試したら、確かにちょっと金属のようなツンとしたカッパーの匂いと、ボンベイを彷彿とさせる暑いムッとしたラディアンウッドの香り。
ラストノートに進むにつれて、ココナッツなどのかわいらしい匂いへ変化していく。
旅行や遠出をする時、ちょっといつもと違う気分になりたい時に使うのにも合いそうだ。
これだけはまだ手元に持っていないので、いつか手に入れたい。
同じシダーウッドでも、これだけのバリエーションがあるのだから香水は面白い。
他の香水と重ねたりすることも楽しみ方のひとつだというので、ぜひ挑戦してみたい。
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