見出し画像

【コント】ナポレオン

【ナポレオン・ボナパルト】
18世紀から19世紀にかけて活躍したフランスの皇帝。
3時間しか眠らなかったという逸話を持つ。


ランヌ
(仕事をしている)

ナポレオン
「(ソファに寝っ転がりながら、わざと周囲に聞こえる声で)うわー。寝てないわー。」

ランヌ
「ふぅ・・・。(気にせず仕事を続けている)」

ナポレオン
「わー。全然寝てないわー。
 昨日、遅くまで起きてたわー。」

ランヌ
「んー・・・。(気にせず仕事を続けている)」

ナポレオン
「寝たの午前2時だもん。
 そりゃ寝てないわー。」

ランヌ
「えーと・・・。(気にせず仕事を続けている)」

ナポレオン
「寝てな・・・かまえよー!」

ランヌ
「なんですか、うるさいなー。」

ナポレオン
「(自分を指差し)俺、昨日、午前2時まで起きてたの。」

ランヌ
「そうですか。(仕事に戻る)」

ナポレオン
「・・・。」

ランヌ
「・・・。(仕事を続けている。)」


ナポレオン
「・・・だから、早いよ!
 興味がなくなるのが!」

ランヌ
「いつも聞いてますもん。
 ナポレオンさんの睡眠時間の話。」

ナポレオン
「でも、いつもは午前1時だろ?
 今回は午前2時まで起きてた!」

ランヌ
「そうですか。(仕事に戻る)」

ナポレオン
「・・・。」

ランヌ
「・・・。(仕事を続けている。)」

ナポレオン
「・・・うん。だから、早いよ!
 興味が失せるのが!」

ランヌ
「どうすればいいんですか?」

ナポレオン
「いろいろ聞いてよ!
 午前2時まで起きてた男に!
 質問攻めしてよ!」

ランヌ
「じゃあ・・・、午前2時まで何をしていたんですか?」

ナポレオン
「スマホゲー。」

ランヌ
「ふーん・・・。(仕事に戻る)」

ナポレオン
「・・・。」

ランヌ
「・・・。(仕事を続けている。)」

ナポレオン
「・・・いや、終わるなよ!
 たった一問の質問攻めってあるかよ!」

ランヌ
「質問攻めに値しないと判断したんですよ。」

ナポレオン
「あー、眠いわー。
 コーヒー飲もうかな。」

ランヌ
「(仕事をしながら)ご自由に。」

ナポレオン
「(内線電話をかける)あー、もしもし。
 午前2時まで起きてたナポレオンですけど。
 執務室にコーヒー1つ。ブラックで。はいー。」

ランヌ
「(仕事をしながら)ナポレオンさん、コーヒー飲めたんでしたっけ?」

ナポレオン
「バカにするなよ!
 コーヒーくらい飲めるよ。」

ランヌ
「(仕事をしながら)ならいいですけど。」

ノック音
「トントン。」

ナポレオン
「はーい。空いてるよー。」

メイド
「(部屋に入ってくる)コーヒーお持ちしました。」

ナポレオン
「(メイドに)昨日、俺、午前2時まで起きてたの。
 午前2時まで。」

メイド
「一応、ミルクとガムシロ置いておきます。
 苦ければどうぞ。」

ナポレオン
「ありがとね、午前2時。」

メイド
「失礼します。(部屋を出て行く)」

ランヌ
「(仕事をしながら)・・・気持ちいいくらいに無視されてましたね。」

ナポレオン
「さてと、コーヒー飲むか。
 眠いから。」

ランヌ
「(仕事をしながら)ご自由にどうぞ。」

ナポレオン
「(コーヒーを口に入れた途端)むっ・・・!!」

ランヌ
「どうしました?」

ナポレオン
「な・・・なんでもない。」

ランヌ
「苦いんじゃないですか?」

ナポレオン
「苦くない!
 あまりに芳醇で、どこの豆使ってるのか気になっただけ!」

ランヌ
「じゃあ、もう一口どうぞ。」

ナポレオン
「飲むよ!」

ランヌ
「飲んでください。」

ナポレオン
「飲むよ!」

ランヌ
「早く飲んでください。」

ナポレオン
「見んなよ!こっち!!」

ランヌ
「何、ガムシロ入れようとしてるんですか?」

ナポレオン
「うるさい!
 じゃあ、ランヌ飲めるのかよ!」

ランヌ
「ちょっと眠気が来てたんで、いただきます。」

ナポレオン
「どうぞ。」

ランヌ
(コーヒーを飲む)

ナポレオン
「どう?苦いでしょ?
 飲めたもんじゃないでしょ?」

ランヌ
「あー、目が冴えるなー。」

ナポレオン
「なっ・・・!
 コ、コーヒー飲めたからって偉くもなんともないからな!
 皇帝の座は譲らないからな!」

ランヌ
「わたし、別に皇帝になりたくて、今、コーヒーを飲んだわけじゃないですから。」

ナポレオン
「もういい!ツイッターやる!ツイッター!」

ランヌ
「(仕事を再開して)お好きにどうぞ。」

ナポレオン
「何つぶやこうかなー。」

ランヌ
(仕事をしている)

ナポレオン
「あ、あれでいいや。あのことつぶやこう。」

ランヌ
(仕事をしている)

ナポレオン
「(スマホをいじりながら)これで・・・ツイート、と!」

ランヌ
(仕事をしている)

ナポレオン
「ツイートしたから!見て!」

ランヌ
「いいですよ。あとで見ますから。」

ナポレオン
「今見てよー!」

ランヌ
「は?」

ナポレオン
「つぶやいたから!見て!今、見て!」

ランヌ
「わかりましたよ。(スマホを見る)」

------------------------------------------
ナポレオン @hontoni_netenai
昨日は午前2時まで起きてたわー。
眠たいわー。
------------------------------------------

ランヌ
(仕事を再開する)

ナポレオン
「ちょっと!リツイート!!」

ランヌ
「しませんよ。
 何つぶやいたのかと思ったら、案の定じゃないですか。」

ナポレオン
「人の午前2時を『案の定』って表現するな!」

ランヌ
「今、仕事で忙しいんですから、寝てない自慢はよそでやってください。」

ナポレオン
「よそでやってたら、ここでやれって言われたんだよ!」

ランヌ
「たらい回しにされてるんですね。」

ナポレオン
「そういうランヌは何やってるの?」

ランヌ
「明日の戦いの作戦を。」

ナポレオン
「作戦?
 作戦なら、昨日、私からみんなに言ったじゃん。」

ランヌ
「『ガンガンいこうぜ』?」

ナポレオン
「『ガンガンいこうぜ』!」

ランヌ
「『ガンガンいこうぜ』をもうちょっと具体的な形に落とし込んでるんですよ。」

ナポレオン
「そうなんだ。大変そうだね。」

ランヌ
「昨日も午前3時までかかって、今日もそれくらいまでかかるかなぁと。」

ナポレオン
「え、何?
 昨日、午前3時まで起きてたの?」

ランヌ
「え、あ、まぁ、はい。」

ナポレオン
「ちょっと何午前3時まで起きてんだよ!
 俺の午前2時が霞むじゃん!」

ランヌ
「だから、リアクションが薄かったんですけど・・・。」

ナポレオン
「あー!もういい!
 今日は午前4時まで起きる!」

ランヌ
「いいですよ。寝てください。」

ナポレオン
「もし眠りそうになったら、頭にナタを振り下ろしていいから。」

ランヌ
「大丈夫ですか?
 加害者と被害者になりますけど。」

ナポレオン
「とにかく!
 今日はランヌが寝るまで寝ない!決めた!」

ランヌ
「でも、明日はスペインとの戦争がありますよ。
 寝てください。」

ナポレオン
「わかったよ。
 (時計を見て)わ、もう午前2時半じゃん!」

ランヌ
「はい。寝てください。」

ナポレオン
「おやすみ。」

ランヌ
「おやすみなさい。」

ナポレオン
「11時になったら起こして。」

ランヌ
「がっつり寝る気じゃないですか!!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?