見出し画像

第十九話 リカバリー

2日間、執筆のお休みをいただいた。今後も、ゆっくりやっていく予定だが、まあ、三十話くらいではやめたいと思っている(笑)
今回はサガワン視点でお送りする。前回の最後で、私は酔ってしまい、座り込んでしまった。

疲れと回復

私は他のFlowerの人たちと同じように花の香に酔ってしまった。歩き通しだったこともあって、疲れもあったものと思う。おまけに元々は、アルコールに弱い体でもあったから、酔ってしまったのだろう。そして、そのおかげで、座り込む羽目になり、剣が大地から抜けなくなってしまった。

「もう、仕方ないから少し休みましょう。どうせ、剣は抜けないんだから」

とこひなたん。そう、仕方ないのだ。私にもどうにもできない。この酔った体を今は動かすことすらできないのである。

気づくと、私は剣に寄りかかって眠り込んでいたようだ。それでも剣は微動をだにしない。なぜか、しっかりと大地に根を張っているようだ。そして、私の体には傷一つつけない、不思議な剣だ。眠ったことで、少し疲れは回復したように思うが、花の香は続いていて、頭はぐるぐると回ったままである。メリーゴーランドのように。

酔わない長老

周りを見渡すと、ほとんどの人が酔って騒いでいる。しかし、一人だけある老人は酔っていないように見える。さっきまでは、まあ、老人だから元気がないのかもと思っていたが、そんなこともない。笑って話はしているのだ。だが、酔ってない。だいぶ遠くだから、なかなか気づかなかったけど、何かのヒントになるかも知れないと思い、老人を指さしてこひなたんを呼んだ。

「確かにあのご老人は酔って無さそうね。ちょっと聞いてくるわ」

といって老人に近づいていった。なんだか、こひなたんはにこやかに老人と二言、三言話したと思ったら、もう帰ってきた。

「なぜ酔わないのか聞いたら、簡単なことだったわ。要は匂いをかがなければいいのよ」
「え!だって呼吸しないわけにはいかないでしょ。あの老人、何か特別な能力があるの?」
「無い無い。マスクよ。あの老人はここの長老で、マスクをしてるのよ。遠くて見にくかったかもしれないけど」
「そうなのか。じゃあ、私もそうすればいいのかって、マスクなんて持ってない」
「私、新しいの持ってるから上げるわよ」

なんでマスクなんて持ってるんだ?って疑問はあるが、まあ、もらっておこう。
マスクをつけてみると、少しずつ頭がスッキリしてきた。良かった。だが、まだ、体は動かない。相当疲れているのだろう。

再出発

マスクを付けて3時間経った。だいぶ楽になってきた。ゆっくりと立つと、頭のフラフラもなくなっていることに気づく。マスクのおかげか。
「あ、抜けた!」
「何を、乳歯が抜けたみたいに言ってるのよ」
「ほら、剣」
「あ、確かに」
どうもこの聖剣 邪破乱打は私の体調などに大きな影響を受けるようだ。ということは、疲れは禁物ということになる。
こひなたんがいう。
「あなたと同体なのね、この剣」
「うん、気をつけなくちゃ」
私達はFlowerの人々に別れを告げ、再び、東へ向かった。

続き 第二十話 賢者ダイ&錬金術師ゴウ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?