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スマホが使えない親と、LINEビデオ通話でオンライン帰省(リモート帰省)するまで。

このページは、遠方に住むほとんどスマホが使えない親に、どうにかこうにかLINEビデオ通話をするところまでこぎつけた記録です。

私の親は・・・
・ガラケーの電話機能しか使えず、手帳タイプのアドレス帳を見ながら電話番号を押して電話をかける。
・ガラケーでもメールやSMS、カメラ等の機能は全く使えない。
・親の周囲でスマホを使っている知人がほとんどいないため、親自身もすすんで使いたいとは思っていない。 ・・・という状況でした。

なぜ親とLINEでビデオ通話な

理由①親の住む実家に、固定のインターネット回線が無いから。
理由②先々、もし親が介護施設などに入った場合、自宅の固定回線よりもLINEでビデオ通話出来たほうが何かと有用性が高いのではないかと思うから。
理由③情報をやりとりする方法として他にFAXなども考えられたが「今さらFAXもなぁ~」と思うから。

そうしてもう一つ、私が年に一、二度しか帰省せず、しかもほぼ一泊しかしないため充分な時間をとって親にスマホをレクチャーすることが出来ないという理由もあります(←これが最大の問題)。過去にもしっかり教えたつもりで実家にスマホを預けてきても、翌日にはだんだん操作を忘れ、興味も薄れ、結局本体を私宛に送り返すということが2回ほどありました。

携帯キャリアの話

以前は au の家族割に入っていたため親との通話は無料でしたが、諸般の事情により格安スマホに乗り換えることになり、数ある中からLINEモバイルを選択することにしました。理由は、LINEでんわ、LINEビデオ通話など、LINEアプリ内で使用されるデータ使用料が無料となるためです。

親のためのスマホを用意

・念のため防水のSIMフリーAndroidスマホを用意。(シャープのSH-M05という機種。2020年時点で、もう古い機種です。)
・充電は、表裏どちらから挿してもOKなUSB-TypeCの充電ケーブルを備えたもので。
・落としてしまうことを考えて、耐衝撃の液晶保護ガラスを貼る。
・タッチペンを用意(年配の方は指の皮が厚くなり、タッチが上手くできないそうなので...。)

スマホの全般的な設定やその他...

・『カンタン!アプリ(ホームアプリ)by TRAD Inc.』というホームアプリに変更。(見た目が、カンタンそうな印象に変わるので。1週間は無料お試し、¥480で永久使用可能。年配の方向けの対策と考えれば安いもの。)

・ホームボタンを長押しすると起動してしまう”Googleアシスタント”が、タッチに不慣れな親には混乱の元なので、起動しないように設定変更。("Googleアシスタント 停止"等で検索して、対処した。)

・スマホに届く様々な『通知』は混乱の元なので、あらゆるアプリの『通知』を表示させないようにオフにする。

・お手製の取扱説明書を作って渡す。(少なくとも、電源の入切と充電のやり方さえ分かればと割り切って、そこを詳しく書いてます。そして説明する際に自分でもわかるように、この取説全てを写真にとり、自分のスマホに入れてます。)

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自動化に1年悩む...

電源さえ入れてくれれば、あとはかかってきたLINEでんわ/LINEビデオ通話を自動的に受話出来ればよいのではないか?と考えたものの、なかなか簡単にはいきませんでした。『Android 自動化』といったキーワードでネットを検索するも、解決策が見つからない~。
調べたツール類・・・『tasker』『FRep』『オートクリッカー』等々...

コロナ禍で本腰をあげ、ようやく実現方法を見つける。MacroDroidだ!!

そうこうするうちに月日は流れ・・・
新型コロナウイルスの影響で帰省が出来なくなり、これはいよいよオンライン帰省を実現するべき時だ!と思って、ようやく目的にたどりつけそうなアプリを見つけました。それがMacroDroidという自動化アプリです。自動化アプリにはいくつも種類があり、ルート化という特殊な作業が必要なものや、USBケーブルでパソコンとスマホを繋いで難しい設定をしないと使えないようなものもあります。ですがMacroDroidでは、標準の機能だけで今回のやりたいことが実現出来たのです。

そもそも自動化アプリって何?

という方にざっくり説明をしますと、自動化アプリとはシステムに常駐し(常に起動している状態)、「何かが発生した時に、何かの処理をする」というものです。今回のケースで言えば「スマホの待機中にLINEでんわ/ビデオ通話がかかってきたら、緑の受話器マークをスワイプさせて、LINEでんわ/ビデオ通話にでる」というだけのことです。(そんな簡単なことでも、スマホに不慣れな人には出来なかったりするのです!)

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本題! MacroDroidの設定を解説

MacroDroidの詳細は、検索するとたくさん出てくるのですが、私が参考にしたのは、このページの『マクロ作成』という項目から下の部分です。

内容をざっくり説明すると・・・
①Playストアから『MacroDroid』を検索してインストールし、起動する。
②『マクロを追加』をタップ→『トリガー』→『アプリを起動時』→"LINEアプリ"を指定。
③『アクション』→『待機3秒(呼び出し音の待ち時間)』→『UI画面操作(ジェスチャ)→(開始座標)317,1440→(終了座標)713,1440』
・・・たったこれだけでかかってきたLINE画面上にある緑の丸い受話器マークを自動的に中央方向へスワイプすることが出来ます。

※開始座標・終了座標について・・・
うちの親のスマホの場合、画面サイズ(画素数)が横1080ピクセルx縦1920ピクセルというもので、この場合の座標は、左上隅がX,Y=0,0で右下隅がX,Y=1080,1920になります。このサイズや座標を調べる作業が結構面倒で、実際はスマホ画面のスクリーンキャプチャをとったものをPCに転送し、グラフィックのソフト等を使って調べたりしました。(※同じ画面サイズのスマホであれば上記の数値でいけると思います。)

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LINEでんわを受けるときは?

ちなみにLINEビデオ通話ではなくLINEでんわを受けるときは、座標が少し変わります。ジェスチャの設定は、(開始座標)273,1600→(終了座標)680,1600です。(※といっても、これらの座標は、画面サイズによっても変わりますし、LINEアプリのバージョンによっても変わる可能性があります。)

テストしてみる!

MacroDroidの設定が親に出来るわけでもないので、すべての設定を仕込んで、実際に試してみます!(呼び出し音や、受話音量などは最大ボリュームにして)自分のスマホから親のスマホへLINEでんわ/ビデオ通話をかけて、親のスマホ側で自動で受話出来ればOKです!(通話を切る時は、こっちから切ってあげる想定です)
何度かテストして成功したら、親に渡しますよ!

注意点

MacroDroidのおかげで、LINEアプリの緑の受話器マークが触れずともヌルっと自動的に動くのですが、スマホの電源投入直後は、まれに自動的に取れない(受話出来ない)ことがあり、こちらから3、4回呼び出しても受話されないときは、一度切ってからかけ直すと、今度はすぐに取ってくれたりするようです。

LINEビデオ自動受話、完成~!

とにかく親とLINEビデオ通話ができるようになり、今はほっと一安心です。

ちなみに、(面倒でない時だけですが)1分間無料で話せるLINE Out Freeを使って、親のガラケーに「今からスマホにかけるよ~スタンバっといて~」と一声かけます。その際に広告動画を見せられるのですが、これもLINEアプリ上で再生しているのでデータ通信料は無料のはず。

最後に。そして改善点など...

高齢の方は機械に慣れるのに時間がかかるようなので、しばらくはガラケーとスマホの2台併用期間が続いてもしかたがないかなと思っています。十分にスマホに慣れてもらってから、ガラケーを解約するつもりです。

私の親は、誤ってスマホのボリュームを小さくしてしまい、「呼び出し音が聞こえない」「しゃべっている声が小さい」などと言っていることがありました。次回チャンスがあれば、スマホの電源投入時に、自動的にボリュームを最適な大きさにセットするようなマクロをMacroDroidに仕込みたいと思っています。

もし同様のことでお悩みの方がいらっしゃって、参考になれば幸いです。


・・・後日談、ショックな事など...

1.一つ問題がありました。それは(機種や設定にもよりますが)親がスマホを横置きで手に持っている時、LINEアプリが横画面用のレイアウトになってしまい、紹介した自動的にビデオ通話を受けるというマクロが上手く機能しなくなります。スマホ本体の画面回転機能をオフにしてしまえばよいのですが、今後、写真閲覧の方法などを教える際に支障をきたしそうなので、今回はやめにしました。とりあえず「普通に使うときは、縦向きにして使って」と伝えています。

2.LINEアプリ自体のアップデートが必要になるという事態が、2020年9月に発生。これはどうも親の手には余りそうなので、さっさと諦めてスマホ本体をこちらに送ってもらうことで対処完了。その際に、予定していた『スマホ起動時に受話音量・呼び出し音量を最大にしておく』というマクロも仕込み、返送。(それ以来「音量が小さい」と言われたことはありません。)

3.LINEモバイルの無料ビデオ通話自体は大変ありがたいのですが、LINEモバイルの電波品質の悪さ(?)に直面中です。私は都内の某地下鉄を使って通勤していますが、午前7:25~7:40前後、午後6:20~6:45前後くらいに地下鉄の車内でモバイルインターネット接続が一時切断されてしまいます。(再び繋がるまでに長い時は1分前後待たされます。)今までは通勤時間帯がもっと遅かったせいか、全く切れなかったし、格安スマホは回線スピードが遅いと言われているけど、まあ普通に許容範囲だったので、結構ショックです。
しかたがないので今は、
・電波切れに支障の少ない、ゲームや他のアプリを使う。
・諦めて繋がるのを待つか、そもそもスマホをいじらない。
・リスクを覚悟の上で MetroFreeWiFiを使う。その際はTunnelBear(VPNソフト)とVivaldiというブラウザを使い、ブラウザにはGoogleアカウント情報にログインしていない状態で使っています。
また今後、通勤時間帯がずれる予定なので、その時にどうなるか確認してみたいと思っています。


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