おしゃれじゃない日本
粋で力みのない、フランス田舎の日常風景を見た
何気なく食卓に置かれたお皿のデザインからしておしゃれ
デザートにはそのままその場で剥くのかな、お皿にはりんごが丸ごと乗っているし、小ぶりさも可愛らしくて、なんだか艶めいて見える
庭にはラベンダーのポット苗がたくさんある
ピアノの近くに置いてある譜面の表紙にはアルファベットが綴られている
白い板の壁に赤い屋根、青い空のコントラストが良い
どこを切り取ってもおしゃれで素敵であるなと思った
やはりフランスは、日常的な物事一つ一つがおしゃれなんだ、物選びからして日本とは違うんだ、と思った
おしゃれ、だけど無理をしていない、そんな雰囲気がいい
(実際のところフランスはオシャレさにちゃんと自信も誇りもあるので、これらの維持にも力を入れているという意味では、無理がないわけではないだろうが、そう見せてないところもいい)
だけどそのおしゃれな素敵さは、フランスという国の中の話だと我に返った
私は日本に住んでいる日本人であり、私が日本でそれをやったらただのフランスかぶれになりそう
日本の気候で、日本人の骨格とアジア顔がそれをやったら「あら、オシャレしたのね」と見える気がする
これでは日常ではない
非日常である
身も蓋もないことをいえば、このフランスのおしゃれさは日本と日本人には似合わない気がするのだ
フランス田舎のテイストが均一なところに比べて、日本はごちゃごちゃしている気がする
四季のおかげで気候も景色も様変わりするし
クリスマスもバレンタインもお盆もあるし恵方巻きも食べたりヨガもする
字を書けばひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット
どこをとっても煩雑
だけどそれが日本というもの
フランスの良ささえ一部に取り入れちゃう人もいるかもしれない
他国のテイストに憧れてはキリがないけれど、今あるこの煩雑で身の丈にあった風景も悪くないと思うと、これは日本に住んでいるからこそ出せる味だなと思えてくる
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