金のかからない信仰-家でお経よむ⑨大日如来と諸仏



・真言宗の本尊、中心仏(メイン): 大日如来
真言宗のご本尊*は大日如来です。宇宙の真理を人格化した仏です。物理法則ひっくるめた存在、万物です。ずるいです。
現代スピでいうところのソースや宇宙意識、シルバーバーチなら大霊、神道ならアメノミナカヌシと似たようなものかと思います。たぶん。

(*;お寺によっては他の仏様がご本尊の場合もあります。後に記しますが、諸仏は大日如来の化身ということになっているのでなんでもOKなのです。)

さて、物理法則、万物、自然をメインにすえることは、自然の中で暮らし、観察し、自然の恵みを得て育ち(農家)、時に死にかけ、自然科学を学び、生業とした私としてはとても受け入れやすいです。

田舎は神社、寺、社(やしろ)、塚、墓、お地蔵さん、その他尊いものがそこらじゅうにあり、祭りは盛大で、じいちゃん、ばあちゃんの言う、粗末にするな、バチあたる系のルールとセットで神仏は身近でした。悪いことできませんわ。

それが影響してか、知恵がついても科学でなんでも解明できるという方向にはいかず、実験の神様、サイエンスの神様を設定していました。
こちらは、信仰というほどでもなく、スロットの神様、幸運の女神みたいなもので、都合よくお願いするだけです。

というふうにちゃらいのですが、深遠なる現象を完全に解明することはどだい無理であるものの、近づくためには真摯な態度で、正しく記述記と本気で思ってます。

以上、もともと至高の存在だったわけですね。田舎もん×理系にとっては。

空についても、この、田舎もん×理系フィルターを通して(なんとなく)理解してます。

宇宙や万物といった形状を特定できないものを信仰の対象にしておくと、仏像を拝むために寺にいく、自宅用仏像、仏画を買う必要なくなるのでお手軽です。脳内仏。家にあると粗末にできないため私にとってはハードル高いとの理由もあります。

・大日如来以外の仏様
大日如来は阿弥陀如来、薬師如来などの諸仏(報身仏)を包括する真理の法そのもので法身仏といいます。諸仏は大日如来の化身で、人々を導き救い、慈悲を垂れてくれます。
お寺によっては大日如来ではない仏様を本尊としているところもありますが、結局は同じです。そして、釈尊は応身仏だそうです。

・十三仏真言
代表的な仏は、高野山真言宗檀信徒勤行次第の中の十三仏真言(大日如来、釈迦如来含む)に列挙されており、それぞれに得意分野やテーマがあります。
宇宙(大日如来)というばっくりした仏と、衆人のニーズに合わせた諸仏を併せて拝むなんて、よくばり、もとい、きめ細やかです。

なお、読経好きの私としては、真言のミラクルパワーより、十三仏それぞれに救い、慈悲の形があり、それは滅するべきこと、苦しみ、または大切なこと、願いでもある、しかも一方的に施してくれるなんてありがたく、清らかで崇高なりよ、などと考えることがご利益だったりします。

なのですが、先日、真言のあとに薬師如来に生理痛緩和をお願いしたら治りました。まじか!と思いました。
これはもしや、気まぐれにお願いする、頭良くしてください(→虚空蔵菩薩、文殊菩薩)、ぐうたらを治してください(→不動明王)も効いているんじゃないかと思ったところです。


参考書籍


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