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USDの背景や通貨の特徴

皆さんは、USDを御存知ですか?!

『USAなら聞いたことあるよ』と言う方も多いと思いますが
これからFXを行うなら、絶対にUSDは知っておくべき事ですので
こちらの記事で詳しく解説していきたいと思います。


USD(ドル)とは

USDは、略称です。

正しくは、United States dollarです。

日本語に訳すと、アメリカ合衆国ドルといって
USドル・米ドル・アメリカドルという通称があります。

アメリカのUSD以外にも
『ドル』の名称を使用している国があります。

それは、カナダドル・香港ドル
オーストラリアドル・ニュージーランドドルなどです。

ただ、一般的に良く言われている『ドル』が
USDだと思って頂ければ間違いないです。

USDは、アメリカ合衆国が発行している公式通貨です。

公式通貨というと難しそうに聞こえるかと思いますが
日本の公式通貨は円です。

日本で買い物をするときは
円しか使えませんよね。

それは、円が日本の公式通貨だからです。

同じように、USDはアメリカで使える公式な通貨なんです。

その国独自の通貨が、公式通貨と呼ばれるという事ですね。

ただ、USDは他の国の通貨とは大きく違う所があります。

それは、国際的な基軸通貨という所です。

USDは、古い歴史や優れた経済状況などから非常に信頼性の高い通貨です。

その為、自国から他国へ出荷をする輸出や他国から自国へ仕入れる輸入などの取引に際して、共通の取引通貨として使用されています。

英語が世界共通言語と言われている様に、USDは世界共通通貨という事です。

アメリカ合衆国は、どんな国なのか

現在では『自由の国アメリカ』と言われているアメリカ合衆国ですが
一体どんな国なのか?!

そして、どのように発展していったのか?!

紐解いていきたいと思います。

アメリカ合衆国は、北アメリカ大陸の中央に位置している国です。

本土から離れた領土としては、アラスカ州やハワイ州などがあります。

アメリカの起源は1492年に
クリストファー・コロンブスが発見したと言われています。

この頃日本では
室町時代ですのでアメリカの歴史の古さが伺えますね。

そして、アメリカは独立宣言をし
1789年に初代アメリカ合衆国大統領ジョージ・ワシントンが誕生しました。

その後も、戦争などにより領土を拡大していったアメリカは
現在の50州にまで及ぶ国になったという事です。

そんな歴史あるアメリカの人口は、3億4千万人弱。

白人や黒人に加えて
アジア人やヒスパニックなど様々な人種が混在している国です。

昨今では1790年の国勢調査以来初めて
白人の人口が減少しており
アメリカ社会の多様化が進んでいる事がわかると思います。

このように様々な人種が混在し
現在では多種多様化が進んでいるアメリカですが
USDが世界基軸通貨にまでなった要因は経済成長にあると思います。

アメリカの政治体制や経済成長を知っておくと
USDについて深く知る事が出来ると思います。

アメリカ合衆国の政治制度

アメリカ合衆国は、『立憲連邦共和国』です。

立憲という言葉は、中々聞きなれない言葉ですが
国の憲法に基づいている国という事です。

簡単に言うと憲法が大きな権限を持っているという事ですね。

憲法が大きな権限を持っているアメリカですが、分類は民主主義国家です。

アメリカ大統領選は
日本のテレビでも放送していますが、国民投票によって決まります。

国のトップを国民が決められると言う点では
日本とは大きな違いがありますね。

そして、アメリカは二大政党制です。

『共和党』と『民主党』しかありません。

ですので、政治政策も2つだけです。

日本みたいに自民党や立憲民主党
維新などの党がバラバラではないので
どちらの方向性が良いのか判断が出来やすいですね。

アメリカの政治政策は、日本よりもわかりやすく
大統領が決まれば政治路線も決まってくるのではないかと思います。

シンプルイズベスト
だからこそアメリカの政治は安定しているのかも知れませんね。

アメリカの軍事力

安定した政治は、国の強化も文字通り万全です。

アメリカの軍事力は、今まで世界一を譲ったことがないほどに巨大です。

その証拠に、2021年の世界軍事力でも世界一位に君臨しています。

その規模は本当に巨大で、

軍事費:7780億ドル(日本円に換算すると、約90兆円)

兵力:140万人

戦車:6,300両  戦闘機:2,400機

原子力潜水艦:75隻  航空母艦:11隻

となっています。

特に軍事費は圧倒的で、2位ロシア(7兆円)3位中国(28兆円)それ以降に続く10位までの軍事費を全て足しても70兆円。

アメリカ一国の軍事費だけで、2位~10位の8か国合計を上回っています。

これ程までに圧倒的な軍事費があれば、軍事力の大きさが伺えますね。

アメリカ合衆国の軍編成は6つの軍から成り立っています。

陸軍・海軍・空軍・宇宙軍・海兵隊・湾岸警備隊が編成されています。

6つの軍を率いている最高司令官は、アメリカ合衆国大統領です。

軍の最高司令官が、国の大統領と言う点もアメリカらしいですね。

ここまでの軍事力を誇るには、経済が発展していなければ成しえる事は不可能です。

では、アメリカがどんな経済の発展を遂げてきたのか?

経済の発展を知る事で、アメリカ全体が繋がってくると思います。

アメリカ経済の発展

アメリカ合衆国は、今でこそ経済大国として世界のトップを
走っているのですが、最初からトップではなかったんです。

実は、当初トップはイギリスでした。

世界のトップが、イギリスからアメリカに移ったのは
第一次世界大戦後です。

第一次世界大戦が始まった事で
アメリカからヨーロッパ諸国へ軍事製品の輸出が増えて
鉄鋼や小麦などの輸出が盛り上がりました。

しかし経済成長は、良い事ばかりではありません。

産業が豊かになり
ピークを過ぎた1929年に『世界恐慌』が起こります。

世界恐慌は、アメリカを皮切りに次々と他国にも起こります。

株価は下がり、物の値段は下がり
貰える給料も下がっていきました。

豊かな国と貧しい国など関係なしに
経済への大不況をもたらしたんです。

経済大国としてトップだったアメリカが大不況に陥ったことで
他の国々にも大きな影響が出てしまったんです。

大きな会社の景気が悪くなれば
それよりも小さな会社の景気も悪くなってしまう事と一緒ですね。

『世界恐慌』によって、1930年代はアメリカにとって
長期的な不況が続く事になってしまいます。

しかし、長期的な不況を救う出来事が発生します。

それは、第2次世界大戦です。

戦争が不況を救うとは悲しいですね。

第一次世界大戦同様に、第二次世界大戦も軍需製品の
需要が増したことによって経済が発展し
それにより雇用も増えていきました。

そして、USDが世界基軸通貨となる時が来ました。

それが、1944年にブレトンウッズで開かれた、連合国通貨金融会議です。

この会議で、この頃世界一の経済力と軍事力を持つアメリカのUSDは
世界で最も信用力のある通貨だと判断されました。

USDを世界基軸通貨とする、ブレトンウッズ体制が始動します。

これによって世界各国はUSDを買って貿易をするようになり
USDの流通量が大幅に増えてい言ったという事です。

現在では、ブレトンウッズ体制は無くなりましたが
USDを基軸通貨として貿易している事に変わりはなく
貿易の支払いにUSDが多く使われています。

その後も、キューバ危機やリーマンショックなどの
経済的打撃を受けながら、アメリカは飛躍的に
経済成長を遂げていく事になります。

経済のトップまでになったアメリカですが
なぜトップにまで登り詰めることが出来たのか?!

それは、アメリカの資源がもたらしていると言っても過言ではありません。では、一体どんな資源があるのか?知っていきましょう!

アメリカの資源

アメリカの資源は一体何でしょうか?!

経済成長の中で、薄々勘づいているかと思いますが
アメリカは世界有数の鉱物資源保有国です。

世界のトップとなるきっかけとなった第一次世界大戦や
不況から脱したきっかけとなった第二次世界大戦も
鉱物資源が要因となり経済発展の足掛かりを作っています。

アメリカは鉱物資源大国です。

レアメタルを聞いたことはあるでしょうか。

電気自動車やパソコン
スマートフォンや電気器具などにも使われています。

今の時代に無くてはならない必需品ですよね。

そのレアメタルを多く埋蔵していれば
経済も安定してくると思いませんか?

アメリカは、レニウム、テルルと言ったレアメタルの一種を
世界一埋蔵しています。

また、金や銅、亜鉛などの鉱物資源も埋蔵量で
世界のトップに君臨しています。

これだけ、人の生活に必要な鉱物を多く埋蔵しているのであれば
アメリカが経済大国と呼ばれるのもわかりますよね。

そして、現在では更に、『世界一の原油産出国』なんです。

今までは、サウジアラビアが世界一の原油産出国でした。

多分今も、サウジアラビアが世界一だと思っている方も多いと思います。

なんで、原油までも世界一になってしまったかというと
アメリカの新技術によるものなんです。

アメリカは、原油の産出量が減少傾向にあります。

しかし、新技術によって抽出困難だった地中深くのシェール層から
原油や天然ガスの抽出を可能にしたんです。

これは、シェールガス革命と呼ばれていて
アメリカは新技術の開発によって
今まで世界一だったサウジアラビアを抜いたんです。

これ程の経済大国になっても、年々成長を続けているなんて
本当にすごい事ですね。

これからの成長も期待したいと思います。

USDは、どの様に変動するのか

ここまでで、USDを公式通貨として使用しているアメリカ合衆国の背景を知って頂けたと思います。

では、USDはどの様な事で変動していくのか?

USDが変動する、いくつかの要因を御紹介いたします。

アメリカの経済指標

アメリカには、USDに影響を与える経済指標が
100近くあると言われています。

経済指標とは、アメリカの経済が良いのか
悪いのかを表す指標数字の発表です。

この数字が悪いとUSDの価値は下がり
高いとUSDの価値が上がっていきます。

特に注目の高い経済指標は・・

非農業部門雇用者数:雇用統計と言われています。

その名の通り、農業以外の産業で働く労働者の増減を数値化したもので
数値が大きければ大きいほど労働者が増えている。

雇用を増やせるほど経済は順調だという事で、USDの価値が上がります。

毎月第一金曜日に発表され
全世界が注目している経済指標です。

ISM製造業景況指数:企業の景況感を表す指標です。

400人以上の購買・供給管理者にアンケートを取って集計されます。

50%を景気の良しあしの分岐点に景気が上向きか下向きかを表しています。

こちらの指標も毎月発表されUSDの価値が大きく左右される要因となっています。

その他にも・・・

鉱工業生産指数:製造業、鉱業、電力・ガスなどの
実質生産を計測する指標です。

住宅着工件数:1ヶ月のうちに建設された新築住宅件数を表す指標です。

GDP統計:経済全体の成長率を推し量る指標です。消費、投資、総輸出など幅広い経済分野の動向を知る事が出来る指標です。

消費者物価指数:消費者が購入した商品やサービスの価格の変化を表す指標です。

この他にも、USDに影響を及ぼす指標があります。

今までUSDの価値が高かったのに指標の数字が予想より下回った場合などは、大きくUSDの価値が下がる場合もあります。

このように、経済指標の発表はアメリカの経済の動向を示しています。

経済指標によっては
USDの価値に大きな影響を及ぼすこともあるという事ですね。

地政学リスク

地政学リスクとは、政治的・軍事的・社会的リスクを指します。

USDは、世界の基軸通貨です。

経済的な信用のもとに信頼されています。

地政学リスクの代表的な例を挙げると
戦争や地震などの自然災害やコロナなどの先行き不安な要素の事です。

かつては、紛争が起こるたびに『有事のドル買い』と言われ
通貨として信用性の高いUSDが買われUSDの価値が上がりました。

2001年の同時多発テロの時は
アメリカが直接攻撃された事で、USDの価値が下がっています。

トランプ大統領が当選したときは、USDの価値が上がりました。

このように、USDは地政学リスクによって大きく変動します。

FOMC

FOMCとは、連邦公開市場委員会の事です。年に8回、およそ6週間おきに委員会が開かれます。

今の経済状況や今後の経済状況を先読みして、金利やマネーサプライといった金融政策が決定されます。

特に、政策金利であるFFレートはUSDに多大な影響を与えます。

FFレートは、日本で言うと金利です。

景気が拡大している時は、景気が拡大しすぎてパンクしないように政策金利をあげます。

逆に減速している時は、金利を下げて景気を上向きにするように促していきます。

FOMCの発表は、USDの価値を大きく左右しますので、年8回の発表は注目していきたいですね。

まとめ

USDの特徴や背景を知って頂けましたか?

世界に影響を及ぼす基軸通貨です。

特徴を知っているのと知らないのとでは大きな差が生まれます。

USDの価値を上げ下げするような出来事には注目して取引していきましょう。

USDを知って取引を有利に進めて下さいね。

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