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2024.4.29 "Live Album: Island in Full Release Concert" 東京編 Report【布】

明日の叙景、ボーカルの布です。
"Live Album: Island in Full Release Concert" Reportの後編になります。

前編はこちら↓
https://note.com/asunojokei/n/ndff3f2c54a8d


ライブレポート

はじめに

4/29(月祝)渋谷WWWXにて、ライブアルバム『Live Album: Island in Full』リリースを記念してワンマンライブが開催されました。

実は会場である渋谷WWWXにこれまで僕は一度も行ったことがなかったのですが、等力(Gt)と齊藤(Drs)が太鼓判を押す会場でして、今回はメンバーの念願が一つ叶った形となりました。
日本国内で指折りの音響システムに、どの位置からでもステージが見やすいスクエア型の構造。お客さんにとっても演者にとっても、ライブを楽しむ上で理想的な環境が整っております。

kokeshi

そして、今回ゲストアクトとして出演してくれたエクストリームバンドkokeshiについても書きたいと思います。

といっても、わざわざ文字にするのも野暮なほどすごいバンドです。
スクリーム、グロウル、ホイッスル、スポークン、そしてステージングのどれをとっても超一級であるボーカルの亡無さんのポテンシャルに加え、シンプルかつメリハリの利いたグルーブを基にしつつ、不意に細かな情感を忍び込ませる楽器隊。
kokeshiのおもしろい点、そして明日の叙景と近い点としてはメンバーの音楽の趣味が被っているようで絶妙に被っていないことと、それが楽曲やプレイにいい形で表れているところかなと感じます。
関(Ba)と一緒にkokeshiのベーシストである純一さんのプレイやベースの仕様について話すと、掘り下げられることが多くて興味深かったですね。

バンド全体のステージングとしては、重厚な空気を損なうことなく、それぞれが足枷をつけたまま演奏するかのような佇まいをしており、「這う」という言葉が心底よく似合うと感じました。
その足が一歩踏み出されるだけで目にする者の生存本能を呼び起こす。
四人の有り様に沁み入りました。

明日の叙景

長尺MCとピック投げを披露したロックスター等力、「遠雷と君」で上手側ステージに来て等力のペダルを操作するGen、箱馬に腰掛け「甘き渦の微笑」のソロを奏でる関、そして「たえて桜のなかりせば」「私はもう祈らない」「甘き渦の微笑」で歴代ラスボスと連戦するかの如くブラストビートする齊藤。
見どころが多すぎるライブでした。

Setlist
1. (入場SE) A Flower Is Not A Flower(坂本龍一)
2. 見つめていたい
3. 土踏まず
4. 臨界
5. 歌姫とそこにあれ
6. 青い果実
7. 忘却過ぎし
8. 影法師の夢
9. たえて桜のなかりせば
10. 私はもう祈らない
11. 甘き渦の微笑
12. 子守唄は潮騒
13. 遠雷と君
14. キメラ
アンコール
15. コバルトの降る街で

これまでMCは全曲演奏し終えてから、というのが明日の叙景のスタイルでしたが、色々なアーティストのライブを観ていると序盤にMCを挟むことが多いことに気がつきました。そこで大阪公演からライブの序盤にMCをするようになりました。
MCを序盤に挟むメリットとしては、バンド自らお客さんを招き入れられることかなと思います。そうすることで演者とお客さんが、ともにアクションとリアクションを起こしやすくなるのではないでしょうか。

「轟音が響かない時間がチェイサー的に働く」
「このMCによる“耳の息抜き”的な効果は実は重要で、聴く側の聴感においてもPA側の作業&感覚においても、MCが入った後の方が遥かにヘヴィなバンドサウンドを聴き取りやすくなります。」

s.h.i (X ポスト内容)

インストアイベントで司会を務めてくださったライターのs.h.iさんによる指摘に目から鱗でした。
こういった考え方は大事ですね。
ライブのクオリティを上げるためにはパフォーマンスだけに目を向けず、受け手がよりよい環境とコンディションで表現を受け取れるよう、招く側が工夫することを忘れてはいけませんね。

今回は上手側と下手側にそれぞれ箱馬を設置して、メンバーがその上に立つようにしました。
ライブを観る上で演者の姿が見えないというのは、お客さんにとってはストレスになるやもしれません。そこで、後ろの方にも見えやすいようにメンバーが台の上に乗って後方にもアピールするようにしました。
今後のライブに向けて、持ち運びしやすく、見た目がシックなお立ち台を探す旅に出たいと思います。

Photo by Emily Inoue

初の試みとしてもう一点「キメラ」のイントロで皆さんにマイクを向けさせていただきました。
フロアにシンガロングを求めたとき、気分は稲葉浩志か浜崎あゆみでした。
歌ってほしいところを、ときには演者側が指定するのも悪くありませんね。
今後も唐突にお願いするかもしれません。歌詞がうろ覚えでも全然オッケーですので、是非歌ってみてください!

最後に、大阪公演で初披露となった新曲「コバルトの降る街で」を東京でも披露することがようやくできました。
これ以降のライブでも披露しますし、音源化も近いので是非楽しみにしていてください!

小話①kokeshiとの出会い

亡無さんとの付き合いはかなり長いのですが、kokeshiとの出会いは彼女が加入する前でした。
当時は前任の方が歌っていて、今よりもニューメタル系のアプローチが強く、空間系のギターの音が目立つスタイルだったと記憶しております。それこそ西荻窪FlatでKORNと闇落ちしたLInkin Parkの幻を見たような、そんな不思議な感覚を得ましたね。
kokeshiのライブに足しげく通ってたら、会場でばったり亡無さんと会い「kokeshiに加入することになりました」と言われ、ツインボーカルになるの?と勘違いしました。
そこからコロナ禍を経て、こうしていいタイミングで共演できたので嬉しい限りです。

小話②渋谷について

ライブ当日、海外からの観光客増加に加えて大型連休序盤ということもあり、渋谷の町はたくさんの人でごった返していたのではないでしょうか?
それだけ文化の発信地として栄えており、交通の便がよいことの証なのでしょう……。
渋谷にはいいライブハウスもたくさんあり、いいイベントもたくさん開催されます。ただ、会場へと向かう前に渋谷駅とスクランブル交差点付近の人の多さに心が折れかけますよね。
それでも人込みにくじけず、WWWXまでたどり着いてくださった皆様ありがとうございます!

渋谷は早朝4時半から6時くらいまでが趣深いと思うんですよね。
クラブの深夜イベント終わりであったり、終電を逃して漫画喫茶で時間を潰した後であったり、人がいなくなった青く白む町を一人ぽつりと歩いていると、渋谷の立体感が怖いくらいに味わえます。
坂の輪郭が綺麗に映り、人がいて当たり前のような場所に誰もいないという歪さは心地よくもあり、心細くもあるのはなぜでしょうか。
坂は昔から現世と冥界の境界として語られますし、にぎやかな場所から音が消えると幽霊を呼び込むと言われますね。
人間が消えた渋谷は人ならざるものを呼び込む絶好のスポットかもしれません……とkokeshiをゲストアクトに迎えた影響で、付け焼刃のホラー要素を入れてみました。
いずれにせよ、漫画『ブルーピリオド』でも描かれているように、明け方の渋谷はとてもよいものです。新宿や銀座、そして上野などでは味わえないんですよね。

昨年の11月から東京でのライブはすべて渋谷なのですが(Knosis公演の代官山Space Oddも渋谷)これはもう明日の叙景は渋谷系ということでよいでしょうか?
そう言いつつも、今後は渋谷以外の町でのライブが続きます。

ちなみに、会場は人が多くても交通の便がいい町(新宿、渋谷、池袋あたり)がよいでしょうか?
あるいは少し乗り換えがあったとしても駅に降りてからゆったりと会場に着ける町の方がよいでしょうか?
「○○でやってくれ!」という意見もお待ちしております。

あとがき

これにて『Live Album: Island in Full』及び2nd Album『アイランド』を存分に表現しきれたと一安心しております。
これも支えてくれた方々、そして興味をもってくださった方々のおかげです。
ありがとうございます。

これからはライブと並行して楽しい楽しい作品づくりが始まります。
皆様もお楽しみに!

Header photo by Jun Tsuneda

Photo by Jun Tsuneda

ライブ情報

5/5(日) DEVI BATTLE~デビバト~Vol.12 明日の叙景 × DEVILOOF
町田CLASSIX

DEVI BATTLE~デビバト~Vol.12

6/16(日)明日の叙景 presents『Dialogue vol.1』
吉祥寺CLUB SEATA

Dialogue vol.1


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