デレマス楽曲のサビ前無音を求める者たち
※この記事は先達たるかんそう氏の以下エントリを大いに参考に、もとい前提としています。ぜひ先にお読みください。
無音……いいよね……
上記のエントリを執筆されたかんそう氏がツイッターでも該当する楽曲を皆さんから募っていたのを見て、とくに最近私がよく触れるアイドルマスター シンデレラガールズの楽曲にもけっこう該当曲はあったんじゃないか!?と思い立ち、周りのPさんからも情報を得ながら何曲か掘り当ててきたので、以下で発表をします。それだけの回です。
注1……全楽曲を網羅できている訳では無い。今回は私ほか何名かのPさんと話し合いながら思い出した楽曲のうち、わかりやすくオリジナル・カラオケ音源などを用いて無音が確認できるものをピックアップする。紹介していない曲が該当しないという話ではないので、皆さんも各々自分の好きな無音の瞬間を探してほしい。
注2……執筆現在シンデレラガールズの曲の大多数のサブスク配信はゲーム向けのショートサイズ版での提供となっている。該当する無音の箇所を確実に聴きたい場合、ぜひこれを機にフル音源や収録CDを手にとって聴いてくれれば嬉しい。
〜オケ無音編〜
まずは伴奏(オケ)が消えてフレーズの一部分、もしくはワンフレーズまるっとがボーカルオンリーで響くタイプの曲をセレクト。
このタイプは完全な消音による一呼吸の静寂、というよりは静寂によって特定のフレーズや小節が強調されたり、その後の盛り上がりが際立って、グッと曲の中へ中へと引き込まれる。
該当箇所ちかくをカッコで囲むのでぜひ注意して聴いてほしい。
◆ Snow*Love
(市原仁奈, 及川雫, 大槻唯, 高森藍子, 依田芳乃)
3:53辺りから。
落ち着きのあるラスサビの入りからクラップで盛り上げつつ、『仕方ないんだ』でファッ…と音が止まってからの最高潮の大サビ。
この楽曲が主題歌になっていたシンデレラガールズ劇場のコラボカフェイベントでも演者さんご本人たちがとくに及川雫ちゃんソロVerを挙げつつ好きな箇所として語っていたのも思い出深い。
なお、ライブだとここで演者がジャンプするのが定例になっていて、より盛り上がりが強調されるパートでもある。ゲームのMVではこのジャンプに合わせてコンサートライトが一面の白からオレンジに点灯するのが美しく、現実のライブでも実現しないかなあ…とずっと思っています(余談)。
◆ サイン・オブ・ホープ
(南条光)
3:38辺りから。
ヒロイックなエイトビートにのせたWow Wow…という煽りの後、『想いがある』でドンッ…と楽器が止まって、無音の中の『Get ready』から入るバンドが最高潮に持って行きます。
ヒーローのあり方への葛藤からの一人静かに決意をあらためるようなサビへの入り。この覚悟のこもった入りに特オタは「できてるよ」って返したくなってしまう。
◆ PROUST EFFECT
(一ノ瀬志希)
3:37辺り。
めまぐるしく聴き手を惑わせるようなプログレ調のサウンドから一転、ほんとうに孤独の果てに行き着いてしまったかのようなゆるやかな伴奏がブゥン…っとしずまえり返って響く志希ちゃんの鋭いボーカル。
「いつまでも」っていうワンフレーズ全体じゃなくてさわりの「いつ」ってとこだけ無音になる感じが、姿が見えなくても確かに脳裏からこちらを呼び覚ますような感覚を際立ててます。
◆ Spring Screaming
(喜多見柚, 本田未央, 龍崎薫)
3:15辺り。
で、そんなPROUST EFFECTから続いてこちらの曲の紹介。
この曲も「いつからだろう」の「いつ」の部分でピタッと音が消えるんですが、これは純粋に大サビをバン!と跳ね上げるような素直なブレイクとして活きている。
つまり、文字にすると一緒だけどPROUSTは「いー つー」くらいに伸ばしてこっちは「イツ」くらいにギュンと駆け抜けるという違いがある。無音の入り方は同じ言葉でも無限なんだ。
◆ きみにいっぱい☆
(相葉夕美, 市原仁奈, 大槻唯, 片桐早苗, 姫川友紀)
3:09辺りから。
パワフルなサンバのメロディの中でラスサビ前に挟まる無音。Cメロとサビを隔てるベルとベース、ホイッスルの対比もきれいで、ちょっとしっとりしたメッセージとひたすら元気なサビの盛り上がりが美しく切り替わる。
ちょっとおセンチな打ち明けはここまで、こっからは文字通りチョーいっぱいにハジケるぞ!という、いかにもパッション属性らしい切り替わりだ。
◆ to you for me
(橘ありす)
3:20辺り。
サビ頭のフレーズを繰り返して転調するタイプの箇所に入る無音。
なかなか素直になれない少女が感謝と敬愛の気持ちを息が詰まりそうな思いで打ち明ける、という入りで「あのね」という切り出しを繰り返す、その一度目に訪れる無音がありす自身が勇気を振り絞って重たい空気を打ち破る一瞬を表しているかのようで……泣く……
◆ 不埒なCANVAS
(相葉夕美, 輿水幸子, 塩見周子)
3:44辺り。
ピアノ、ドラム、アコギと音が減っていって「笑い飛ばして」のところで完全に音が消える、引き算的な盛り上がりが心地良い。
ちょうどサビ前あるいはサビ入りのワンフレーズに重なる部分がすっぽり無音になるこの感じはデレマス曲のオケ無音でも特に気持ちがいい。ちょうど執筆している数日前にあったライブで披露され、この歌声だけが響く瞬間のカタルシスがすごかったんだあ……
して、この次も同様にワンフレーズすっぽり無音パターン。
◆ Night Time Wander
(大槻唯, 桐生つかさ, 八神マキノ)
2:39辺りから。
4カウントからの無音のなかでのワンフレーズは脳に直接語りかけられてるみたいに錯覚する。ハイ、このまま朝までコースでお願いします…………
ちなみに、この曲はデレステのゲーム尺版にもCメロ~ラスサビが収まっているのでMVとともに無音の瞬間を楽しめます。みなさんも気軽に朝までコースで楽しんでほしい。
◆ ダンシング・デッド
(及川雫, 佐藤心, 諸星きらり)
1:07, 3:06辺り。
この曲は1サビとラスサビの前の"Coming Up"でそれぞれスッと音が落ちるのだけど、特にラスサビの
グゥン…
デン!デン!デン!デン!デン!
ポォーゥ!!
のブチ上がりが最高。
この曲はゲーム尺に特殊なカット(2メロからラスサビに飛ぶような感じ)が使われており、無音パート後のコレ↑に直接飛ぶ。それはそれで盛り上がるのだが、ぜひフル尺でフルポテンシャルのブチ上がりを体感してほしい。
◆ セレブレイト・スターレイル
(西園寺琴歌)
3:30, 4:04辺り。
ラスサビの入りと終わりそれぞれに短いブレイクが入り、アップテンポなスカバンドにメリハリが効いている。特に終わりは軽快なドラムからブレイクが入ってからのバンバン鳴り響くアウトロの爽快感がえげつない。
お嬢様キャラでありながらエネルギッシュな好奇心に満ち溢れた琴歌お嬢様にスカバンドを当てた人はつくづく天才だと思うし、そこにブレイクの静寂で純な想いを挟むのも……セレブリティ……
◆ #HE4DSHOT
(砂塚あきら)
3:08辺り。
この曲はフレーズの入りからスッと音が止まるのだけれど、その後の入りが最高で、『One shot!』の部分に合わせて演奏ではなく銃の軽快なコッキング音と重めの発砲音が響く。つまり、言葉とSEを聴かせる無音。
タイトル通りにヘッショをキめる時の相手を狙う一瞬の静寂、そしてそれを突き破る銃声はラスサビへの鬨の声のようで美しい。だったらコッキングと間を開けろって?雰囲気の問題なの!(身も蓋もないシメ)
◆ Tulip
(一ノ瀬志希, 塩見周子, 城ヶ崎美嘉, 速水奏, 宮本フレデリカ)
2:28辺り。
多分シンデレラではド定番にみなさんが思いつくであろう楽曲だと思うが、むしろ楽曲を知っている人ほど上記の該当箇所を見て「アレ?」と思ったかもしれない。
つまり、「なんてね。」は!?という話です。
これは1サビ、ラスサビの「なんてね。」と2サビを聴き比べれば分かるのですが、2番の「もう一度」だけは明らかに他のサビと違って完全なオケ無音が発生しています。1番、ラスサビをブレイクとして判別するかはさておき2番だけは確実に差が分かるくらい驚くほどプツン…と音が止まってる。
なお「なんてね。」の方が代表的なブレイク箇所に思える最たる理由は、そこで曲がピタッと終わるゲーム尺版のほうが馴染が深いからだと思われる。ぜひ実際のフル音源やカラオケバージョンと聴き比べてみてください。
~完全無音編~
演奏もボーカルも止まる、完全なブレイク。一番美しいタイプの無音ですが、それゆえなかなかタイトルを絞った中で探すのは難しいです。まずはただそんな中でも、この話題の発端をエントリで見たときにまっさきに思い浮かんだ最高の1曲があるのでそこから紹介させて頂きたい。
◆ Reflective illumination night
(渋谷凛)
3:56くらいから。
永遠に降り注 ぎ 続 く ゥ…………
(スゥッ)
よぉるにぃいいい!!!!!!
ラスサビの終わり、シックなピアノとともに完全な無音に入ってからのガッツリ伴奏でのワンフレーズへの入りが美しすぎる。ボーカルもスッと息が止まるみたいにブレイクしてからのブレスでグン!と入ってくるから余計引き込まれます。ライブの生歌でもこれを完全にやってのけるふーりん(渋谷凛役・福原綾香さん)はホンモノの歌唱力おばけ。
そしてまだまだラスサビの終わりで一瞬ファッ…となる曲があるので続けて紹介します。
◆ ヒトトキトキメキ
(十時愛梨)
4:35辺り。
だから、脱いじゃってもォ(ドコドドコド)
(シャンッ…)
(スゥ)
いいですかぁあああ!!!!!!
前出のR.i.n.と比べるとドラムの残響が生きているが、それも含めてスッ…と一呼吸おいてから一気に攻めよってくる感じがたまらない。軽快なモータウンビートのかわいらしさで見落としそうになるけどかなりアグレッシブに脱衣許可を求めてきてます。私は天然さだけじゃないそういうパワープレイな小悪魔みがとときんにあってもいいと思うよ……
あとこれはR.i.n.に続いてサビ前無音のあるあるだけれど、ボーカルはもちろん歌い出す時のブレスが鮮明に響いて聴き取れるのにも惹き込まれる。
◆ こいかぜ -花葉-
(高垣楓)
3:46辺りから。
パァ-…パァー… パァ-…パァー…
デデン!!
言ぉお葉ぁに出来ぃない痛みをぉおおお!!!
ラスサビ(厳密にはラスサビ地続きの2サビ)前のオーケストラの盛り上がりからの1秒ちょっとの完璧な静寂、そしてそこからの厚みのある入り。お手本のようなサビ前無音です。
ここまで凛ちゃんやとときんなど、奇しくもデレマスでもボーカルの強い子が完全無音からの入りを聴かせてくれたが、そこに連なって模範的なファッ…ときれいな入りを聴かせてくれる辺りやはりデレマスの誇る世紀末歌姫・高垣さんだ。
◆Pretty Liar
(高垣楓, 速水奏)
1:09, 2:18, 3:28辺り。
この曲、すべてのサビ前に無音の瞬間があるんですが、1番は"Truth"というコーラスでほぼ気付けないくらいのオケ無音、2番はフレーズに被せつつ一瞬音を入れて2段階に分かれた無音、そして3番で上記の通り
「ダイスキ」
ファッ…
(Truth)
もう一人の わ た し
と一瞬の完全な静寂を挟んでくる。サビ前無音の見本市か…?というレベルのトリッキーさです。
ウソが上手い女は間の使い分けも上手い。
~ずるじゃん編~
ここでは変則版と言うべきか、演奏が止まってメロディーに乗せないタイプのセリフや語りが入る曲をピックアップしている。
古くは山口百恵の『プレイバック part1』などでも見られるように、アイドルの曲にこそ多く使われる「歌と演奏だけでなく声そのもの魅力を聴かせる」タイプの無音だと思う。我々はもう何年も味付けナシの生のアイドルの声でキャーッって言い続けてきたのだ。
このパターンはメロディに乗せてないことを分類条件としているので、無音になるのと同時にセリフが入るパターンと完全な無音の一呼吸を置いてからセリフが入るパターンの両方が存在する。
いずれにせよ以下を見て理解してほしい。というか、このタイプの曲はだいたいライブでみんなも叫んでると思うから非常に心当たりがあるはずです。
◆ サニードロップ
(大槻唯)
3:00辺りから。
あーーー!だめです!!脳が溶けます!!!
ぴったりとセリフの部分にあわせて音が消える、まさにこの一言を聴かせるための無音。
唯ちゃんの甘いボイスは無音と相性が良く、1曲目のソロ曲"Radio Happy"のアウトロにも短く無音で「ハァイ!」と入ったりしている。
◆ 双翼の独奏歌
(神崎蘭子, 二宮飛鳥)
2:00辺り。
◆ 共鳴世界の存在論
(二宮飛鳥)
4:04辺り。
◆ 華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜
(神崎蘭子)
2:19, 3:35辺り。
と、ここまで敢えてコメント無しで3曲続けたが、見ての通り神崎蘭子ちゃんと二宮飛鳥ちゃん、そしてその二人のユニットの楽曲を一気に紹介した。
二人共カッコよさにこだわりのある多感なお年頃の女の子であり、ファンもやはりこういう楽曲の「キメ」の瞬間に沸き立つ。
『狂詩曲』は2番のサビ前、『存在論』はラスサビのサビ後、『独奏歌』は1サビ後の長めの語りパートで無音が入りバリエーションも豊富です(狂詩曲はラスサビ前の語りにも無音がある)。ちなみに曲名はそれぞれ順に「ラプソディーア」「オントロジー」「アリア」と読みます。そういう美学のもとに生きている子達です。
◆ PROUST EFFECT
(一ノ瀬志希)
4:08辺り。
あれ?キミさっきもいなかった?いた。
先ではオケ無音で紹介しましたが、さらにラスサビ最後にはセリフもある。だから先に一度紹介する必要があったんですね(プルースト構文)。
曲と同様に徐々に姿を変える香水の香りが残していく最後のメッセージ、それがささやくような告白ってのが小憎いですね。あんなエッジの利いた無音ボーカルでこっちの脳裏に自分の存在を引き出させておいて、最後はまた告白だけ残して消え入ってしまうような……わかってほしい、このいかにも「一ノ瀬志希」ってかんじ。
◆ ずるじゃん
(乙倉悠貴)
1:03, 2:29, 3:34辺り。
イェェエエエーーーーーーーーーーーッッッ!!!
これぞこの分類を「ずるじゃん編」と題した所以。最強(※個人の感想)。
というのもこの曲、一曲の内で1,2番のサビについては無音になった瞬間にセリフにシフトして、ラスサビ前では完全な無音の一呼吸も備えているパーフェクトな例だからです。ちょっとつよすぎますっ…!?
1,2番の各サビ前には乙倉ちゃんの「イェー!」というコールから復帰するのもかわいい。ラスサビにはコールはないので私が自ずと叫んだ。あんなん言われたら叫ぶに決まってるだろ!
〜カバー曲編〜
ここからは分類をすべて合わせつつ、純粋なアイマスオリジナルではないカバー楽曲を紹介したい。
曲の作りとしてはそもそもオリジナルのオケに準じていればオリジナルの良さとして語りたいところでもあるけれど、そこも含めてデレのアイドルがそこをどう歌い上げているかにも注目されたし。
◆ あなたは幸せになる
(白菊ほたる, Original:藤田麻衣子)
0:52, 2:04辺りから。
スンッ…
あなたは幸せになる
全体を通して聴き手の心を落ち着かせて鼓舞するようなメッセージになった曲の中で、曲名にもなっている一番強いメッセージの手前に一瞬入る一呼吸のような静寂。
消え入りそうな静の表現と消えない強い意志を秘めた動の表現のメリハリが出せるほたるちゃんが込める一呼吸だからよけい引き込まれます。
◆ 明日への手紙
(藤原肇, Original:手嶌葵/ドラマバージョン)
3:47辺りから。
ラスサビの小節がまるっと無音で始まる、すなわちアカペラパートです。サビ前の無音ではあるけど合唱曲とかゴスペルとかそういうベクトルの美しさともとれるし、何れにしても高い歌唱力のある肇ちゃんだからこそ当てられたカバーだとも言える。
ちなみに歌唱者欄でバージョンを明記している通り、この無音パートはドラマバージョンのオケにしか入らない。このカバーは一般応募から選ばれたものなのだが、カバーをリクエストした人がこれを意識してバージョン指定までしていたとしたら相当の剛の者だと思う。
◆ 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
(佐藤心, Original:サンボマスター)
3:39, 4:33辺りから。
Love & peace! Love & peace!
Love & peace! Love & peace!
Love & peace! Love & peace!
ということです(解説放棄)。
サンボ山口氏の独特な語りの入りを心さんがこれでもかってくらい全力でなぞっているのが最高なカバー。崖っぷち乙女の名は伊達じゃない。
正しくサビ前の無音としては「悲しみで花が咲くものか!」のほうですがそっちのがなるような全力歌唱も必聴です。無音で引き立つ叫びがそこにある。
◆ ワニとシャンプー
(大槻唯, 城ヶ崎美嘉, 藤本里奈, Original:ももいろクローバーZ)
3:26辺り。
無音セリフで聴き手の脳を破壊することに定評のあるギャル、唯ちゃん。
ギャル3人で組まれたこのユニットがあるくらいにギャルが潤沢なデレマスにおいてもちょっと幼さ・無邪気さがあって甘いボイスが冴える彼女だけにカバーでもばっちりセリフで刺してくる。
じゃあここが美嘉かふじりなだったら…?と思うと、美嘉だと切実さに振れすぎそうだしふじりなだとなんとかなりそう感に振れすぎるかもしれないなあとか想像が膨らむので、唯ちゃんはちょうどいいのかもしれない。
◆ぱ ぴ ぷ ぺ POP!
(安部菜々, 荒木比奈, 神谷奈緒, Original:Appare!)
1:08, 2:16辺り。
ノリの良い有頂天なサビと同じく軽快にノロケまくったBメロの間に挟まる一瞬の冷えきった返答。
全体を通して盛り上がりというか舞い上がりの続く曲の中でこの妙にリアリティのある冷めた返事が挟まるの自体が面白いし、それを絶妙にサビ前無音で表現しているのがこれまた凄い。
カバーとして見ると虹色ドリーマーの3人で歌ってるわけですが、1番では奈緒・2番では菜々さんがBメロの歌唱パートを担当している結果どっちでも冷めた返答をしているのが比奈センセというのが余計笑いを誘います。本人はそんな冷めた人じゃないのにあの落ちきったテンションが似合いすぎる。
アイツは無音常連の女、その名は─
と、ここまで様々な章に分けて私やPさんの見つけたデレマスのサビ前無音を紹介してきたが、実はまだ紹介していない楽曲がいくつかある。
と言うのもここからご紹介する楽曲、すべてある一人のアイドルのソロやカバー、ユニット参加曲などの持ち歌なのだ。
ここまで紹介した楽曲だと大槻唯ちゃんなどもソロ・ユニット・カバーなどでバランスよくいろいろなサビ前無音を披露していたし、他にもこの後の楽曲に参加している何人かは既に紹介済の曲でも登場した子達だ。
が、それと同等、あるいはそれ以上のレベルで常連か?という勢いのサビ前無音補完率を誇る「サビ前無音の女」がもう一人、いる。
というわけで、まずは一気に2曲、まとめて紹介しよう。
───
◆ ストリート・ランウェイ
(砂塚あきら, 多田李衣菜, 二宮飛鳥, 早坂美玲, 堀裕子)
1:10, 2:17, 3:27辺り。
◆ Hardcore Toyworld
(砂塚あきら, 早坂美玲)
2:05, 2:55辺り。
紹介したのはユニット「ラピエサージュ」と「My-Style Revo」の楽曲。ユニット内のメンバーだとあきらちゃんもソロも無音だったし、飛鳥ちゃんもダークイルミネイトにソロにと豊富な無音を聴かせてくれた。しかし今フォーカスを当てたいのはそう、
早坂美玲ちゃんです。
参加率という点で言えば先述の唯ちゃん、あきらちゃん、飛鳥ちゃんあたりも引けを取らない無音常連率ではあるのだが、美玲ちゃんの面白いところは無音の幅の広さ。
ストリート・ランウェイではズンッ…と止まるドラムのブレイクに乗っかるボーカルが心地よく、HardCore ToyWorldでは歌唱仲間のあきらちゃんのソロ曲よろしく横文字なワンフレーズの間の静寂が盛り上がりを煽り立てます。
と言うわけでここからは更にソロ曲とカバー曲も紹介します。ぜひどんな無音が仕込まれているか、お手元に音源を用意して確かめてほしい。
◆ Claw My Heart
(早坂美玲)
4:00辺り。
デデッデッデッデ!!
ツゥーーーーーーーー………
スッ
さぁ吠えろッッ!!
残響がプツッと一瞬途絶えてからの無音バックの「さぁ吠えろ」。パンキッシュな重たいメロディーの中で響く一言は孤独だとか孤高だとかを突き抜けた最強アイドルの主張というイメージを鮮烈に掻き立てる。
そう、まさに自分と似た思いを抱える若者を導く先導者ってかんじと無音がマッチするのかもしれない。だから歌うまなみなさんもサビ前完全無音をモノにしてるし……
◆ ambiguous
(早坂美玲, Original:GARNiDELiA)
3:26辺り。
君がぁあああ!今ッ!
となァりにッ!いィることぉおおおぉぉぉ………
ファッ…
他の誰にも着こなせない
これまた模範的なラスサビ前のガッツリフェードアウト。
全力のCメロからの静かな入りという動→静の緩急も美しく、そこからラスサビの最高潮へもって行く感じはデカい嵐の前に凪が訪れたかのよう。
曲としての良さとして言うならもちろんカバー元のGARNiDELiAの良さなわけですが、リクエストするPちゃんにしろ採用するコロムビアのエライ人にしろ、美玲ちゃんの周りには彼女にサビ前無音曲を歌わせたくて仕方ない人がいるのか?というレベルでマッチングしています。
とはいえこの曲は元のタイアップにもなってるキルラキルとか、ファッション+情熱みたいなところでのチョイスの側面のが強いと私は思っていますが……ただまあ、たまたまだとしても美玲ちゃんは「無音を引き寄せる女」なのかもしれない。
いかがでしたか?(定型文)
ふと気になったエントリがきっかけで曲を漁って記事にしただけでも思いがけない物量になってしまい、本当なら各楽曲の配信購入ページくらいぶら下げたかったんだけどそれどころじゃなくなった。
しかし恐らくはこれで全部ではない……というか、心当たりがありながらもグレーラインで除外した曲とかも何曲かあるので。
でも肝心なのは厳密な判定とか分類分けとか、ヘンに読み解きをすることとかではない。あなたが見つけた気持ちのいいファッ……の瞬間に思いをはせる事……
実際この記事を書くにあたって色んな曲を聴き返すことで、聴きなじんだ曲も改めて魅力に感じる部分を見直すことが出来た。みなさんもそんなかんじで、特定の好きポイントに注意して曲を聴きなおしたりするのもいいんじゃないでしょうか。まあ、何はともあれ、
無音………いいよね………
~fin~
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