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遠くで汽笛を聞きながら

アリスのこの曲を聴くことがあったもので。
メロディがとても素敵で、昔はいい曲だなぁと思っていた。
が…
改めて聴くと、なんだよこれ。こんな歌詞だったのか?ずいぶんつまんないな、と😅
だが汽笛が聴こえるという点は魅力的だ。とても。

人を裏切ったり傷つけたりはすまい、と思う気持ちを持つのは大事だ。
だが「何もいいことがなかったこの街で」ずっと暮らす必要があるのだろうか。
そんなにつまんない場所なら、引越せばいいのに。だいたい、嫌な思い出浸しの場所なんて縁起が悪い。
しかし就職困難なのは昔も今も変わりはない。
それより、その土地を離れられない理由があるのだろう。
もしかしたら今の仕事が案外気に入っているのだろうか。それならそれで、幸せなことだと思うから「何もいいことがなかった」とは言えないのではないか。
流れて来たのなら、また流れてゆけばいいのに。

で。
汽笛。これは哀愁を誘う。
昔、母の実家があったのは仙台市W区。東北線が近くに走る線路の近くにあった。
泊まるたたび、夜汽笛とともに線路を走る列車の音が聞こえるのがとても好きだった。
また、船の汽笛も良い。
昔、従姉の結婚式で青森駅の港近くのホテルに泊まったことがある。
夜な夜な、遠くからボーっという音が聞こえ、あれは何?と問うと船の汽笛だという。青函連絡船があった頃だから、40年前くらいの大昔だ。
そのときはふぅん、としか思わなかった。
が、何故かその思い出が頭から離れず、いつかまた同じように港近くのホテルで汽笛の音を聴きながら、窓際で酒が飲めたら…
できれば照明を落とした室内で。
なんてよく思うのだ。

今、汽笛が聴ける場所は少ないだろう。
汽車は電車と新幹線になり、
青森の港はすっかり変わってしまった。

昔の曲を聴くと、その時代にしかなかった情景がある。
懐古が好きなわけではないが、もう出会えないものに酷く焦がれることがある。
それは風景であり、ものであり、音である。
アリスのこの曲はもの寂しい内容であるが、「汽笛」というキーワードがノスタルジックな気分にさせてくれる点で好きである。

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