M&A PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)

2020年日本企業が関わるM&A(合併・買収)の件数は、1月から9月累計で前年同期比12%減の2686件と報じました。(日本経済新聞2020年12月28日付)

M&A成功に不可欠な株式取得後のポストマージャ―インテグレーション(PMI)に焦点を当てて解説します。

PMIとは、Post Merger Integrationの略です。株式取得など企業買収後の統合プロセスを指します。PMIの実施期間は、特に定めるものではありませんが、概ね100日をかけて、実行・完了させることが多いです。PMIで押さえる統合ポイントは4点です。

1経営理念と行動指針を買い手が被買収企業従業員にしっかり伝える。目的は、敵対買収ではなく、融合を目的とした買収であることを伝える。

2株式譲渡契約(SPA)時点までに策定された中期経営計画の進捗を、改めて見直し、重要業績評価指標(KPI)で徹底管理する。過去の財務数値を参考にして、目標値に到達するため、どのようなアクションが求められているのかを明確にする。

3PMI成功を導くための買い手と売り手企業との融合的プロジェクトチームの編成と開始を宣言

4ガバナンス体制の整備(グループ運営基本方針の策定、内部統制基本方針の設定、贈収賄防止方針の制定・内部通報制度の設置)

上記の各項目の実行を買い手がリードして実行していくこと。被買収企業従業員へ熱意と誠意をもって、語りかけ、辛抱強く、寄り添って、リードしていくことが成功の秘訣です。

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