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歯医者さんに託児を作った理由と想い

無料託児の導入を決めたきっかけ

理事長の濵口です。
戸畑あすか歯科には無料託児がある。
こどもも、ママも一緒に歯科医院に通う。
特にこどもが小さいうちは、お出かけも大変。
ましてや、自分の治療なんて後回しになる。
結果、ある程度子育てが落ち着いたときに来院したママさんたちのお口の中は大変な状態であることが多かった。

育児で大変な思いして、自分を犠牲にしてようやく歯医者に来たママ。
なのに奥歯は虫歯で折れて、抜歯しか選択肢がないくらいに悪化している。
決してオーバーな表現ではなく、そういったママさんたちが本当に多かった。

そんな苦い経験から、いつでも気軽に通える歯科医院を作ろうと託児を導入した。

無料託児はいばらの道だった!?

2017年10月に小倉の日明から移転開業して、今の戸畑あすか歯科ができた。
開業当初から、託児制度を導入。
保育士を雇い、安全なおもちゃを置き、床暖房を引き、何かあった時のために託児保険もかけた。
当時のスタッフたちにはどれほどこれからの歯科医院には託児が大切か説明し、開始した。

早速問題が生じた。
当時の衛生士たちが言った。

「これって、保育士がすることで、私たちは手伝わなくてもいいですよね」

意味が分からなかった。
託児を通して、地域貢献することは、会社の理念であり、達成すべきことだ。それを、共感せずに他人事だととらえている。

他人事だからこそ、患者様から託児のことを聞かれても、さあ?みたいな態度。
であるなら、託児部門は託児部門でやってやると私も大人げない態度をとった。
すると、保育士に攻撃が来る。

「託児がない時は暇ですよね。その時はこちらの掃除でもしてください。」

正直、私は歯科業界のレベルの低さに愕然とした。
数年、歯科衛生士をしていたなら、社会人としても当たり前のことができていると思っていた。

ビジネスの基本は「喜んでもらうこと」
そのためのアイディアを実現することは基本中の基本。
それが、自分勝手で、今までやってきたことのないことには、やる気を見せない。

いわゆる「変化に弱い」人種である。

院長の文句、待遇の文句、会社の文句…。
こんな歯科業界じゃ、絶対に世の中はよくならない。
私の挑戦は、まさにこの時に始まった。

信頼できる仲間ができた

人は絶対に変わらない。

理念とは。会社とは。社会人とはということを学んでこなかった人は、自分の物差しで語る。

私は1年も経たないうちに、当時のスタッフ全員退職してもらった。
いや、私から去っていった。十数人全員一度にだ。

1日何十人も来院される外来に、私一人で対応し、訪問歯科にも出た。
毎日毎日頭で考えるよりも、行動していたことを覚えている。

もう、託児なんてできないかもしれない。
歯科医院で託児をすることは、賛同する人なんて現れない。

弱気な毎日が続いた。

そんなときに、あすか歯科の門を叩いてくれたのが、
今の院長、川島先生だ。

彼も前職で私と同じような経験をしていた。
治療することは歯科のステータス。できないやつはクズといわれ。お局衛生士のいじめ。その他辛い経験をしてきたようだった。
歯科業界に正直嫌気を指していたように感じた。

私たちが目指す歯科界を作ろう!
このあすか歯科から変えよう!と毎日語り合った。

すると不思議なことが起こった。
我々に賛同する仲間が増えていったのだ。
今の訪問部の部長藤田先生、課長DH甲斐さん。託児を応援してくれるBigger Familyの瀬井さん。そして、本当に素敵な人格と知識をもったスタッフたち。

一度は、諦めかけた託児のことも、私が語る以上に共感してくれ、むしろ北九州1の歯科医院にしましょうって言ってくれた。

現在1階でチーフをしてるDHの灘吉さん。2階小児歯科部で責任者をしてくれているDH麻生さん、それについてきてくれるスタッフ。
本当に心が救われた気持ちでいっぱいだ。

私は正直泣いた。

こんな素敵な人たちと仕事ができていることを誇りに思うと同時に、言葉にならないくらいの感謝しかない。

あすか歯科の理念通り、スタッフを守り、患者様を幸せにする。
深く深く心に誓う毎日であった。

こんな方に託児を利用してほしい

子育てで悩んでいても、悩んでなくても、一度利用してほしい。
歯科の治療は二の次でいい。

私も2児の父親をしている。
2歳、3歳の時は本当にかわいい。
でも1日中、家で一緒にいると気が狂うほど疲れる。

保育園に送っていき、迎えに行き、ご飯を作り、寝かせる

これが1週間続くと、自分のことはどうでもよくなる。
妻とも喧嘩にもなる。

そんな経験を数年間した。
だから、自信をもって言える。

困ったときはお話をしてほしい。
悩みを打ち明けてほしい。

あすか歯科の託児は、本当に子育てのプロの保育士さんがいてくれる。
私もBigger Familyの瀬井さんや平田さんにかなり救われた。
1時間でも自分の時間ができると、次の活力にもなる。
うちの娘もあすか歯科の託児でお世話になることがある。

「この子があすか歯科の前を通った時に、今日は歯医者さんいかないの?」っていうんです。なんてママたちが言ってくれる。

「他の病院は連れて行くの大変なんですが、ここは自分から行きたいって言ってくれるんです」って言ってくれる。

歯医者に行くのは普通は嫌だ。

わざわざ痛い思いをしないといけない。削る音がいや。こどもたちが泣くのが当たり前になっている場所。

しかしあすか歯科は「嫌な場所」から「行きたい場所」へと環境つくりにスタッフは頑張っている。本当に感謝したい。

カフェのようにサードプレイスにはまだまだなれないかもしれない。
しかし、歯科医院が、生活の一部になり、そこでコミュニティが発生し、ここに来たママたちも、いつか大きくなる子どもたちも、歯医者さんに行くことが好きになってほしい。

そして、そのこども達が親になり、また自分のこどもに同じように楽しい空間を提供したいと思ってくれたら最高だ。

私の挑戦はようやくスタート地点。
素晴らしい仲間とともに、虫歯のない世界をつくる「夢」を実現したい。

https://tobata.asuka-denc.com/

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