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─少しくらい、思い出してくれても


20歳になった。


いつの間にか身長は伸びたくなった。
ニキビができないようにケアをしたり、隠すことがうまくなった。

お世辞や愛想笑いも、まだまだ だけど前に比べたら少しは上達したと思う。
着実に前を向かなくちゃいけなくて、無理やり誰かに背中を押されながらも頑張って大人になっている。


だけど、ふと空を見たとき、風を追ったとき、太陽がきらきらとまぶしくて目を細めたときに、いつだってあなたを思い出す。


会いたいのにもう会えない。


ひとりだけの最期に何を思ったのか何を願ったのか。
誰を思い出していたのかなんてこと分かりっこない。
だけど、どうしても知りたいし、今になってとてつもなく会いたくなった。


そっちが聞いてくれないから、成長した分だけ言いたいことや聞きたいことが勝手に募ってしまう。だけど仕方ないよね。


1%も教えてくれない。8年分のあなたの業。


2023年11月21日
11:48


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