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突き刺さって焼きつく


前から感じていたこと。
自分だけ、すこしまわりと違うのかなと思っていたこと。


たとえば、お風呂に入っているとき。
自分の体を洗っているときに、ふと「この体はだれのものなのだろう」と
おもうことがある。

たしかに自分のはずなのに、だれかの体を借りているような、まるで魂だけ体にへばりついているような不思議な感じがする。


たとえば、友達の笑顔を見たとき。
大好きで大切でたからものなのに、なぜかその笑顔を見ていると無性に泣きたくなる。泣きたくなるけど意味が分からなくて、結局困り笑顔になってしまう。


夕日だったり、川に反射する光だったり、雨上がりの露だったり。

この世のきれいなものを見ると、とてつもない大きな感情の渦に飲み込まれてしまう。そして、自分でも訳が分からないしどうすることもできないから、結局にこにこと笑いながら涙が流れていく破目になる。


分かっているようでつかめない焦燥。


今日もマスクの下で笑顔が張り付いている。アイシャドウはしていないのに、目の周りがラメでキラキラと光っていた。



#2023.10.30


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