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トラスロッドの調整

レギュラーチューニング時の弦の張力は、010-046のゲージで約47kg。開発当時の標準だったと言われる012-053のゲージで約75kgです。常時こういった弦の張力にさらされるネックは湿度の変化等をきっかけとして曲がってしまうことがあります。弦を張っている方向にネックが反ることを「順反り」、逆方向に反ることを「逆反り」と呼んで区別します。

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ネックが反らないよう強制するため、ネックにはトラスロッドと呼ばれる金属の棒が仕込まれています。ジャズマスターのトラスロッドはボディー側から調整するようになっており、ボディー側に埋め込まれた調整用ナットを締め込んでいくと、トラスロッドが弦に引っ張られる方とは逆の力でネックの反りを強制してくれます。

ネックの反りを確認する簡単な方法は下記の通りです。

1フレットと最終フレットを抑えて、その中間部分の弦とフレットの隙間を確認します。

隙間が全く空いていない場合はトラスロッドを締め過ぎて逆反り気味になっています。逆に隙間が空いている場合は順反りの状態です。

一般的には少し順反り気味の方がハイポジションの音詰まりがしにくいと言われています。名刺一枚分の隙間が空くように調整するのがコツです。

トラスロッドの調整用ナットを緩めた状態から締め込んでいくと、ある段階からキツくなります。トラスロッドは回せば回すほど逆反り方向にネックを強制しますが、この強制力が働くのはこの段階からで、それまではただ空回りしています。
ネックが反っていない場合でもこのキツくなるぎりぎりのポイントまでナットを締め込んでおくと、ネックの中でトラスロッドが遊んでいない状態を作ることができます。トラスロッドの遊びの有無でもサウンドが変わりますので一度試してみることをお勧めします。

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