ネイタル×トランジットだけじゃどうも腑に落ちない何かがあるとき
占星術を勉強するとやっぱり気になるのは、ネイタル×トランジット─二重円(ときには三重円)による運勢です。未来予測だけじゃなく、過去をひもといて「あぁ、あの出来事はここから来ていたのか」と納得し、かつての感情を昇華することにも役立ちます。
でも実際に何回か見ていくと、「あれほど強烈な体感があったのに、それらしき傾向が見当たらない…」と感じることも意外とよくあるんじゃないでしょうか。
人生の一大決心だった退職日のチャートはリアルな体感とズレていた
かくいう私もそのひとりで、10年勤めた新卒入社の会社を退職するとき(当時は占星術を勉強してなかった)、トランジット天王星なり、冥王星なりが、さぞや効いてたことだろう!と数年後にワクワクしながらチャートを見てみたのですが…
一世一代の決断だったにも関わらず、肝心の太陽に強烈なアスペクトはなく、トランスサタニアン(天・海・冥)がアングルに重なってる訳でもなく。ネイタル金星にトランジット天王星スクエアくらいで肩透かしをくらったものでした。
今回改めて見てみたら、ネイタルノード軸にトランジット土星合/木星スクエアなので、過去を淘汰し、新たな知識に触れて、ネクストステージへ!感はありますね。トランジット冥王星もネイタル金星と近いですし。
確かにあの退職後、私がやったことは短期留学で海外生活を満喫すること。その留学を活かして外資に転職するでもなく、内観や占星術など、自分の趣味的な要素(金星)へ向かったので、これも確かに納得はあります。
ですが、このチャートの印象以上に、当時の私は強烈な開放感とバチンと何かが切り替わった体感がありました(冥王星or天王星がもっと効いていた感)。かつてない決断ができたことで、丸ごと生まれ変わったような高揚感であふれていたのです。
潜在意識下のスイッチが切り替わった瞬間をチャートで見ることはできるのか?
しかし考えてみれば、ネイタルホロスコープは地球上で体験できることを表したものです。心理面を読みとく方法もありますし、その影響は私も実感していますが、あくまでも自分が認識できる領域に限った話のように感じています。
あの当時感じた、心のもっと奥の方で何かが切り替わった体感。
これは通常のネイタルホロスコープからも読み取れないこともないですが、プログレス天体やプログレス月相、ソーラーアークなど、かなり多角的に読みこむ必要があります。
あらゆる視点の天体やチャートを出し、特に重なっている部分や共通点を探すことで、内容を絞ることができますし、たくさんの証拠があるほどに説得力も増すものですが、実はもうすこし端的に、ズバッ!と出す方法があるんですね。
それがドラコニック視点を加えることです。
ドラコニック視点─つまり龍頭図を見ます。龍頭図とは、ドラゴンヘッドを牡羊座0度に向けてクルクルと回すことで、各天体に位置する星座の変化を見る方法です。ドラゴンヘッドは精神的成長を促すポイントなので、そこを牡羊座0度に設定するということは、新たに生まれ変わるために必要な事柄を示している、と言えます。
ドラコニックネイタルなら、私たちが生まれた理由、この人生でどんな精神的成長を求めているか?を知ることができます。これは占星術好きな方なら聞いたことあるんじゃないでしょうか。
しかし実は、ドラコニック視点はこれだけに留まりません。そう、ネイタルだけじゃなく、トランジットにも適用されるのです。
私たちがトランジットと呼ぶ、現在進行系の星回り。これを表=現実に作用するバイオリズムだとしたら、ドラコニックトランジットは裏。潜在意識下のバイオリズムという考えられるのです。
この視点が加わると、ネイタル×トランジット(二重円チャート)は全部で4つになります。
①ネイタル×トランジット(いつもの)
②ネイタル×ドラコニックトランジット
③ドラコニックネイタル×トランジット
④ドラコニックネイタル×ドラコニックトランジット
この読み方はastroseekという海外の占星術サイトでたまたま見つけました。そのため、どこかで勉強した訳ではなく、私の個人的な検証に留まりますが、時折セッションで実験的に取り入れたところ、どの方も口を揃えて、非常に目が醒める感覚があり、理屈じゃ説明しきれない行動の意味を理解できたと言っていたので、一定の効果はあると考えています。
退職日に潜在意識下のバイオリズムはどう関わった?
さて、では実際に私の退職日ではどうだったかを見てみたいと思います。
これは通常のネイタルホロスコープにドラコニックトランジットを重ねたものです。私が顕在意識で実感しやすい人生のシナリオに、現在進行系の潜在意識下のバイオリズムはどう影響したか?をあらわします。
もはや説明不要。ドラコニックトランジット冥王星・月とネイタルアセンダントが重なっています!あのときに私が感じた「かつてない決断をできたことで、丸ごと生まれ変わったような高揚感」はここから来ていたようです。ネイタルでおきたことなので、より強く体感できたのだと思います。
しかもアスペクトを見ると、ドラコニックトランジット冥王星・月がネイタル天王星・ドラゴンテイルと135度(セスキコードレート)。不要なパターンをなにがなんでも手放して、なにがなんでも過去をアップデートしていくんだという、一種の圧力のような配置ですね笑。
そしてこの日に限らずですが、ネイタル冥王星とドラコニックトランジット天王星も重なっているのがダメ押し感です。通常のネイタル×トランジットなら、この配置が来るのは80歳を過ぎてからなので、潜在意識界ならではの体験と言えます。
(余談ですが、“過去をアップデート”というところがポイントです。今までの経験を丸ごと捨てるのではなく、大幅に改造して活用する感じでしょうか。ドラゴンテイル=全部手放すと解釈するとのちのち迷宮入りすることがあるので、ここはおさえておきたいところです)
顕在意識と潜在意識の関係性を読みとく
最後に、通常のネイタル×トランジットとの関係性も探ってみたいと思います。
ネイタル×ドラコニックトランジットで印象的だった、冥王星・月は、ネイタルでは私の金星に重なっています。根底から生まれ変わるためには、金星=喜び・受け取る・美意識が必要ということになります(しかし以前も思ったけど、私の運勢って本当に金星推しだな笑)。
そして、「潜在意識レベルで徹底的に生まれ変わるべく過去をアップデートしろ」と圧力をかけられていた私の天王星・ドラゴンヘッドは、通常のトランジットだと土星が重なります。
やはり、過去を完全に切り捨てるのではなく、必要なものは残す現実感覚がカギのようです。しかし、ガチガチに過去に縛られないよう、トランジット木星もスクエアながら応援。乙女座=手に職的な知識とも読めるので、これがわかりやすい占星術発信を暗示しているのかな(天王星・テイル射手座=占星術なので、わかりやすさ追加的な)。
天王星×金星だけだと、「ビビッと来た好きなことを突発的にやる」解釈になりますが(実際に私の退職&留学決断はそんなところもありましたが)、ここにドラコニック視点が加わると、単に楽しいだけじゃなく、自分の人生を生き抜くという真剣味が加わります。
当時の衝動と実際に取った行動の関連性がよくわかり、今後何に集中して生きたら良いか(この場合は金星とヘッド/テイル)明確になるのが、ドラコニック視点の良さじゃないでしょうか。
次回はドラコニックトランジットの出し方をご紹介したいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!