地方恒星時の計算方法

前回、「それをもとに計算し」などと書いて、どのように計算したかは、書かなかったので、それを書いてみたいと思います。今回は興味ない人には特に面白くない内容かもしれませんが、手計算でホロスコープを書いてみたい人には役立つかと思いますので、書いてみたいと思います。前回の記事の2022年1月9日世界標準時0時48分(日本時間9時48分)太陽・金星の合の東京ということを例に書きます。

今回の資料は、"The New American Ephemeris for the 21st Century at Midnight: Michelson Memorial Edition"と"The Michelsen Book of Tables"です。前回の記事の太陽と金星の合の時刻は、"Raphael's Ephemeris 2022"で見つけましたが、世界標準時の0時台ということで、"The New American Ephemeris for the 21st Century at Midnight: Michelson Memorial Edition"のデータで計算しました。この天文暦は世界標準時の深夜0時、ラファエルの方は、正午12時を基準に書いてあります。

"The Michelsen Book of Tables"の資料によると東京は東経139度46分、北緯35度42分、地方恒星時を出す時のグリニッジと東京の時差は9時間19分4秒だそうです。"The New American Ephemeris for the 21st Century at Midnight: Michelson Memorial Edition"によると、2022年1月9日世界標準時深夜0時の恒星時(Sid.Timeの欄を参照)は、7時14分3秒で、太陽時と恒星時は進み方にズレがあることから、時間差の加速度を求める必要があります。太陽と金星の合は世界標準時の0時48分なので"The Michelsen Book of Tables"123ページのTable II Solar-Sidereal Time Correction の表を見ると8秒とあります。7時14分3秒+0時48分+8秒+9時19分4秒(東京都との経度による時差)=17時21分15秒となります。この時刻の東京の地方恒星時は17時21分15秒となります。この時刻の室項表を見ればよいわけですが、17時20分のが一番近いですね。より正確には17時24分のと17時20分の差を求めて計算します。なお、ルル・ラブア先生の『占星学』には時間差の加速度を求めるときに(1時間あたり)10秒を掛ける(360で割る、ここは筆者が補いました)というのがありますが、計算してみたところ同じ値(8秒)になりました。

なお、日本時間(あるいは、各地の標準時など)をもとに、世界標準時を基準に作られた天文暦を用いて計算するときは、世界標準時に換算する必要があります(場合によっては日付も変わります)。日本時間の場合は9時間日本時間が進んでいますので、9時間を引けば世界標準時になります。

世界標準時0時48分をラファエルの天文暦で計算する場合は、世界標準時正午の恒星時より引き算をすることになります。正午12時と0時48分の差は、11時間12分、時間差の加速度は1分51秒、1月9日世界標準時正午の恒星時は19時16分2秒で、計算は、19時16分2秒−(11時間12分+1分51秒)+9時間19分4秒=17時21分15秒となり、アメリカの暦で計算したのと同じ値になりました。

なお、経度から時差を求める方法ですが、"The Michelsen Book of Tables"には124ページにTable III Time Correction for Longitudeという表があり、それを使って求めることが出来ます。アメリカのこういう本はかなり親切だったりします。 計算する場合は、東経(西経)何度何分という経度に、4分を掛けます(15で割ります)


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