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昭和40年、布施市のスーパーマーケット


 東大阪市立永和図書館で閲覧した資料「布施市におけるスーパーマーケット経営実態調査 昭和40年7月」によると、昭和40年3月時点で、布施市内においてスーパーマーケットと称していた店舗は上の7軒です。
 同じ年の4月開店予定の店舗が布施駅周辺で1店、長瀬駅周辺で2店有ったという記述がありますが、残念ながら詳しい店名は載っていません。
 上の表を見て気づかれると思いますが、7店舗のうちの6店の取り扱い商品が衣料品中心です。
 当時のスーパーマーケットは、いずれの店舗も商店街の中あるいは近辺に立地していました。
 そこで私自身の記憶の中で、古くからある有名商店街の近くのスーパーマーケットの中に何故か衣料品専門のスーパーマーケットが良くあるのを不思議に思った事を思い出しました。実例で言えば、ニチイ生野店、サカエ瓢箪山店、ダイエー駒川店などです。いずれの店も今はもう存在していませんが。
 その理由がこの資料にズバリと述べられていました。

 【布施市におけるスーパーマーケットは昭和35年以降布施駅を中心に急激に増加したが、その多くは衣料品を中心とするスーパーである。
 これには本市内に小売市場が乱立し過当競争が行われ食料品スーパーの進出を阻止していたと考えられる。】

 「小売市場」とは今も存在する豊中市庄内の「豊南市場」の様な形態の市場や、公設市場、ひとつの建物の中に小売店が集まって出来た市場を言っているのではないかと思います。
 その様な「市場」の中から現在の「食品スーパー」に形態を変えてきた店もかなりあります。
 日本全体としてのスーパーマーケット史を綴った資料は結構あると思われますが、地域的に見た商店街との関係も合わせた、ローカルなスーパーの資料は極めて少ない様です。それを調べるには断片的な記録を繋ぎ合わせて行く他無いでしょう。

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