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SLIM月面軟着陸

SENENE-B 月着陸実験機の概念設計に宇宙ベンチャーで当時の機械構造系の変人上司と関わっていた頃から17年、ispace立ち上げ時にオランダでランダの着陸時のショックアブソーバの解析をしてから13年歳月が流れ、一つの結果が出ました。

JAXA | 小型月着陸実証機(SLIM)の月面着陸の結果について https://www.jaxa.jp/press/2024/01/20240120-1_j.html

宇宙ベンチャーでは、SELENE(かぐや) のTerra incameraの熱構造モデル、SELENE-B(2)でランダの概念設計、ローバの車輪の熱真空試験などをしていました。
WhiteLabelSpace(現ispace)の初期欧州の横長なランダのショックアブソーバは、ADAMSでの機構解析でした。
自分が抜けたGLXP終了後の改めて国内で開発することになったランダの形状が縦長なのが気になりましたが、去年の月面着陸では制御系の不具合で衝突し、ソフトランディング時に構造系がどうだったかわからず。
私がispaceを立ち上げた狙い通り、民間で月に挑むチームが日本からも出たことで、硬直化していたJAXAにも刺激を与えることが出来、GLXP参戦していた頃に予算縮小でSELENE-2が小型のSLIMに変わり、ずっと課題だった水平(動力)降下フェーズから垂直降下フェーズのソフトランディングのズレに対し、高精度にピンポイント着陸地点を目指し、かつ着陸直後に前のめりに倒れ込むという大胆な設計コンセプトに。

現時点で、太陽電池パネルが作動していないというのは、前に倒れず、違う向きで着陸しているからなのでしょうか?

今後のデータ解析で、不具合の原因がどう特定されるかにもよりますが、今回、国のプロジェクトと、民間の資金調達や広報も含めた大変さは違うとは言え、新しい着陸方式が結果を残したことは、民間の技術検討にも影響を与えそうです。

一昨年は、JAXA月通信アーキテクチャ検討案件で、月面基地と月周回衛星の最適化に関わる大胆な提案をさせていただいたこともあり、今回のように着陸は成功したが、太陽電池パネルの稼働が確認出来ない、高精度着陸位置制御が出来たかわからない、などの初期キャリブレーションを、システムとしてバックアップし、冗長性を持たせて地球に送信出来るアーキテクチャを将来的に構築することを目指しています。
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202302271460592886

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