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バルコニアン(10) モミジとカエデ

若葉萌ゆる五月

五月ともなると、木々の若葉が萌え出し、ルーフ・バルコニーも美しくなります。バルコニーなので大きな木はないものの、モミジやカエデの若葉が楽しめます(図1)。

図1 ルーフ・バルコニーにあるモミジとカエデ。

葉の色と形

葉の色、葉の形。モミジとカエデと言っても、かなりヴァリエーションがあります。

今まで、葉の色の違いには気づいていましたが、葉の形の違いに気づいたのはバルコニーで園芸を始めてからです。また、図1を見ておわかりのように、葉の色も微妙に違います。さすがに銅葉は緑というより赤に近い色なので差が歴然です(図1のA)。銅のように赤黒く、光沢のある葉を銅葉と言いますが、個人的には大好きです。

また、図1を見ておわかりのように、幹の色にも違いがあります。Eは今年の春に買ったものですが、幹の色は真っ赤です。面白いものですね。

モミジとカエデの名前

ところで、モミジとカエデは同じ種類の植物なのか、よくわかっていませんでした。そこで、勉強のために『カエデ、モミジ』(河原田邦彦、NHK出版、2006年)という本を買って読んでみました。この本はNHKの『趣味の園芸』に準拠した、シリーズ本の一冊です(図2)。

図2 『カエデ、モミジ』(河原田邦彦、NHK出版、2006年)の表紙。

この本を読んでわかったのですが、なんとモミジとカエデはいずれもカエデ科、カエデ族の植物とのことです(56頁)。つまり、図1に示したものは、すべてカエデということになります。不勉強が身に染みるとは、まさにこのことです。

モミジとカエデの名前の由来は次のようになります。

  紅葉(こうよう) → 紅葉(モミジ)
  蛙(カエル)の手 → カエデ

カエデがカエルの手だとは思いもよりませんでした。図1でいうと、Cの葉がカエルの手に似ているでしょうか。

銅葉の思い出

私が銅葉に関心を持ったのはずいぶん前のことでした。それは日本での経験ではありません。仕事で訪れたイギリス・ウエールズの町、カーディフでみた景色です。街の中を歩いているとやや広い公園に出ました。一面の緑の芝生。ところが視線の先には銅葉の木がひとつ輝いていて見えたのです。

そのとき思いました。もし、いつか庭を持つなら、銅葉の木を植えたいものだと。その思いは少しだけ叶っています(図3)。

図3 ルーフ・バルコニーの銅葉。

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