バルコニアン(14) 流木園芸に感嘆!
流木で園芸を
あるとき、テレビを見ていたら流木や古い家具の一部を利用した園芸の話が出てきました。流木などに見合う植物をあしらうと、まるで自然の中で見る風景ができあがります。バルコニーに飾るとよさそうです。
その番組はローカルな話題を提供する番組だったので、紹介されていた流木園芸の達人は隣町に住んでいる人でした。その方のお宅は歴史的美観地区の通りにあるようです。その通りは有名で、私も何回か歩いたことがあります。車で行けば30分ぐらいです。
「よし、行ってみよう!」
ということで、次の日、妻と一緒に車で出かけることにしました。
美観地区なので案内所があります。そこで伺うと、その方のお宅はすぐにわかりました。お宅に着いて、「テレビで見たのですが」という話をしたら、快く作品を見せてくださいました。
見事な流木モミジ
いろいろな作品があり、本当に感心しました。作品の中に流木にモミジをあしらったものがあり、目を惹かれました。その方もその作品を気に入っているようでしたが、なんと快く譲ってくださいました。おかげで、我が家のバルコニーに流木モミジが仲間入りしたのです(図1)。
流木の上に苔を這わせ、そこにモミジを植えることになります。よく根が張ったものだと思います。
この流木モミジを買ったのは3年前のことです。秋に紅葉し、冬には葉が落ちます。そして、春、また美しい葉が出てきます。これを3回繰り返して、今の姿になっています。大したものです。
流木はどこで?
流木モミジを作るにはモミジ、苔、流木が必要です。流木はいったいどうやって手に入れるのか? これが一番の問題になります。そこで、流木モミジを買うとき、作者の方に伺ってみました。すると、意外な答えが返ってきました。
「ダムでもらえるんですよ。」
その方のお宅から車で30分ほど山側に行くと、ダムがあります。ダムでは当然、流木が流れつき、邪魔になります。そこで、そのダムでは月に一回、ダムに流れ着いた流木を欲しい人にタダで提供しているのです。欲しい人は名前を登録しておくと、流木提供日の連絡が来るのです。まさか、ダムに流れ着いた流木を生かしているとは思いもよりませんでした。
後になって知ったのですが、流木はホームセンターでも置いてあるところがあります。また、ネットでも買うことができます。しかし、ダムに流れ着いた流木を手に入れ、それを使って流木園芸をするのがいちばんのように思います。何しろ、いろいろな木がダムには流れ着きます。流木との一期一会の出会いを楽しめるのではないでしょうか。
流木モミジは密やかに
図1では流木モミジの風情を見ていただくためにテーブルの上に置きました。しかし、いつもはひっそりとした場所に置いています(図2)。大きな銅葉色の紅葉の影になるところです。ここだと夏の強い直射日光を避けることができます。
流木に宿る新たな命
流木モミジを買ったときには、モミジ、苔、流木の3点セットでした。しかし、3年の時を経ると、小さな草花が生え始めました(図3)。
可憐な黄色い花を咲かせています。
私はこの草花の名前を知りません。紅葉を主役とすればこの草花は雑草に分類されると思います。しかし、あの偉大な植物学者、牧野富太郎先生(1862-1957、NHK朝ドラ『らんまん』の主人公)によれば「雑草という名前の花はない」ということになります。
可憐な花を咲かせてくれたことに感謝し、抜かずにそっと見守る日々です。
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