ソーシャルの運営は面倒くさい

強制退会の件で皆さんがざわついてるんでんですが、正確な情報が分からないんでどうとも判断できない今日このごろ。

まあ、でも、ソーシャルの運営って面倒くさいですよね。
って言うか、面倒くさいんですよ(笑)
いや、まあ、今はゲーム作ってないんで良いんですけど、当時は本当に面倒でした。
そんなこんなでソーシャルゲームの運営が面倒だったって話を書きたいと思います(笑)

ある程度やってると苦情や機能改善要望に対するノウハウ(みんな『ナレッジ』って言いたがる)みたいなのは貯まるんですけど、基本的には社外秘の塊なんで、的確な本とか存在しないし、ネットにもあんまり情報は転がってない。
正解がどこにあるのかイマイチ分からない。

ちょっとした設定ミスや、操作ミスでも「サービスの根幹を揺るがす重大なミスだ。謝罪して全員にゲスい石を配れ!100個配れ!」みたいな人もいるし、そうかと思えば明らかに損してるのに「いやいや、良いですよ。頑張って下さいね」みたいな人もいる。(実例ではなくて雰囲気で書いてます。実例は守秘義務あるんで書けません)
ネットにユーザー情報や苦情内容なんかが書けないのは当然ですんで参考にするものがない。ケースが色々過ぎて対応って難しいんですよね。

あと、システム側で不都合な話があって、それをユーザーさんに言いたい時があっても、そういう話は書けない場合がある。

例えばAと言うサービスをやってて、不便なUIがあったとする。
ユーザーはもちろんのこと、作ってる側も分かってる。
でも、今はBと言うサービスを作ってて、他のサービスのUIなんか直しているヒマがない。
ある程度技術的なことをかじった俺でも「すぐに出来るでしょ?」って言って怒られてたぐらいだから、ユーザーさんの意見が異常にハードル高かったりしても言ってる方は「すぐに出来るでしょ?」って思ってたりする。

当然、そんな話はこっちの都合だからユーザーさんに告知なんかしないし、聞かれても答えられない。
適当な人だったら「実装を検討させていただきます」みたいな事をとりあえず言えるんだけど、そういう誤魔化し方が出来ない真面目な人もいる(笑)
見通し立たないのに、期待を抱かせる訳にはいかないな、と。

そうこうする内にユーザーさんから「UIが悪いのはサービスの根幹を揺るがす~」ってメールが来ちゃう。

知るかボケ!

って言いたくなる(笑)
宿題やろうかな?とか思った瞬間に「あんた、宿題はやらなくていいの?」ってお母さんに怒られる感じ(笑)

いまやろうと思ってたのに!
もう宿題なんかやるもんか!
って思っちゃう。
まあ、仕事なんで最終的にはやる事も多いんですけど、最初の頃に「これ実装したらみんな喜んでくれるかな!」みたいなウキウキ感はもう無いから、やってて楽しくない。

メールだけで来るならまだしも公式のBBSとかに書かれちゃって、他の楽しくやってた人との温度差出ちゃって変な空気を醸しだしちゃったり。

で、こういうのって何が問題かって言うと、本当に機能を改善して欲しい人だけが言ってくるわけじゃないんですよね。
なんでも良いから相手を謝らせたいとか、得をしたいとか、話し相手が欲しいとか、BBSで目立ちたいとか言う人も少なからずいる。
そして、苦情元の真意がどこにあるのかが分からなくなる。

そういう場合、どうするかって言うと
・「今後、この件に対するご回答はいたしかねます」みたいな切り方をする
・メールの内容を公表しないことを約束させる
・規約をガチガチに固めるか、どうとでも取れるようにする
・BBSを無くす
みたいな方法を取るしか無い。
要はユーザーさんの自由度を低くする。

これで誰が一番損をするかというと、苦情を言ってきていないユーザーさん。
そして誰が得をするかというと、誰も得をしない(笑)

ソーシャルゲーム作る前に大きい会社で受けた苦情の技術的な調査をする部署にいたこともあったんですけど、ユーザーさんも企業側も基本的にはみんな「問題を解決したい」んですよね。
話し相手が欲しいだけの場合でも、やっぱり「問題を解決したい」には違いない。

でも、まあ、お互いの事情があって、譲れない部分があって、制約があってってなると、感情的な態度に出ちゃう場合がある。
そして最終的にどっちも損をする。

同じ感情的になるんでも、相手の事を思いやったやりとりをした方が、お互いに得することの方が多いと思うんですよね。
同じ要求を出すのにしても、一言謝意を添えるとか、こういう部分は素晴らしいと褒めてみるとか。

今は企業がどうクレームに対処するかって事が課題になっていると思うんですが、『「この人のために何とかしよう」と思わせるクレーム術』みたいな方法を編み出すのも面白いかも知れませんね。
2週間、毎日2時間ぐらいずつ残業してでも、この人個人を喜ばせるために実装したいと思わせる方法。

そういう路線で何か考えられたら楽しいんじゃないかなと思う今日このごろでした。

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