日本橋ヨヲコ画業20周年記念展を褒めてみる

10/7(金)~10/9(土)まで2泊3日で秋田旅行に行ってきました。
メインの目的は増田マンガ美術館(横手市)で開かれている、「日本橋ヨヲコ画業20周年記念展」。

元々、行ってみたかった場所だったのと、好きな作家さんの特別展だったのと、うっかり有給が取れたので行ってみました。
知らない作家さんだなぁって方もいるかもしれませんが、もしかしたらこの絵は知ってるかも。

6:38のこまち1号(始発)に乗り込んでいざ秋田(10:24着)へ。約4時間ほど新幹線に乗りっぱなしです。(実際には横手に行くには大曲で下りた方が早いんで、新幹線を途中下車してます)。

横手でいったん下りて、かまくら入ったり、焼きそば食ったり、温泉入ったりした後に最寄駅の十文字へ移動。
タクシーで1700円ぐらいかけて、まんが美術館へ(バスもあるらしいんですが、どうやって行けばいいのか分からなかったんで大人パワー(金)で解決しました)

入場料500円を払って特別展へ(常設は無料)。

事前にある程度は知ってたんですがとにかく展示の点数が凄い。
展示物のほとんど(他の著作権に絡むもの以外)が撮影OKだったんですが、全部撮れるような量じゃなかったです。

心に突き刺さって、自分を省みた結果、嫌な気分になる名言の数々の原画も。

あー、本当に行ってよかった。って感じなんですが、ここまで一切褒めてないんで作品の事を褒めてみようかと思います。

日本橋ヨヲコ作品にはいくつかのキーワードが共通して出てきます。
・高校
・夏休み
・退学
・スポーツの挫折と人間的成長

「粋奥」以外のマンガが全て高校生を主人公としている事を考えると当たり前のことのようにも思えますが、作者が最終的に描きたい事を色々なアプローチで表現している気もします。

例えば、違う漫画に同じようなセリフが登場する場面が何箇所かあります。

例1
「走るためだけに走ってよ」(ストライクシンデレラアウト)
「今は 描くためだけに描いてます」(少女ファイト)

例2
「だから今だけ あんたの右手になってやる」(極東学園天国)
「オレが鉄男の手になります」(G戦場ヘヴンズドア)

例3
「心配すんな 校長にはまだ退学届だしてねーよ」(ストライクシンデレラアウト)
「鉄男が蔵田先生のおかげで復学できたり(退学処理してなさそうな伏線あり)」(G戦場ヘヴンズドア)

例4
「オレは本気が見たいんだよ」(ギアボイス)
「オレは本気が見てえんだよ!!」(G戦場ヘヴンズドア)

と、まあ、ざっと思いついたのを書きだすだけでも、こんなにある。
人によってはワンパターンと取ってしまうかもしれませんけど、俺はこれは明確な作家性だと思っています。
作者が今まで何に感動したか。
何を表現したいか。
何を分かって欲しいか。

淀川長治が生前、映画は色々な物を本数を見るんじゃなくて良い映画を何度も見るようにすべきだと言っていた事がありました(出典思い出せませんが)。
映画を観る天才と言われ、アホみたいに映画を見ていた人がそんな事を言っても何の説得力もない気もしますが(笑)、好きな映画って確かに何度見ても新しい発見があったり、新しい視点が生まれたりするんですよね。

漫画もこうやって作家を追って読むことで、より深く理解できるようになるんじゃないかと思うとともに、自分もそういう作品が作れたらいいなぁとおもってしまいます。

「あなたの描くうそは、誰かがお金を払ってでも騙されたいものかしら?」(G戦場ヘヴンズドア)


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