「THE GUILTY/ギルティ」が面白かった
先週の金曜日(2/22)に公開された「THE GUILTY/ギルティ」が面白かったんで、出来るだけネタバレしないようにして色々書きたいと思います。(たぶん見た人が読むと、感想が浅いように見えると思いますが、細かいとこ言及するとネタバレるんで)
【あらすじ】(MovieWalkerより引用)
アスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)はある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、緊急通報司令室のオペレーターとして、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど些細な事件に応対する日々を過ごしていた。そんなある日、今まさに誘拐されているという女性自身からの通報を受ける。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣いなど、微かに聞こえる音だけを手がかりに、アスガーは事件を解決することに……
【感想】
あらすじを聞いた時は、音だけを頼りに事件を解決する話だと思ってたんですよ。例えばエンジン音で車種を割り出したり、霧笛の音で港にいることを探ったりする映画だと思ってたんですね。
実際には音で何かを割り出す事はあまりなくて、会話のやり取りで事件を解決していくタイプの話でした。
安楽椅子探偵かと思ったら、ネゴシエーターだったぐらいの違いがありました。
音を頼りに事件を解決するといえば、映画「スニーカーズ」の中で主人公が周囲が見えない状況でさらわれて、あとから移動した経路を割り出すシーンがあって、すごく好きなんですよ。
そういうのを期待してたんですけどね。
んで、まあ、期待してた感じとはだいぶ違ったんですが、緊迫感があって文字通り息の詰まる映画でした。
観終わったあとに大きく深呼吸(ため息?)するような。
劇中に出てくるのは繋がっている2部屋とそこに通じる廊下だけ。
主なシーンは緊急通報司令室の一角のデスクが並んだ島と、その横の個室のみで進みます。
カメラもずっと主人公を写してる。
ちょっと構成変えれば舞台で一人芝居にしてやっても成立するぐらいのミニマムな設定。
でも、その限られたシーンの中で、音や、光や、演技を通してちょっとした物音も立てられないような緊迫感を作り上げている。
BGMは1曲も使われてなくて、劇中で鳴る音と言えば電話のベルとか、携帯のバイブ音とかなんですけど、その音に過剰に反応するようになっちゃう。
1点、もやっとしたのは主人公がちょっと嫌なヤツな事。
独善的と言うか、幼いと言うか。
他の人の感想でもそんな感じのが目立ったんで、みんな感じる部分なんだと思います。
あそこまで明確に「ちょっと嫌なヤツ」じゃなくても良かったんじゃないかなぁ。
特に周囲に対してはもう少し取り繕っても良い気がしました。
さて。
この映画の話を聞いた時に最初に思い出したのは、4年ほど前のアメリカの話。
緊急通報にピザの配達を依頼する電話があり、不審に思ったオペレーターはやり取りを続け、異変を察知して、相手にYes/Noで返事をさせて、現場に警察を派遣し、DVから女性を救ったそうです(参考ページ:ロケットニュース)
恐らく、この映画の製作者もこの話を目にしたんじゃないでしょうか?
普通の人間なら「オペーレーターさん、機転が利くなぁ」で終わらせる所を、ここまで緊迫感のある映像に仕上げるのは凄い才能だと思います。
上映館少ないの、本当に残念なんですよね。
俺は新宿武蔵野館で見たんですが、土日は満席になる回もあったらしく、評判は良いらしいんですけど、90分弱って上映時間もあってか、あんまり大きいところでやってない。
映画館の暗闇のなかでこそ映える映画だと思うんで、もしよかったらぜひ見に行ってみてください!
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