昔は常識だった事

3年ぐらい前の話。
会社で隣の席の方がパソコン見ながらなんかの数を数えてたんですよ。

「1つ、2つ、3つ(中略)7つ・・・ あれ?1つ足りない」

余りにもナチュラルに言ってたんで笑いながら「お菊さんじゃないんですから!」ってツッコんだら「誰ですか?」って聞き返されまして。

え?今の若い人、お菊さんが皿数える話を知らないの?と。

番町皿屋敷って名前なら知ってます?って聞いても知らないって言われてビックリ。
更に聞いてみると牡丹灯篭も、四谷怪談も知らない。
個人の問題かと思って社内で聞いて回ったら、ある年代(その時点で30歳ちょっと前ぐらい)から認識の割合がガクンと下がる。

なんだ、これ?

漠然と知ってても内容知らなかったりする。
「皿数えるんですか?」
「井戸から出てくるんですか?貞子みたいですね」
とか言われる。

で、まあ、これを知った時に「最近の若者は怪談話も知らんのか!」って言うのは誰でも出来る。
でも、ちょっとこれはおかしくないか?って気になりまして、考えてみました。

たぶん…
完全に俺の妄想なんですが、どっかのタイミングで、意図的にそういう話が流布されなくなったんじゃないでしょうか。
オカルト系の話を子供の耳に入れないようになってたり、TVで放送しなくなったり。
恐らく、オウム事件辺りなんじゃないでしょうか。
95年~2000年辺りの宗教テロや世紀末への漠然とした不安(ノストラダムスとかも込みで)を払拭する狙いがあったんだと思います(陰謀論的なもんじゃ無くて、社会の雰囲気的に)。

で、これがちょっと恐いなって思うのは、江戸時代からみんなに知られてきた物語が、ある年代で急に認知度が下がっているって事なんですよね。
これ、知らない若者が悪いんじゃなくて、隠すようになった大人が悪い。
そして、もしかしたら、俺達の年代も、自分が知らないだけで、何かしら「昔は常識だった話」を一切知らずに生きているのかもしれない。

これ、自分じゃ何を知らないのか分かりませんからね。
結構大事なことを知らない可能性がある。
もしかしたら怪談よりも恐い話かもなぁと思います。
(個人的には怪談は一切駄目なんで、無くなっても良いと思ってますけどね(笑))

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