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きのたけ戦争に興味のない人間がきのこの山とたけのこの里の食べ比べをしてみた。

まずもってインターネットという場でこの戦争は決着しない。

何故なら全ては冗談であるから。

だからこそ、その冗談に真摯に向き合ってみるという試みである。



皆さんは「きのたけ戦争」についてご存知だろうか。
株式会社明治から発売されているチョコレートスナック菓子
きのこの山」と「たけのこの里」のどっちが美味しいかという消費者間で行われている論争である。

wikipedia曰く意外とその歴史は古く
1980年頃から始まり、2001年には大々的に投票イベントを行った結果低迷した売上を回復させたそうで
現在は販売戦略や広報として機能しているようだ。

調べてみるまでは、よくわからないネットミームのようなものだと思っていたが
造り手の思いや生活、ボーナスの査定も絡んでくるものだと想像すると自分の思慮が浅さを反省した。

とはいえ、私はやっぱりこの論争は好きにはなれない

理由はとても言語化しにくいが
こう……冗談とはいえ、冗談だからこそ
強い言葉で何かや誰かを強く罵るのは、見ていていい気分にはならない。

もう少し言うと普段こういったスナック菓子をあまり食べないので、基本的にこの論争の当事者にはならない。

そこでふと思いついた。
自分はこの両者の違いをかなり平等な目線で比較検証が出来るのではないかと。

これが今回これを書くに至った経緯である。

きのこの山とたけのこの里

というわけで早速買ってみた。
インターネットではよく見た箱、買ってみると案外大きい。

裏面に書いてあるお菓子の製品説明は一旦読まないでおく。

今回は先入観を持たないために下調べなどはせず、基本的のは自分の感想を述べていこうと思う。

味が混ざったりしないよう、今回お水とコーヒも用意した。

では早速食べていこう。

きのこの山

めっちゃ美味しい。

口に運んでみるとまずはチョコレートとクラッカー、それぞれの存在を強く味わうことができる。
甘さひかえでも、しっかりと主張するチョコレートと小麦の香ばしい味のクラッカー

口の温度で段々チョコレートが溶けていくうちに、これらの味が段々と一つになっていく感覚が味わえる。

とっても美味しい。

チョコレートがものすごく美味しい。
くどくないように作っているのか、ほんのりとビターチョコっぽい味も感じるしそれがクラッカーとよく合う。


さて、大切なのはここから

今回の目的はきのこの山とたけのこの里の違いを見つけること

コーヒーと水で口の中を洗い流したら、たけのこの里も食べてみよう。


たけのこの里

全然違った。


正直ナメていた。
あとめっちゃ美味しい。


きのこの山とたけのこの里、見た目の違いで言えばチョコがどのぐらいかかっているかどうかぐらいのものだと思っていて、
味の違いとしても記事に対して最初からチョコの味が一緒に入ってくるか、口の中で一緒になっていくかぐらいの違いだと思っていた。
言ってしまえばすた丼でどんぶりか定食どっちを頼むかぐらいのものという思い込みがあった。

しかし割と第一印象から違う。
当たり前といえば当たり前なのだが、
そもそもきのこの山はクラッカーにチョコがかかったもので、たけのこの里はクッキーにチョコがかかったもの。

そもそもこれを知らなかった。


生地とチョコレートの味が最初から一緒になって口の中に入ってくる、たしかにこれは想像通り

だが、甘さというよりは小麦の香ばしさが目立っていたきのこの山に対して
たけのこの里はクッキーのほんのり甘いマーガリンや卵の味が口に入ってくる。
それがザクザクとした食感というよりは、ホロホロと口の中で解けるような感覚で食べ進めることが出来た。


というかそもそもチョコレートは同じものなのだろうか?
きのこの山にあったビターチョコっぽい味が見事に鳴りを潜めている。

もし同じチョコレートだったとして
たけのこの里のクッキーの自然な甘さがいい具合に隠している感覚があるし、よく分からないけど隠れていたとしても風味として上手に機能しているのだろう。

次から次に気軽に口に運んでしまうきのこの山に対して
たけのこの里は一粒一粒また食べたくなる味という感じだった。


思ったよりも違うこの2つ
造り手はどのように考えているかを見るやめに製品説明を見てみようと思う。


製品説明を見てみる。

たけのこの里
きのこの山

「くせになるおいしさ」
「飽きないおいしさ」
自分が感じた印象をそのまま言語化しているようだった。
コピーライターのお仕事というのはすごい。

チョコレートは2層構造になっていて
「カカオ香るチョコレート」というものがある。
少し感じたビターチョコっぽい味の正体はこれであろう。

これだけを見ると恐らくチョコレートは共通のもの
それでこれだけの差が産まれる事に正直驚いた。

長い間統合されずに製品ラインナップが続いたのには理由があって、そもそも違うものとして作られていることがここの説明でもなんとなく読み取れた。



製品説明を見たところで、今回の比較検証の締めに入る。


結論


そもそも比べるようなものじゃない。


冗談でやってるのだからそんな元も子もない事言うな」というのはたしかにその通りだがこれはその冗談に向き合ってみた結果の結論なのだ。
許してほしい。


これは感覚の話ではあるが、
そもそもこの2つは姿形が似ているだけでチョコレート菓子としてのジャンルが違う。

他のお菓子で例えるなら
きのこの山はポッキーでたけのこの里はアルフォートに近い。

個人の好き好きはあるにせよ、そもそも食べたいと思うシチュエーションが違うような気がする。

きのこの山は、自宅の映画鑑賞のお供や友達との会話のおつまみのような感覚で気軽に楽しむし
たけのこの里はコーヒーなんかと一緒に味わいながらゆっくりと楽しむような情景が想像される。

同じチョコレート菓子と言われれば確かに競合商品だが、
そもそも与えられた役割やシチュエーションは違っていて、直接の強豪ではないような気がした。

もっと言うのであれば、内輪で争うよりも先程申し上げたポッキーやアルフォートなんかと戦ったほうが良いのではないかとさえ思う、実際他社製品なので競合商品はこちらなのだろうけど。


また、個人的にもどっちが好みみたいなのもあまり今回は優劣がつかなかったし
付いたとしてもそれは気分次第でしかないと思う。

どっちがどう、といがみ合うのではなくシチュエーションに合わせてそれぞれの良さを引き出したい。

適材適所、これができる人間でいたいなとぼんやりと思いながらこの比較検証を終えようと思う。



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