CS-21工法 施工事例 / 新設トンネル覆工コンクリートの更なる耐久性向上対策
工事概要
工事名称:国道108号 花渕山1号トンネル工事
工事場所:宮城県大崎市
発 注 者:国土交通省 東北地方整備局 仙台河川国道事務所
工 期 :2011年9月
使用材料:CS-21(NETIS【旧】CB-020055-VR 設計比較対象技術)
施工数量:約500m2
採用の経緯
本工事は、国道108号の宮城県大崎市鳴子温泉古戸前~鬼首柏木木原間の隘路の解消、および災害時の迂回路の確保等を目的として整備された花渕山バイパスのトンネル新設工事である。
当該トンネルは、積雪寒冷地に位置し、冬季には、溶解した凍結防止剤を含む水が、走行車両のタイヤから跳ね上がり、覆工コンクリートに浸透することが懸念された。
長期間の供用が予定されている新設構造物であるため、凍結防止剤由来の塩害対策が検討された結果、CS-21(けい酸塩系表面含浸材)による表面保護工法がVE提案され、採用された。
使用材料の概要
本工事に採用されたCS-21(けい酸塩系表面含浸材)は、
土木学会発刊の
コンクリートライブラリー119 表面保護工法 設計施工指針(案)
における分類では、主成分より「けい酸ナトリウム系表面含浸材」に該当する材料である。
【けい酸塩系表面含浸材の最新指針、コンクリートライブラリー137 けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案) における分類では、改質機構より「反応型けい酸塩系表面含浸材」に該当する。】
CS-21は、無色透明な水溶液であり、コンクリート表面に塗布することで、表面からの目視では発見し難く、一つ一つの対処が困難なマイクロクラックや、打継目などを含む微細空隙を充填して表層部を緻密化する。
トンネル覆工コンクリートの表面保護工法(表面含浸工法)として、スチールファイバーコンクリートの中性化抑制対策など、複数の実績*がある。
CS-21は、劣化因子の侵入が懸念される部材全面に塗布の他、ひび割れや打継目に沿って刷毛塗りなどの部分塗布も可能である。
本件では、走行車両の跳ね上げにより、凍結防止剤を含む水が掛かることが想定される範囲(SLより下*)が対象となった。
施工の概要
全覆工コンクリート打設完了後、下記手順にて施工を行った。
① 下地処理:高圧洗浄により、表面のほこりや汚れを清掃
② 材料塗布:CS-21(200g/m2:原液)を散布・塗布
③ 湿潤散水:水を散布・塗布
今後の展望
当該工事で使用した『CS-21』(けい酸ナトリウム系表面含浸材・反応型けい酸塩系表面含浸材)は、コンクリート構造物の予防保全・長寿命化対策に適した工法である。
現在、シリーズ製品として、施工性の良好なコンクリート表面保護材
・新設用:CS-21ネオ(NETIS:CG-160013-VE 活用促進技術)
・既設用:CS-21ビルダー(NETIS:CG-170009-A)
なども上市されている。
今後も、コンクリート構造物の更なる品質向上・耐久性向上対策として、CS-21シリーズ製品を有効に活用し、コンクリート構造物の長寿命化に貢献していきたい。
アストン協会
関連情報
※覆工コンクリートの緻密性向上対策として、CS-21ネオが採用された事例の掲載情報
コンクリート構造物の品質確保の試行工事に関する講習会(2021/11/26)
/主催:国土交通省・土木学会コンクリート委員会
■各地域での試行工事等におけるGood Practice(優れた取組み)
3.1 河津トンネル(~覆工コンクリートの品質確保)
・配布資料(pdf)
・発表動画(YouTube)
最後までご覧いただきありがとうございました。
CS-21工法による表面保護(予防保全・長寿命化)などの施工実績につきましては、資料「CS-21工法 施工実績表(工法別)【pdf】」をご参照ください。
【新製品】既設コンクリートの表面保護材 CS-21ビルダー(NETIS:CG-170009-A)など、CS-21シリーズ製品・工法の最新情報・詳細につきましては、アストン オフィシャル ウェブサイト をご覧いただけますようお願いいたします。