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観測者の箱庭 全体目次

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短編連作と短編の時系列まとめです。
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記事一覧

【短編】ユキがつなぐキズナ

 あの日は、大雪が降った後で、世界一面真っ白だった。  みんなが慎重に真ん中を避けて通っ…

逸野識音
2日前
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【短編連作】観測者の箱庭01

 研ぎ澄まされた空気を放つ白の金属扉が、僅かな駆動音と共に横滑りする。  現れたのは、頭…

逸野識音
6か月前
2

【短編】蝦

※ゲテモノとグロが苦手な方はご注意ください。  唇から零れる泡が、己の命を運び去っていく…

逸野識音
6か月前
3

【短編】記録の塔

 守り人の管轄する部屋には、一つしか窓がない。  大柄の守り人ですら手の届かない位置にあ…

逸野識音
5か月前
1

【短編】王様のトルソー

 大臣が部屋に戻ると、片隅に立つトルソーの足元に外套が落ちていた。  脱げてしまったのか…

逸野識音
5か月前

【短編連作】観測者の箱庭02

前の話へ  白衣を纏う集団が、部屋の中央にそびえたつ白の円柱を囲うように集まっている。そ…

逸野識音
5か月前

【短編】ニミヤ様

 集落の鐘が打ち鳴らされている。  生まれて初めて聞く轟音に、否応でも急き立てられる。音は集落を囲う谷にぶつかり、反響して、ますます大きくなった。まるで触れられそうなくらい厚みのある音に背を押され、ひたすらにロニーは走る。集落の奥へ奥へ、谷の根元の洞穴へ。  赤茶けた岩肌にぽかりと空いた暗闇に飛び込むと、淡い黄緑色の光がふわりと動いた。ロニーはその光を頼りに鉄格子をつかみ、手探りで扉に向かう。逆光で見えない苛立ちを抑え、鍵をこすりつけるようにして鍵穴を探した。  かみ合わせの

【短編連作】観測者の箱庭03

前の話へ  やばい。  やばいやばいやばい。  速度がえげつない。だが、ここで押されたら負…

逸野識音
4か月前

【短編】マイマイ

「違う」  簡潔で非情なる声が響く。  闇のように濃い紫の法衣に身を包んだ魔女は、指先で摘…

逸野識音
4か月前

【短編】魂願

 神々しいまでの朝日が、礼拝堂に続く通路を照らす。身が引き締まる空気に包まれて尚、瞼が重…

逸野識音
3か月前
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【短編】ホワイトボード

 ガタガタと音を立てながら机を直し、教室を出て行く教師たち。その声を背に、高藤は文字と図…

逸野識音
3か月前
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【短編】なりそこね

 何もしたくない。  曇天が重くのしかかる。空がどばどばと白い綿をまき散らす。それは綿の…

逸野識音
3か月前
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【短編連作】観測者の箱庭04

前の話へ  端末を操作するオーリネスの背後に、誰かに追われているのかと錯覚する勢いで足音…

逸野識音
2か月前
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【短編】糸電話

 気付けば、口元にすっぽりと紙コップが嵌まっていた。 「いゃだ、もう!」  頓狂な声が、紙コップの中でビリビリと響く。  咄嗟に引っ張ってみたものの、びくともしない。コップと一緒に顔周りの皮が引っ張られるだけだ。端から見ればさぞ滑稽だろう。なんて恥ずかしいのかと辺りを見回すも、幸いなことに人通りはない。  むしろ不自然だった。  スーパーの中である。天井から賑やかな音楽が流れ、商品はずらりと並び、奥に見える窓に映るは快晴、明らかに営業時間である。片腕に下げたカゴに野菜が入って